これは趣味?これは仕事?その境界線は、わたしが決めることです。

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タイトルが英語を日本語訳した文章みたいになってしまった・・・。

書く仕事をしているときにはあまり言われないのだが(書く仕事中、人と接することがほぼないからだとは思うけど)、描く仕事をしているときによく聞かれるのが、

「これは趣味ですか?」

という質問。

わたしはいつも相手の意図が汲めずに困っている。この質問をされると、相手が「趣味です」と答えられたいのか、「いいえ、仕事ですよ」と答えられたいのかを考えてしまい、「はあ、まあ、へへ」みたいな返事をしてしまうことが多い。

先に申し上げると、わたしは別に「これは趣味ですか?」と問われること自体が嫌なわけではない。「これは趣味ですか?」は相手がわたしに抱く純粋な興味だと思っているから、「そうだよな、趣味かどうか聞きたいことだってあるよな」と思う。

とはいえ、わたしはこう思っている。

「趣味と仕事の境界線は、わたしが決めることです」 

「これは趣味ですか?」の問いに怒りはない。

でも本音を言うと、「仕事です」と答えたときに「またまた〜」みたいな顔をしてほしくないし、「趣味です」と答えたときに「やっぱり〜」みたいな顔をしてほしくないのが正直なところである

 

趣味と仕事の意味

わたしは画家活動も「仕事」として捉えているが、その価値観についてしたためる前に「趣味」と「仕事」の意味について調べてみた。

趣味

1 仕事・職業としてでなく、個人が楽しみとしてしている事柄。
2 どういうものに美しさやおもしろさを感じるかという、その人の感覚のあり方。好みの傾向。
3 物事のもっている味わい。おもむき。情趣。

出典元:小学館 デジタル大辞泉

一方、仕事は

仕事

1 何かを作り出す、または、成し遂げるための行動。
2 生計を立てる手段として従事する事柄。職業。
3 したこと。行動の結果。業績。
4 悪事をしたり、たくらんだりすること。しわざ。所業。
5 《「針仕事」の略》縫い物。裁縫。
6 力学で、物体が外力の作用で移動したときの、移動方向への力の成分と移動距離との積。単位はエネルギーの単位ジュール、その他ワット秒・ワット時など。

出典元:小学館 デジタル大辞泉

2番目に挙げられる“生計を立てる手段として従事する事柄”と「仕事」として捉えている人も多いはずだ。

ただ、“何かを作り出す、または、成し遂げるための行動”とある通り、「生計を立てるものか否か」が必ずしも「仕事」を定義づけているわけではなさそうだ

 

わたしの場合

わたしの場合、“生計を立てる手段として従事する事柄”はライター仕事だ。赤裸々に語るのがわたしのウリなので、画家仕事だけでは生計を立てられていないことを晒しておく。

だが、画家活動はわたしにとって“何かを作り出す、または、成し遂げるための行動”、すなわち「仕事」であり、「趣味」ではないちなみに、わたしの趣味は「映画鑑賞/美術鑑賞/読書/株/人生について考えること」である。

わたしの画家活動は決して「趣味」ではないのだが・・・「これは趣味ですか?」と問われ「いえ、仕事です」と答えたところ、何回か「これがあ?」みたいな反応をされたことがあり(もちろん彼らに悪気はない)、そのときに思ったのだ。

「これは趣味ですか?」の問いを投げかけてくる人の「仕事」の定義は「生計を立てる手段」なのだと。生計を立てられているか否かで判断されているのだと。

「仕事」の定義が違えば、齟齬が生じるわな

こっちが「趣味じゃないわい、仕事だわい!」と憤慨することがあっても、「仕事=生計を立てる手段」人からすれば「稼げてねえんだから仕事じゃねえだろ!」なのだ。そりゃ互いにモヤモヤしちゃうよね。

 

これは仕事です。

「趣味」と「仕事」の辞書的な意味を紹介したとて、人それぞれ「趣味」と「仕事」の捉え方は違う。

わたしは多分これからも「これは趣味ですか?」の問いに巡りあうことになるだろう。考え方は人それぞれだから、「これは仕事です」に相手がモヤついたり、相手からの反応にわたしがモヤつくことはこれからもあるだろう。

ただ、「趣味と仕事の境界線は、わたしが決めることです」 と思っているので、どんなにモヤつく反応を食らったとしても、わたしが「仕事です」つったらそれは「仕事」になる。それは絶対だ!!!

 

冒頭にも書いたけれど、「『これは趣味ですか?』って聞いてくんな、クソが」と言っているわけでは決してない

しかし時々食らう「仕事ですよ」への「趣味が仕事にできていいですね」「稼げてないのに仕事なの?」みたいな回答に、若干、若干ね、傷つくから。できれば「趣味です」「仕事です」どちらの回答にも「そうなんですね」ぐらいの軽い返答をしていただきたい

わたしは、あなたともっと深い話がしたいよ。

例えば「趣味が仕事にできていいですね」は言い方によっては嫌味にも卑屈にも聞こえるから、それならあなたが仕事にしてしまいたい趣味、ううん、仕事にしなくたっていい、あなたが大好きな趣味について教えてよ。仕事観について語ってよ。

もちろんわたしの作品が目の前にあるなら、作品への素直な感想を教えてよ。わたしの作品を嫌いだって構わないんだ。あなたの価値観の話なのだから。

うん、「これは趣味ですか?」より、作品の感想や作品を目の前にして感じた「あなた」の話を聞きたいな。

 

なーんてことを、個展が終わってからふと思いました。

では。

 

<追記>

現時点では、画家活動が“生計を立てる手段として従事する事柄”になっていないのだが、“生計を立てる手段”にすることを諦めているわけではないことを伝えておきたい。

わたしはお金が好きなので、ライター仕事も画家活動も“生計を立てる手段”にしたい。“生計を立てる手段”を抜きにしたって、画家活動が「仕事」であることに変わりはないが、いずれは両方の「仕事」が、一番目と二番目の定義に結びつくようにしたい。

 

◆本日のおすすめ◆

画家活動を“何かを作り出す、または、成し遂げるための行動”であり、“生計を立てる手段”にするために読んでいる本。