2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

化学って身近だ!齊藤幸一『身のまわりの元素を調べよう 目で見る元素の世界』(誠文堂新光社・2009年)

化学自体は好きである。しかし好きであっても得意ではない。苦手意識が強く、なかなか理解を深められないまま、受験シーズンが到来し、残念ながら受験科目から切り離した教科である。 あまりにも理解できていないことが長年コンプレックスだった。どうにかし…

東京と地方、男と女、厚い壁。山内マリコ『あのこは貴族』(集英社・2019年)

原作より先に映画を鑑賞していた。映画がとても好きで、文章であの世界を体感したいと思った。原作は映画以上に生々しく、ものすごく楽しめた。登場する女たちは自分たちのやり方でたくましく生き抜く。清々しいラストは映画も原作も同様で、それに救われた…

大人になった今だからこそ読みたい。児玉幸多監修『少年少女 日本の歴史』(小学館・1982年)

小学校〜高校を卒業するまで、社会科が一番の苦手科目だった。というか、社会科の授業にあまりにも興味がなさすぎた。当時を振り返ると、他者の過去や経験を学ぶ社会科より、目の前でワクワクとした変化が起こる理科の方がよっぽど楽しかったのだ。 そんな私…

悪用禁止な「人たらし」の手口。佐藤優『悪の処世術』(宝島社・2023年)

恥を忍んで言うと、歴史の教科書や近代史で度々目にする各国の権力者、独裁者のことを、私はよく知らない。覚えているのは名前ばかりで、どこの誰か、何をしたのか、なぜ「悪」とされるのか、それを知らなかった。だから、それを知るために読んだ。 加えて、…

ノウハウ本ではないことに注意。森博嗣『小説家という職業』(集英社・2010年)

まず読書前にすべきだった反省点を述べる。 私は実は、森博嗣作品をまだ読んだことがない。 代表作として名高い『すべてがFになる』のタイトルやドラマ化したことなどは知っていたが、未読である。『スカイ・クロラ』が押井守監督によってアニメ映画化された…