読書録

レイチェル・カーソン著、上遠恵子訳、川内倫子写真『センス・オブ・ワンダー』(新潮文庫、2021年)

この本を手に取ったのは、国語便覧に掲載されている作家の作品で「まだ読んだことのない作品を読みたいな〜」と思った時に、たまたま目にしたのがきっかけ。レイチェル・カーソンといえば『沈黙の春』だ。環境問題の啓発に大きな影響を与えたこの作品も読ん…

千葉雅也『勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版』(文藝春秋、2017年)

私は「勉強」という言葉に、受験のために詰め込むもの、テストのための道具、成績として測られるもの──といったイメージを抱いていた。学生時代の私は、これらのイメージをもとにした「勉強」をうまくできなかったから、大学受験や試験勉強は落ちたり合格は…

西岡壱誠著、ひなた水色作画『マンガでわかる東大勉強法 増補版』(幻冬舎、2019年)

この本を読もうと思ったきっかけは、「勉強にコンプレックスがあるから」「東大に憧れがあるから」「東大生は勉強とどのようにして向き合っているのか(=勉強が苦手な自分とは何が違うのか)を知りたかったから」である。 この本を読んで、特に印象に残った…

サン=テグジュペリ著、河野万里子訳『星の王子さま』(新潮文庫・2006年)

文庫版の『星の王子さま』が本屋に並んでいるのを見て、手に取った。なぜ今、この本を読もうと思ったのかというと、私が幼かった頃、家にこの本があったことを思い出したからだ。当時(記憶が始まる幼稚園児の頃から小学生時代にかけて)はこの本に興味がな…

ヨハン・ハリ著、福井昌子訳『奪われた集中力』(作品社・2025年)

この本を手に取ったきっかけは、日本経済新聞の土曜日付朝刊「読書」面で掲載されている書評を読んだこと(参照:為政者が問題を先送りさせるためには、有権者の注意力を削るのが効果的だ―ヨハン・ハリ『奪われた集中力: もう一度〝じっくり〟考えるための方…

カル・ニューポート著、高橋璃子訳『SLOW 仕事の減らし方』(ダイヤモンド社・2025年)

決して“仕事で”忙しいわけではない。むしろここ何ヶ月かはろくに仕事ができていない。理由は育児である。自分1人でできることが少ない我が子を生かす毎日は、時間がゆっくり過ぎゆく割には想像以上に“忙しい”。ただ、「我が子と向き合う時間を削ってまで仕事…

ブライアン・R・リトル著、児島修訳『ハーバードの心理学講義』(大和書房・2025年)

この本を手に取った時、私は悩んでいた。自分の性格(内向的、自信がない)とか、これまでの自分の生き方とか、そういうものに。そういう時、私は本屋へ行く。そこで出会う、直感的に「読んでみようかな」と思った本が1つの解答になることがあるから。それで…

片野秀樹『休養学: あなたを疲れから救う』(東洋経済新報社・2024年)

この本は日々の疲れに悩む人に向けて、睡眠だけでなく、睡眠「以外」の休み方について教えてくれる本だ。 この本を選んだきっかけは、夫が妙な疲れ方をしていたから。休日になると一気に活力がなくなり、「仕事をすれば元気になる」と言いながらも休日になか…

藤川徳美『心と体を強くする!メガビタミン健康法』(方丈社・2020年)

この本は、心と体の健康のために重視すべき“栄養”と、「分子栄養学」※1に基づいた著者の実践とメソッドが紹介されている。 私がこの本を選んだのは「“心と体を強く”したかったから」。 先日、「一時預かり制度」※2を利用して、初めて子どもを保育園に預けた…

岡本裕一朗、永野あかね『マンガ版 教養として学んでおきたい哲学』(マイナビ出版・2024年)

冒頭で記されている言葉を借りると、“主に西洋の哲学について教養として学ぶための本”である。哲学を、その概念からわかりやすく解説したものであるが、もっともっと捉えやすく説明するならば、「おわりに」に書かれた言葉が最適だと感じた。 本書を「哲学入…

竹内薫『フェイクニュース時代の科学リテラシー超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2024年)

この本は、情報が氾濫する現代社会においてますます重要さを増す「科学リテラシー」について解説した本である。 文部科学省は「科学リテラシー」(科学的リテラシー)について、「自然界及び人間の活動によって起こる自然界の変化について理解し、意思決定す…

マシュー・サイド著、有枝春訳『失敗の科学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2016年)

この本は、失敗をどのように捉え、そこからどのように学習していくかについて、様々な事例を交えながら解説する本である。 私がまだAmazon Primeのサブスクに登録していた時、Prime Readingではじめてこの本を読んだ。その時は第1章しか読みきれなかったが、…

神川龍馬『京大式 へんな生き物の授業』(朝日新書・2021年)

この本は目に見えない生き物、微生物に着目した本だ。 微生物は偶然の進化でさまざまな生存戦略を獲得することになった。その歴史や流れ、その生存戦略がどう働いているかを、この本では知ることができる。 なぜこの本を選んだか 私は元々微生物に興味がある…

山本陽子『入門 日本美術史』(筑摩書房・2024年)

タイトル通り、この本は日本美術史の本だ。 日本美術史、と聞いて苦手意識を抱いていたり、「自分はあまり興味がないかな」と思う人がいたりするかもしれないが、個人的には日本美術にどことなく苦手意識のある人にこそ読んでほしい本である。 というのも、…

本郷和人『東大生に教える日本史』(文藝春秋・2025年)

この本は、受験において暗記科目といった印象の強い日本史の概念を変える本だ。 この本の構成は、東京大学教養学部の学生に向けて行われた連続講義の内容を、あらためて語り起こした形になっている。本のタイトルにある“東大生”や“東京大学教養学部”という単…

Kazu Languages『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』(SBクリエイティブ・2024年)

この本は、表紙や帯にも記載されている通り、著者が外国語を習得するために行ったこと、習慣術やマインドセット法などを教えてくれる本だ。 ただし、「語学勉強」の響きから感じられるような堅苦しい内容ではないし、その一方で「たった3ヶ月で流暢に話せる…

アン・ウーキョン著、花塚恵訳『思考の穴』(ダイヤモンド社・2023年)

アン・ウーキョン著、花塚恵訳『イェール大学集中講義 思考の穴 ーわかっていても間違える全人類のための思考法』(ダイヤモンド社・2023年) この本について この本は、本文に登場する表現を借りれば、「わかっていても避けられない思考の不具合」を探求す…

外山紀子・中島伸子『乳幼児は世界をどう理解しているのか』(ポプラ社・2023年)

この本は、ヒトの認知能力とこころの発達について、世界の研究データをもとに解説した本である。研究データの対象は主に乳幼児だが、大人の認知能力や大人の物事の捉え方についても触れられているので、この本の関連分野が「子ども」「子育て」に絞られる、…

ユクスキュル/クリサート著、日高敏隆・羽田節子訳『生物から見た世界』(岩波書店・2005年<第1刷>)

この本について タイトル通り「生き物から見た」世界について説かれた本である。 人間は人間から見た世界に生きるが、イヌや鳥や昆虫が生きる世界は、各々が見る世界であり、人間から見た世界とは異なる、ということを教えてくれる。 なぜ、その本を選んだか…

エミリー・オスター著、堀内久美子訳『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト』(サンマーク出版・2021年)

この本は経済学者である著者が、子育てに関する膨大な数の「研究」にあたり、親にとっても子どもにとってもベストな形の子育てに役立つ情報を提供してくれる本だ。 この本を選んだ理由は以下の通り。 妊娠・出産を経験することになったから 日本の育児書の書…

月刊Newsがわかる編集部『Newsがわかる総集編 2025年版』(毎日新聞出版・2024年)

毎日新聞出版株式会社が発行する月刊誌、月刊『Newsがわかる』は小中学生向けに新聞やニュースをわかりやすく解説する雑誌である。 本記事でご紹介する『Newsがわかる総集編 2025年版』は2023年11月号〜2024年10月号までをまとめ、再編集したものだ。 この本…

2024年に読んだ本を振り返る

先週、「2024年に見た映画を振り返る」という記事を更新した。 2024年は、2023年の自分が望んだ通り、ひたすら読書を楽しんだ年であるから、せっかくなので2024年に読んだ本も振り返ろうと思った次第である。 数えてみたら、このブログで読書録として書き記…

今井むつみ『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策』(日経BP・2024年)

この本がどのような本であるかは、この本を開いた時の「そで」(本の表紙の折り込み部分)に記載された一文に集約されている。 「伝えること」「わかり合うこと」を真面目に考え、実践したい人のための1冊です。 この本は以前から気にはなっていたのだが、自…

フィリッパ・ペリー著、高山真由美訳 『子どもとの関係が変わる 自分の親に読んでほしかった本』(日経BP 日本経済新聞出版・2023年)

まず、この本は子育てマニュアルではない。しかし、子育て中の親御さんの強い味方となりうる本だし、自分の親との関係に思い悩む人の味方となりうる本でもある。 私がこの本を選んだのは、タイトルにある「自分の親に読んでほしかった」という言葉が胸にひっ…

横山光昭『年収300万円でもお金持ちな人 年収1000万円でも貧乏な人』(PHP研究所・2016年)

この本は、貯金上手な人と貯金下手な人の対比を通じて、お金とどう向き合うことで、お金の不安を抱えずに堅実に貯金ができるかといったコツを紹介してくれる本だ。 私がこの本を手にとった理由はズバリ将来のお金に不安を抱いたから。身のまわりの環境が変化…

地曳いく子『服を買うなら、捨てなさい』(宝島社・2015年)

この本は洋服の手放し方と買い方の本である。 私は「おしゃれが大好き」とも「おしゃれには興味ない」ともいえないが、思春期から会社員を辞めてフリーランスになるまで、洋服にはずっと悩まされてきた。 いかり肩で、骨ばった部分もあるが、自分があまり受…

モリー・マルーフ著、矢島麻里子訳『脳と身体を最適化せよ! 』(ダイヤモンド社・2024年)

正式には『脳と身体を最適化せよ! 「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法 』が本書のタイトル。 本屋でこの本を見かけ、パラパラと立ち読みした後、すぐに購入を決めた。私は変わりたかったから。 夫と比べると私は不健康だ。…

なにおれ『なにおれ流 少ないものとお金で楽しく暮らす』(宝島社・2023年)

この本は、質素倹約な生活のコツや、お金や人生との向き合い方について書かれている。 著者の“なにおれ"さんを知ったのはYouTubeを通じてである。 www.youtube.com 過去にこのブログにて紹介した、ミニマリストしぶ『手放す練習 ムダに消耗しない取捨選択』…

飯田育浩『日本の女性・ジェンダーのいちばんわかりやすい歴史の教科書』(グラフィック社・2024年)

歴史分野の編集・執筆に携わってきた著者の「どうして、日本史に登場する女性は少ないのだろう?」という疑問から生まれた1冊。職業、結婚、出産、教育、同性愛、宗教、戦争、ファッション、政治参画、性売買、文学、芸術といったチャプターで構成され、幅広…

フランツ・カフカ著、山下肇・山下万里訳『変身・断食芸人』(岩波書店・2004年)

私が読んだ本には『断食芸人』という『変身』とはまた違う面白さのある物語も収録されているが、この記事では『変身』についてだけ紹介する。 まず、ざっくりとあらすじをお伝えする。 父母に代わって一家を養うために日々働いていた青年、グレゴール・ザム…