2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

一生大切にする、この本。國分功一郎『暇と退屈の倫理学』(新潮社・初版2011年)

私はこの本を一生大切にすると思う。 暇と退屈について、人類史、歴史、経済史的な観点から検討し、後半では哲学的にその問題を扱いながらも生物学的視点からも暇と退屈を紐解く。あらゆる学問とのつながりを感じる多角的な視点に、読んでいてとてもワクワク…

不思議と涙が込み上げてくる。恩田陸『光の帝国 常野物語』(集英社・2000年)

高校生の時、本好きの友人から借りて読んだ思い出の小説を、久しぶりに読んだ。 この小説の好きなところは、物語の主軸となる常野の人々がなぜ不思議な力を持っているのかが具体的に明かされないところだ。彼らには不思議な力がある。ただ、それだけを説明し…

ルールにもっと関心を。青木高夫『ずるい!?なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン・2009年)

父から借りた本のうちの1冊。 義父から、義父が読み終えた文藝春秋を譲り受けているので、自分の父の視点で選ばれた本を読んでみたいなと思い、父が私に勧めたい本があれば貸してくれと頼んでみた。そうして選ばれたうちの1つである。 スポーツやビジネスの…

教育に興味のあるすべての人へ。草野絵美『親子で知的好奇心を伸ばす ネオ子育て』(CCCメディアハウス・2022年)

自分には子どもはいないが、教育分野には興味があるし(大学時代、中学理科の教員免許を取得した)、結婚をきっかけに甥っ子と姪っ子が8人でき、彼らの教育事情も目にしていたから読んでみた。 あと純粋に、コロナ禍のSNSで見かけた草野絵美さんのツイートが…