映画『パール』ミア・ゴスの顔面が最高。

【映画パンフレット】Pearl パール 監督 タイ・ウェスト 出演 ミア・ゴス、デヴィッド・コレンスウェット

A24※だから、A24っぽいんだろうな、と思ってやっぱりちょっと期待して観たら、とってもとってもA24な映画だった。最悪で最高。愛おしくて悲しくて、とっても厭な気持ちになる映画だった。これは超、超、超褒め言葉。

※映画やテレビ番組の製作、出資、配給を専門とするアメリカの企業。

ネタバレ注意(結末までのあらすじは記載していませんが、劇中の出来事は書いてます)

 

ミア・ゴス演じる主人公パールは本当に純粋無垢な人。

暴力性を隠し持っているところとか、純粋ゆえに狂気じみているところは、確かにホラー映画なんだけど、パール本人の純粋な欲求は「愛されたい」ただ、それだけなんだよね。

パールの欲望に巻き込まれた人たちの結末は何をどう言っても死亡フラグが避けられない感じでとことん不憫だし、観ていて私も純粋に「こんな感じで死にたくねー」と思ったけど、パールに肩入れした途端、なんだかほんのり悲しくなっちゃうんだよね

ちょっといい感じになった映写技師さんの台詞みたいに、「パール、あんたのやってることちょっと怖いよ」とは思うんだけど、異常性じゃない部分が表れている時のパールは純粋で健気で頑張り屋で可愛く見えてしまう。絡まれたくはないけど、あの子、純粋で愛おしいよねって思ってしまう。

そう、なんか、愛おしいんだなー!

愛おしいからか分からないけど、劇中、パールの異常な行動が唐突に挟み込まれる度、ちょっと笑ってしまう。

たとえば、とうもろこし畑のカカシとエッチなことをし始める。カカシのビジュアルがめちゃくちゃホラーで、なんならちょっと汚い中、パールはうっとりしてカカシにチューする。しかも割とベロチュー。

ベロチューシーンで衛生面の不安を覚えたりしたけれど、パールが「私は人妻よ!」と怒り叫んだときには唐突すぎて笑ったし、叫んだ言葉の割にはノリノリでおっ始まったことにも笑ったし、次の瞬間には何事もなかったかのように自宅に戻るパールの姿に笑ったし、……なんだかすごかった。

A24の映画をいくつか観てきているので割と驚かないのだけれど(私がA24の奇妙なエロシーンに耐性をつけるきっかけになったのは『ミッドサマー』のエロシーンですね!)A24映画の鑑賞経験が少ないと、引いてしまうかもしれないね!

物語終盤の腐乱したあれやこれやは美しかった。思い返すと、パールはお父さんのこともお母さんのことも全然好きだったんだなーって。

パールみたいな女の子に絡まれたら、そりゃあ正直嫌だけど、なんとかしてあげられないかな……とも思っちゃう。冒頭でも言ったけど、ただ「愛されたい」、これがなんでこんなにも難しいんだろうねって感じちゃう映画。観てる最中は楽しい(?)けど、観終わった後、しばらくすると凹んでた。

純粋に画がきれいだってことでも「映画が好き」と言ってる人にはオススメしたいなあ〜。

おしまい。

 

(今作は3部作なんですってね。1作目が『X(エックス)』。Amazon Prime Videoで公開中。Prime会員ならレンタル料かからない〜。続けて観なくても全然楽しめる。実は続けて観てない)