ラブ・アゲイン
あらすじ
まじめを絵に描いたような40代のキャル・ウィーバー(スティーブ・カレル)は理想的な人生を送っていた。安定した職に就き、マイホームを手に入れ、高校時代の恋人だった妻との間にはかわいい子供たちがいる。しかし、妻のエミリー(ジュリアン・ムーア)が男をつくり、離婚を考えていると知ったときから、キャルの“申しぶんのない”人生はもろくも崩れ去る。おまけに昨今の“独身市場”では、キャルのようにウン十年もデートから遠ざかっている中年男はヤボなバツイチとして相手にもされない。
そんなヤボなバツイチがプレイボーイな青年と出会い、彼の指導の下、イケてるモテ男に変身していくのだが・・・
安心できる王道ラブコメ
映画を観終えた時の感想は「うん、なんかハッピー」である。
いや、ほんとに。
「なんか、ハッピー」とホッとできる映画なのだ。
ストーリー展開やキャラクター設定に「…無理ない?」と思う場面もいくつかあったが、それでも観終えると「なんか、ハッピー」で落ち着く。安心できる王道ラブコメだ。
恋愛で暴走する大人たち・子供たち
倦怠期を迎えた夫婦。離婚を申し出た妻は会社の同僚と関係を持ってしまった。息子はベビーシッターの女子学生にベタ惚れ。ベビーシッターの女子は、実は離婚を申し出された主人公にベタ惚れ。
離婚でメソメソする主人公を立ち直らせるのはイケイケのプレイボーイ。でも彼も、1人の女性だけ落とせないでいる。
設定だけで「嫌な予感」がする(もちろんいい意味で)。
案の定、映画開始直後から登場人物は大暴走を始める。好きだとか付き合いたいとか、手に入れたいとか相手とやり直したいとか…その思いに直球なのだ。直球すぎるのだ。
特に、主人公の息子の愛は重い。
暴走がひどい。惚れられた女子学生が呆れ返るほどの愛を投げまくるが、その健気さが見ていて面白い。
スティーブ・カレルがいい味だしてる
スティーブ・カレルといえば、ミニオンズシリーズに登場する怪盗グルー(↑)がお馴染みだ(吹き替え版だと笑福亭鶴瓶)。
そんなスティーブ・カレルが、ライアン・ゴズリング演じるプレイボーイに仕込まれていくのだが、本当に見違えるほど「ヤボな中年男性」から「イケてるおじさん」に変わっていくから面白い。
衣装やヘアメイクなどの演出の力もあるが、スティーブ・カレルの目力が変わっていくのもすごい。
しかし、どうしても内面だけはすぐに変えることができない。どこか妻のことを思い出しているような・・・そんな表情がとにかく愛おしい。
映画が終わりに近づけば近づくほど、スティーブ・カレル演じるキャルを応援したくてたまらなくなるのだ。
だって、かっこいい中年男性に変身しても妻を一途に想い続けちゃってるんだもの!成就してほしいではないか。
原題「Crazy,Stupid,Love.」
「ラブ・アゲイン」というタイトルより、原題「Crazy,Stupid,Love.」の方が今作の本質が伝わると考えている。
直訳すると「狂おしく、愚かな、愛」。
どうだろう、登場人物達が各々の想いを暴走させてしまうこのラブコメにぴったりなタイトルは絶対に「Crazy,Stupid,Love」だ。
どの登場人物も愛おしい。ほんと、今記事のタイトル通り、片思いとか両思いとか、結婚とか離婚とか・・・全部愛おしい映画なのだ!!!
暴走する愛を観てほっこりしたいなら、「ラブ・アゲイン」は外せない王道ラブコメ。
ぜひに。