この記事は、本ブログを立ち上げた2016年から2025年末までの間に、ブログで取り上げたことのある邦画の中から、何度も観るほど好きな作品をまとめたものである。
まずは結論から。
何度も観るほど好きな邦画は以下の3作品。
1. 帝一の國
2. 恋は雨上がりのように
3. 来る
帝一の國
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まず、私は菅田将暉のファンではない。志尊淳のファンでもないし、竹内涼真のファンでもない。本作に登場する役者陣の中で推している人はいない。
私ははじめ、この映画は「クローズゼロ」や「HIGH&LOW」のように、かっこいい役者を観るための映画だと思い込んでいた(私は若手俳優陣が出ているヤンキー映画をそういう風に捉えている)。実際、「帝一の國」もまた、そういう映画なのかもしれない。ふんどし一丁で太鼓を叩くシーンあるし。
だが、そういう映画にしては面白かったのだ。コメディとしてのくだらなさと上に立ちたい人間の嫌な部分のバランスに面白さを感じた。私にとって権力争いみたいなものは、巻き込まれずに俯瞰して観る分には滑稽に映るのだと知った。
そういえば先日、夫から勧められて「ルールチェンジ大富豪」というYouTube動画を観たのだが、これもまた「帝一の國」味があり、面白かった。
いずれの作品も、トップに立つ人間の苦悩とくだらなさを感じることができる。
そして、後味の悪さがふんわり香るのもいい。
「帝一の國」も「ルールチェンジ大富豪」でも、「帝一の國」の終わりに帝一がつぶやく印象的な台詞のように、それに巻き込まれる民衆がどれだけ小馬鹿にされているか、どれだけ関心を持たれていないか、どれだけ手駒の一つとしていいように利用されているかも実感できる。その時の精神衛生によっては虚しさを覚えるかもしれない。でも、それが現実。
「くだらねー」と笑いながら、ふとゾッとする。そういう感覚を自分は好きなのかもしれない、と思わせてくれた映画である。
来る
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嫌な気持ちになる作品は観たくないと思いつつ、「来る」の3部構成の中で一番好きなのは、妻夫木聡演じる役が主軸のパートである。脚本と演出、巧みな演技のせいで、「こういう土地には絶対に嫁ぎたくない、というか結婚したくない、子供産みたくない」と思うほどだった。それでも彼は彼なりに家族を愛していて、愛する家族を守ろうとするのだけれど。
世間一般における評価がどうだったかは知らない。3部構成最後のパートは「使えるものは全部使う」をモットー(?)とした「除霊」シーンが見どころで、オカルト色はどうしても強めになる。それでも、日本全国の神職、心霊研究者、除霊師等々が一堂に会する様は妙に圧巻だし、小さな頃に少しでも「幽霊が見える!」とか「妖怪がいた!」とか、そういうはしゃぎ方をしたことがある人なら、一瞬だけでもときめいてしまうのではないか。
そういえば、どうやら本作の妻夫木聡演じる父親を「良い父親」と評価し、彼の身に起こる不幸を見て「かわいそう」と思う人がいるようだ。確かにむごいシーンではあるが、私は1部の起承転結を見ても彼を「良い父親」だとは思えない。いつもイライラしている母と共に過ごす子供目線で見た時に、もしかすると「良い父親」に感じられるのかもしれないが、その「良い父親」こそ、母をイライラさせている元凶といえる。私はそう捉える。だから「良い」とは決して評価できない。「来る」の妻夫木聡を「良い父親」と評価する人とは絶対に仲良くなれないな、という1つの基準ができた。
恋は雨上がりのように
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上記2作品に比べると、「好き」という気持ちにファンフィルターがかかっているように思える。何せ私は高校生〜大学生にかけて大泉洋のファンだったから。今は、当時よりも冷静だが、当時の私は大泉洋が出演するというだけで、どんな映画作品であれ欠かさず観るぐらいにはファンだった。
原作も好き。といっても、普段あまり漫画を読まないから、試し読みした1巻だけで「好き」と言っているのだが。映画化が決まり、小松菜奈と大泉洋がメインキャストであると知った時、配役がそんなに悪くないように感じられ、公開前からワクワクしていた。
大泉洋演じる“店長”が、ちゃんとおっさんなのがいい。悪い人ではないけど特別慕われているわけでもない“店長”って感じが良かった。好意を喜ばしく受け取りつつも、一線を越えないよう、丁寧に丁寧に接する様に、「ああ、こういう恋愛映画はいいなあ」と思えた。好きという気持ちにガツガツしていない感じが、消耗せずに鑑賞できる理由なのではないだろうか。
小松菜奈演じる主人公のまっすぐさに青春も感じられるし、登場人物は思いの外現実味、人間味のある人が多くて、浮世離れしているキャラクターもいなくはないけど、どこか身近に感じられる雰囲気もまた、観ていて疲れない。
年齢的にはいい大人なので、もういい加減“青春”映画にワクワクドキドキするのはやめた方がいいんじゃ……と思わなくもないが、この映画に関しては、許しを請うてでも何度も観せてほしい。
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