この本は夫の本棚にあったもの。
手に取った理由は、タイトルが『やり抜く力』なのに読み進めている痕跡がなかったから(本の前半部分にしおりが挟まったまま本棚にしまわれていた)。「夫の心を捉えられなかった本ってどんな感じなんだろう〜」という興味から読み進めた。
『やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』
概要
本の表紙にも書かれているけれど、簡潔に説明するならば「人生の成功を決めるのは『才能』ではなく『やり抜く力』」。
事業家やスポーツ選手の物語を織り交ぜながら、彼らを成功に導いた「やり抜く力」がどのように形成されるものなのか、どうすれば「やり抜く力」が育つのか、などについて書かれている。
この本を読んで気づいたこと
先の画像に“大人でも、子どもでも、いつからでも、「やり抜く力」を伸ばせる本”と書いてあるけれど、読み終わって最初の感想は「子育て本だった…」。
もちろん、大人が「やり抜く力」を育てるのに役立つ方法を書いた章もあるのだけれど、事業家やスポーツ選手の物語を読んでいると、彼らの親が彼らをどう育てたかに着目して書かれている印象が強かった。
「やり抜く力」の影響力について調べる研究内容はとても興味深かったけれど、
- 研究内容の解説
- 子どもの育て方
が主軸になっている印象があって、自己啓発本として読み始めた人は拍子抜けするんじゃないかと思う。
「『やり抜く力』を内側から伸ばす」は必見
それでも、第6章〜第9章までが収録された「PART2 『やり抜く力』を内側から伸ばす」は、「やり抜く力」を伸ばしたいなと少しでも思った人は必見だ。
特に「第9章 この『希望』が背中をおす」は、この本を読むうちに「これって子どもの育て方の本で、私にはもう『やり抜く力』が育つ余力はないのでは…」と自信を失いかけていた私の背中を押してくれるものだった。本当だ、大人でも伸ばせるわ。
「あなたが『楽観主義者』か『悲観主義者』か、それによって物事の捉え方が変わるよ〜」と書かれている部分では、私はゴリゴリの「悲観主義者」なので希望がなくなるかと思って焦ったが、
- 失敗への「解釈」のちがいが粘り強さを生む
- マインドセットが「努力できるかどうか」を決める
の二つは、「やり抜く力」を育てるために大切にすべきだな〜と素直に思った。
自己啓発本ではないかもな〜
ゴリゴリの自己啓発本を読みたい人には物足りないかもしれないけど、
- 研究報告を知るのが好きな人
- 子育てに役立てたい人
はスッと読めると思う。
それから、子どもの育て方について言及されるたびに「私には『やり抜く力』がもう育たないんじゃ…」って自信を失いかけるかもしれないけど、自信を喪失させる本では決してないから、それこそ根気強く読み進めてほしい。
読み進めるうちに、最適な「やり抜く力」の育て方に出会えるはずだから。
では。
◆本日のおすすめ◆
著者のTEDトーク(動画)もあるよ。
Grit: the power of passion and perseverance | Angela Lee Duckworth