うつの波に飲み込まれたら、諦めるってのもひとつの手かもしれない。

 わたしの大好きな作家、坂口恭平さんは自身の双極性障害をコントロールすることを「操縦」と呼んでいる。わたしはその言葉を聞いて「わたしもうまく操縦できるようになりたい!」と思っていた。

 が先日、操縦しきれないほど体と心が重くなり、どうしようもなくなって、虚しい1日を終えた。

 

 

うつの波に飲み込まれたとき、わたしは

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 先日、うつの波に溺れたきっかけは、わたしがやろうとしていた1日の予定が冒頭から崩れてしまったことに原因がある。いつもなら、立てていた予定がうまくいかなくなったとき「まあ・・・仕方ないか」と視点を変えられていた。

 が、この日は違った。

 パソコン”で”作業がしたかったのに、パソコンが全く動かなくなった。普段なら「仕方ねえ、うまく起動するまでスマホで仕事するか」という頭になる。が、その日はどうしてもわたしの頭は「パソコン”で”」にこだわっていた。

 ここからどんどんうつの波は大きくなっていく。

 

これは「うつの波」だと自覚する

 うつの波が大きくなっても、現時点のわたしはとりあえず冷静だ。うつの波は面白いぐらいにどんどん大きくなって、わたしの心を飲み込んでいく。パソコンが動かないだけのはずなのに、

  1. 仕事できない
  2. 仕事できないのはわたしがケチって新しいパソコン買わないからだ
  3. 待てよ、わたしが不甲斐ないからなんじゃね?
  4. ていうかこの間送った仕事の返信来なさすぎじゃね?
  5. 編集さんから来たメール、これって執筆が打ち切りってこと?
  6. 頭痛い
  7. 吐き気がする
  8. もう何にもできる気がしない
  9. やるべきことが溜まってるのに手が出せない
  10. クソみたいに眠い

みたいに、どんどんどんどん飲み込まれる。でもこの合間合間にわたしは、「これは脳の誤作動だよ」「負の連鎖をわたしの頭が勝手に生み出してるだけだよ」と自分に言い聞かせてる。だから負の連鎖の速度は遅めである。遅めの、はず。

 ちょっと前のわたしはこの連鎖があっという間に大きくなって、すぐに「あ、死にてー」となっていた。今のところ、それはないので安心だ。

 

とりあえずどうにかしようとする

 で、これは脳の誤作動が生んだ負の連鎖、うつの波である。ということは、実際には体を動かすことができるし、心を落ち着かせることだってできるはずだ。そう考えたときには、とりあえずどうにかしようとする。

 普段なら違う行動をしよう!という発想にたどり着く。例えば、パソコンがポンコツ状態に陥ったときには「じゃあ今日は絵を描こう」とか「スマホで記事を書き進めよう」とか「潔くインプットデーにして本を読みあさろう」などである。

 なのに今回は本当に厄介で、わたしの脳みその非常に厄介なところが抜きん出てしまった。

 「何が何でも、パソコン”で”作業がしたい」とわたしの頭が言っている。

 「無理なんだよ、パソコンは生き物じゃないし、っていうか生き物であっても、自分以外の何かを思うようにコントロールすることなんてできないんだよ」と言っても聞かない。

 パソコンが使いたい、パソコンが使いたい、パソコンが使いたい、パソコンが使いたい、パソコンが使いたい、パソコンが使いたい、パソコンが・・・

 こうなるともうダメである。

 

諦める

 諦めた

 だってパソコン動かないし。なのに頭はパソコンを触ること以外に興味をもってくれないし。本を読んでも集中力が続かない。YouTubeも別に楽しくはない。寝ても頭がスッキリしない。お菓子を食べても満たされない。

 何をやってもダメなら、何をやってもダメを受け入れるしかない

 何やっても楽しくない、満たされないなら、楽しもう、満たそうとしても苦しいだけだ。なら、「マジ最悪。ダルい。ツラい。キツすぎる」に身を委ねたほうが悪化しないと考えた。

 溺れたとき、もがくとどんどん沈みゆくでしょ

 だから力を抜く

 なお夫が帰宅してからは「今日は1日マジでダメな日でした」と話を聞いてもらい(いつもすみません)、一通り布団の上で「虚しい」「悔しい」とジタバタしてから寝た。翌朝、夫から、先に寝ていたわたしがうなされていたことを聞かされた。

 うん、本当にダメな1日だったんだね。

 

諦めるしかできないときは、諦めたほうが早い

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 もちろん「諦める」って決断が極論だって意見もあるとは思うけど。

 ただ、わたしは抗えば抗うほど「きっつ・・・」ってなることが多かった。仕事を辞めて、直接人と関わることの少ない生活を送るようになって、自分の変化に気づけるようになった。「諦める」は、そこから導き出した方法なのだ。

 諦めて身を委ねたほうが、翌日落ち着きを取り戻すことができるって気づいたから。

 だから万人にはおすすめできないけど、むしゃくしゃしたり、落ち込んだりして、頭の中が「うわー!!!」ってなったら、「良くなろう」って頑張るんじゃなくて「今日は仕方ねえや」って諦めるのもおすすめだよ

 

 わたしがこういう記事を書くのは、「元気でない」とか「やる気でない」って検索すると、「元気を出す方法」や「やる気を出す方法」がたくさん出てくるから。いや、それも大事なんだけどさ、抗わないって方法もありじゃないの?って思うんだ。

 この後人生長いから、ちょっとツラい日は頑張らないってのもありじゃないのかなあ

 では。

 

◆本日のおすすめ◆

坂口恭平さんの本はめっちゃ励まされる