Amazon Primeビデオ、お気に入り作品レビュー第2弾は『グッド・オーメンズ』。
天使・アジラフェルと悪魔・クロウリーのやりとりが可愛すぎて死ねる。
グッド・オーメンズ
出典元:Amazon.com: Watch Good Omens - Season 1 | Prime Video
あらすじ
天使のアジラフェルと悪魔のクロウリーは、地球への愛着を深めていた。そんな2人にとって地球の滅亡は最悪のニュースだ。四騎士の準備は整っている。すべては神の計画の通りに進んでいた。誰かが反キリストを間違えてしまったことを除いては。人類のヒーローは反キリストを探し出し、手遅れになる前にハルマゲドンを止めることができるのか?
アダムとイヴが林檎かじっちゃって神様から追放されちゃう有名な話、あるじゃん。
そこでイヴに「林檎食べちゃえよ」ってけしかけたのが悪魔・クロウリーで、神様とアダムとイヴが住んでたとこの東側の壁を守ってて、追い出された人間が困るとアレだからって炎の剣(多分、人が火を扱えるようになったってくだりなんだと思う)を手渡したのが天使・アジラフェル。
この2人、天使と悪魔が主人公の物語なんだけど、人間界に愛着をもっちゃった描写が可愛いのなんの。
おすすめポイント
Did you expect Armageddon to be this much fun? Tell us what you loved about #GoodOmens. pic.twitter.com/0Pb3uQTPPZ
— Good Omens (@GoodOmensPrime) June 25, 2019
やりとりが可愛すぎる
天使と悪魔という敵対する者同士のはずなのに、一緒に散歩したりランチに行ったり、めちゃくちゃ仲良しなアジラフェルとクロウリー。
特にクロウリーがなんだかんだアジラフェルを気にかけちゃうところが可愛い。
アジラフェルは天使の中の天使というか、穏やかさMAXだから、相手が悪魔だろうがなんだろうが「慈愛」みたいのが滲み出ちゃうキャラクター。だからクロウリーに向ける友情も割と素直な感じ。
そう考えるとクロウリーは悪魔っぽさ薄め。人間を貶めることに喜びを感じている他の悪魔に比べると自分最優先、「悪事より今が楽しめればいいやー」系の悪魔だからか、わざわざ悪いことをしているイメージはなく、だからこそ「アジラフェルとつるんでるほうが楽しい!」って気持ちが全面に出ちゃって、それはもう可愛いのなんのって。
でもアジラフェルとクロウリーは互いに互いの仕事、すなわち「天使であること」「悪魔であること」に誇りをもってるから、2人とも互いのことめちゃくちゃ好きなんだけど、天使と悪魔の仕事について触れられるとすぐケンカになっちゃうんだよね。
(例えば、アジラフェルが「君は悪魔だけど、心の奥底に善良な部分があるよね」ってクロウリーに指摘すると、クロウリーが思わずアジラフェルに掴みかかっちゃうシーンがある。「そんなわけないだろ!俺は悪魔だぞ」ってね)
第3話では6000年前に出会った頃から現代まで、どうやって2人が親交を深めていったかが描かれる。でね、いっつも別れ際にどっちかが「お前なんか友達じゃないやい!」って吐きすてて去っちゃうの。
でも!
どちらかがピンチに陥ると必ず助けに来ちゃう。なんだよもー❤︎
まあ、天使と悪魔なんで、素直に「好きー」って伝え合ったら上司にめっちゃくちゃ怒られるっぽいから、いつまで経っても素直になれないんだけど、随所随所に好き合ってる雰囲気が滲み出てて、見てるこちらがやきもきします。
友情っていうか、まあ、ほぼほぼBLなんだけど※、お気に入りシーンを紹介するから気になる人は覗いてください、ほんと、2人の関係素敵だから。
- アジラフェルが自分の羽根でクロウリーを雨宿りさせてあげるところ
- お気に入りの服が汚れてアジラフェルが落ち込んでいると、クロウリーが悪魔の力で汚れを取り除いてくれるところ(仕方ないな〜顔で)
- クロウリーがアジラフェルを助け出すために、大の苦手な教会にやってくるところ
- クロウリーがアジラフェルにお願いされると断りきれないところ
- クロウリーがアジラフェルがいなくなってしまったとき「俺の親友が」って叫ぶところ
振り返ってみると、アジラフェルは「好意に全然気づかない鈍感キャラ」で、クロウリーは「超ツンデレキャラ」なんだね。クロウリーからのアプローチのなんて多いことか。そしてあんまり報われない感じが、たまらないぜ!
※出演者の2人はインタビューで「これは天使と悪魔のラブストーリー」って答えてるみたい(↓)。
割とブラックコメディ
もちろん露骨なブラックコメディではないよ!
でも「天使と悪魔」という設定をうまく使ったブラック色のあるシーンが盛り込まれていて笑ってしまう。
後述するけど、実際ちょっと宗教色強めの物語でもある。なので、無宗教のわたしにとっては「へー皮肉だな」と笑えるシーンがあった。それはもう、たくさんあった。
でも、やっぱりそれが要因で、キリスト教の一部宗派から「配信停止を求める声」ってのがあがったみたいだね。
でもねえ・・・その宗教色がもたらす皮肉がププッと笑えていいのですよ。
そもそもアジラフェルとクロウリーの存在は、天使と悪魔の境界線を失わせるような存在なわけだから、もうこれだけで笑える話っちゃあ笑える話であって。
人間界に降り立って時を過ごすうちに、アジラフェルは「正しいことはやる、だけどこれが善なのかはちょっとわからない」境地に達しちゃうし、クロウリーの悪魔感はどんどんどんどんソフトになっていく。
天国と地獄的にはこれはNGなわけだから、上層部(地獄の場合は下層部なのか?)の密かに慌てふためく様子が面白いのさ。
全員キャラ立ちしすぎ
アジラフェルとクロウリーの存在だけでももう魅力的だけど、登場するキャラクター全員が魅力的なのがたまらない。もっとも好きなのは天国と地獄にいるキャラクター。
出典元:
Good Omens Wiki | FANDOM powered by Wikia / https://www.etsy.com/market/beelzebub
ガブリエル(天使)はアジラフェルの上司。オフィスが舞台のドラマに登場してもおかしくない絶妙に嫌味ったらしい上司で、正直誰よりも人間っぽい。大体の台詞が嫌味で構成され、それを笑顔で言うところが、憎たらしくて笑える。
ベルゼブブ(地獄)はクロウリーの上司。地獄にいるときは顔がただれまくりの、そこかしこにハエがたかりまくりの個性強めのキャラクターなんだけど、人間界に来たとき急にビジュアルが可愛い。何万もの部下に対するプレッシャーをぽろっと漏らしたシーンは可愛かった。
クロウリーの同僚・ハスター(地獄)も好きな人は多いはず。クロウリーよりバンバン悪事を働くし、人の命もやすやすと奪えるキャラクターだけど、詰めの甘さが玉に瑕。大体クロウリーにしてやられるキャラクター。うんこくさいらしい。なにそれ。
出典元:Good Omens Wiki | FANDOM powered by Wikia
地球滅亡の瞬間に登場する四騎士(戦争・飢饉・疫病(現代に合わせて“汚染”に変更)・死)も良い。黙示録だと馬に乗って登場するんだけど、現代が舞台だからか「バイク」で登場するんだよね。ただのかっこいい人たちで笑った。
わかりにくい部分もあるよ
宗教色強めなので、わかんない笑いもある。
実際わたしも、「これ多分、キリスト教を知ってたらわかるんだろうなあ」みたいな場面に遭遇することがあった。多分笑えるシーンだと思うんだけど、笑っていいのかすらわかんない。
とはいえ、アジラフェルとクロウリーの友情(愛情)は、宗教色関係なしに楽しめるよ。
2人の頑なに親友と認め合わないところとか、そのくせ片方がいなくなると若干さみしくなっちゃう描写とか、めーちゃくちゃ微笑ましいもの。
それからこのドラマは、「シーズン1」のみ・6話完結でとっても見やすい。
ハルマゲドン(地球の滅亡)を描く都合上、若干物語が押し込められてしまう部分もあり、4〜5話あたりで若干ドラマがダレるんだけど、それでも全然許せちゃうくらい面白い。
お時間ある方はぜひ『グッド・オーメンズ』観てみてね。
では。
◆本日のおすすめ◆
原作の翻訳版。
こちらはビジュアルブック。ようこそ海外おじさん俳優沼へ。