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本日はダリオ・アルジェント版『サスペリア』について語る。
サスペリア
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あらすじ
バレリーナ志望のスージーは、ドイツにあるバレエの名門校に入学するためにやってきた。嵐の中、名門校を訪ねたスージーの前に、若い女生徒が何者かに追われるかのように飛び出してくる。
「秘密のドア、アイリス、青いの……」と叫びながら。
そんな女生徒を見かけたスージーは、玄関に走り寄り「嵐だから中に入れてくれ」と頼むのだが、なぜかインターホンからは拒絶の言葉が返ってくる。一旦出直すことにしたスージー。
一方逃げ出した若い女生徒は、逃げ込んだ部屋の外に広がる闇から現れた毛むくじゃらの腕に締め付けられ、何度も何度も体をナイフで突き刺され、無残な死を遂げていた。
翌日スージーは再び学校を訪れ、無事入学を果たすが、奇妙な出来事が彼女に襲いかかる・・・。
名作”カルト”映画！
きっと映画鑑賞が趣味な人であれば、『サスペリア』の名前を一度は耳にしたことがあると思う。万人ウケする映画だとは思わないが、カルト的人気を誇る映画のひとつだと考えている。
”カルト”映画中の名作だ。
あらすじで紹介した、名門学校から逃げ出した若い女生徒が死ぬシーンは、かなり執拗に映し出される。何度も何度も胸や腹を刺され、苦しむ女性のシーンが挿入され、トドメの一発とも言える首吊りのシーンはかなり衝撃的だ。
もちろん今の時代に見直してみると、血糊は真っ赤すぎてリアルではないし、質感もリアルではない。それでも当時はかなり衝撃的だったはずだ。真っ白な服を真っ赤に染め、目を見開いて死んでいる少女の画はインパクトが強い。
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンド『ゴブリン』による『サスペリア』の音楽も注目してほしい（↓）。
- provided courtesy of iTunes
サスペリアのメインテーマは、不気味さとキャッチーさがうまく融合されていて、今聴いても耳に残る。
・・・正直な話、劇中重要なシーンでかかる音楽はこれしかなく、音楽がかかる度に「また、これかい！」と思っていた。しかし、この曲抜きではダリオ・アルジェント版『サスペリア』は『サスペリア』にならない。そのぐらい重要な音楽なのだ。
照明効果が面白い
ダリオ・アルジェントといえば、劇中でも度々登場する真っ赤な舞台装飾に目が行きがちだが、わたしは彼の照明効果がものすごく面白いと感じた。
奇妙な出来事に襲われる女生徒たちを写すとき、赤や青、緑色の照明が彼女たちに当たる。その鮮やかで非日常な照明が当たると、女生徒の怯える顔や不安が倍増して感じられる。ものすごくスタイリッシュな映像美でありながら、ちゃんと恐怖演出もされる。
コントラスト強めの、バキッとした色がお好みなら、もしかするとダリオ・アルジェント版『サスペリア』のほうが美しく感じるかもしれない。
ラストシーン近くになると、怯えるスージーの顔に赤と青の照明が当たり、それはそれは美しいから。
執拗に映される怯えの顔
昨今の映画はテンポがよく感じられるので、ダリオ・アルジェントが執拗に映す怯えの表情は、少々くどく感じられるかもしれない。
でも女生徒たちの苦痛の表情が執拗に映し出されると、しっかりと不安な気分になってしまう。
長く響き渡る悲鳴、悲鳴をあげる表情と無残に切り裂かれる肌のアップ。今の映画のほうがよっぽどグロテスクだしリアルなのに、なぜだかこちらも怯えてしまう。
ダリオ・アルジェントは、人の不安や恐怖を煽るのが得意なのかもしれない。
鑑賞する場合には、くどさは少し大目に見て、怯える姿を執拗に映し出す彼の姿勢を楽しんでいただきたい。
ダリオ・アルジェント版を観るべきか否か
「リメイク版を観るために、ダリオ・アルジェント版を観なくてもいい」とわたしは判断したが、一緒に観に行った夫は「ダリオ・アルジェント版を観ないと、説明が省かれすぎていてわかりづらい」と評していた。
先日リメイク版『サスペリア』について書いたが、夫の発言も理解できる。ダリオ・アルジェント版とリメイク版は全くの別物でありながら同じという・・・なんとも不思議なつながりがあるのだ。
観なくてもリメイク版は楽しめるが、精神的に余裕があるのであればぜひ観てほしい。
まず、時代を感じる撮り方の違いを観るのは、純粋に面白い。
それからダリオ・アルジェント版鑑賞後にリメイク版を観ると、リメイク版の監督ルカ・グァダニーノのダリオ・アルジェント版オマージュをいくつか発見することができる。ルカ監督の映画愛が感じられて心地良いのでおすすめ。
出典元：https://www.gizmodo.jp/2016/11/suspiria-trailer-4k.html
では。
◆本日のおすすめ◆
殺人シーンの時、一瞬音楽が「がってん寿司」のランチタイムになる（わかる人はわかる）。
