吸血鬼、なんでこんなに、エロいのか。
はじめに
吸血鬼映画はなんであんなにもエロチックなのか。
やはり「血」という「生」の象徴にすがりつく感じがエロいのか。ただ単に血を吸う場所が首筋や胸元などのちょっとエッチな場所だから、そわそわするのか。
いずれにせよ、あの「ただならぬ存在」に惹かれる人は少なくないだろう。
夜しか活動できないなどの制約もあるが、時にヒトを超えた力を持って、人に襲いかかることもある吸血鬼。なぜだかエロい吸血鬼。妖艶すぎるよ、吸血鬼。
そんな吸血鬼映画を、わたしは観たいんじゃ!!!
おすすめ吸血鬼映画3選
妖艶さがたまらない吸血鬼映画なら、この3つは外せない。
インタビュー・ウィズ・バンパイア
吸血鬼映画の金字塔である。
エロい吸血鬼映画といえば、わたしは絶対にこれを挙げる。
決して「エロ描写がたっぷり」という訳ではない。恋しさとせつなさと心強さと・・・ではないが、愛おしさも切なさも憎しみも悲しみも、全部感じさせられた後に残るエロスである。
こんなに吸血鬼が愛おしく感じられる映画もそうそうない。
注目すべきは「吸血鬼レスタトとルイの対比」だ。
下手すると元祖・BL映画である。絶対彼らは互いを想い合っていたはずだ。
しかしカリスマ性に富み、本能のままにヒトを襲う化け物のようなレスタトに対し、彼に吸血鬼にさせられたルイは人間性を捨てられない。そんな彼らの生々しい感情が終始エロい。
元祖・BL映画だとは言ったが、別に彼らがめちゃくちゃ絡むシーンがあるわけではない。が、今まで観た吸血鬼映画の中でたまらなくエロいと言っておく。
観れば分かる、観れば分かるさ、この興奮が!!!
ぼくのエリ 200歳の少女
直接的なエロい描写があるわけではない。
しかしエロス(性の衝動)とタナトス(死への衝動)をバンバン感じることのできる映画だ。少々グロテスク描写が激しいのだが、冷たい雪の上に広がる鮮血はエロスそのものだ!
「ぼくのエリ 200歳の少女」で感じるエロスからは「生」を感じることができる。 寂しい雪景色の中で起こる陰惨なシーンは冷たさを感じるが、荒々しく鮮血が飛び散り、さっきまで生きていた生々しさを感じさせる。
生きるために獲物を狩る吸血鬼・エリの姿は、やはり恐ろしいものだが、どこか惹きつけられてしまう。狩られるかもしれないのに、みんな彼女に近づいていく。
プールサイドで起こる衝撃的なラストシーンは、なかなかに残虐だ。しかし、そのシーンの中にもエロスを感じてしまう。わたしだけだろうか。
主人公のいじめられっ子をじっと見つめるエリの目に、彼に手を差し伸べる優しさだけでなく、 彼を取り込もうとする妖艶さを感じる。
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ
人外を演じることに定評のあるティルダ・スウィントンが、吸血鬼を演じる。
吸血鬼の夫婦、アダムとイヴの仲睦まじい様子にはどこかほっこりさせられるが、彼女たちが人の血を飲む時、彼らのもつ妖艶さにあっという間に飲み込まれてしまう。
アダムとイヴから溢れ出るエロスは、「私たち夫婦の平穏さえ守られればそれでいい」という信頼感の下に現れる。色気が溢れる2人の吸血鬼は、互いの体にベタベタ触れているわけでもないのに、ずっと魅惑的な空気を纏い続ける。
一方で、イヴの妹・エヴァの奔放なエロスも魅力的だ。アダムとイヴと違い、時代に合わせてひっそりと暮らすことを嫌うエヴァは、本能のままに人を襲い、迫害されることなど恐れない。
ジム・ジャームッシュらしい、オリエンタルな弦楽器の音が響くテーマ曲は、アダムとイヴの周りに漂う空気を演出する。
部屋を薄暗くし、眺めるようにして観てほしい映画である。
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妖艶さがたまらない・・・!
吸血鬼に噛みつかれ、血を流すシーンを見るのは正直苦手である。しかし血を飲み、恍惚な表情を浮かべる彼らを観ているとゾワゾワしてしまうのは、きっと血が苦手なだけではないはずだ。
吸血鬼の妖艶さがたまらない。
色気のありそうな映画を手に取ると、それは大体吸血鬼映画である。
では。
◆本日のおすすめ◆