『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』を観た。
鑑賞前日、ハリー・ポッターシリーズをおさらいしようと『ハリーポッターと賢者の石』を鑑賞したのだが、思った。
「J.K.ローリング(著者)はハリーポッターシリーズを”児童”文学にする気はなかったのね〜」
恋するジュード・ロウの表情は、”児童”文学というより恋愛小説であった。
※一部ネタバレあり
ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
あらすじ
大ヒットファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリングが自ら脚本を担当し、同シリーズと同じ魔法ワールドを舞台に、魔法動物学者ニュート・スキャマンダーの冒険を描いた「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」から続く物語。アメリカからイギリスに戻ってきたニュートは、アメリカ合衆国魔法議会が捕らえた強大な魔法使いグリンデルバルドが逃げ出したことを知る。恩師のダンブルドアから特命を受け、パリに向かったニュートは、仲間の魔法生物たちとともにグリンデンバルドの行方を追う。
「恋愛ものの映画や〜ん」
今作では1作目で観客の心を鷲掴みにした可愛すぎる魔法動物・ニフラー(↑)をはじめ、さまざまな魔法動物が登場するのだが、それ以上に印象的なのが登場人物たちの恋愛模様だ。
1作目でたどたどしくもいい感じになった主人公・ニュートとティナの関係、忘却術で記憶を消されたはずのノー・マジ(魔法使いではない人間)ジェイコブとティナの妹・クイニーカップル。そういやニュートのお兄ちゃんとリタ・レストレンジも複雑な恋愛模様である。
そして、ジュード・ロウ演じる若きダンブルドアとジョニー・デップ演じる黒い魔法使い・グリンデルバルド。
人は若き日の恋愛に影響される…ダンブルドア&グリンデルバルドの関係をジュード・ロウが語る #ファンタビ #インタビュー @fantabi_jp https://t.co/lMhMgN5j9Z
— シネマトゥデイ (@cinematoday) 2018年11月30日
今作でダンブルドアとグリンデルバルドの関係が分かりやすく示唆されるわけではない。が、この2人の仲は、原作ファンの間ではすでに周知されている。というか劇中、ダンブルドアご本人も彼との関係を問われたとき「兄弟以上だ」って答えているしね。
ハリポタシリーズ1作目に登場する「みぞの鏡」の前に立つダンブルドア(前日に『ハリーポッターと賢者の石』を鑑賞していて本当によかった笑)。”鏡をのぞき込んだ人の心にある願望を映し出す”という鏡に映ったのは、グリンデルバルドと送った青春の日々。
鏡の向こうで不敵に笑うグリンデルバルドを見つめて複雑な表情をするダンブルドア。
これはもう・・・
恋っていうか、愛っていうか・・・
大好きじゃん。
魔法省から「あんた強いんだからグリンデルバルド倒してよ!」と要請されたときも、頑なに「できない」「できないんだ」と答えていた彼。ネタバレするが実は彼、若かりしグリンデルバルドと互いに争えぬように「血の誓い」をたてていたのだ。
そう、戦いたくとも戦えない。
しかもダンブルドア演じるジュード・ロウの表情を見ていると、血の誓いで戦えないというより、戦えずに済むことをちょっとホッとしているような表情にも見える。グリンデルバルドの行いは止めたいが、彼を殺めたくないというか・・・
あの複雑な、”恋するジュード・ロウ”なんてお茶目に書いたが、実際にはもっともっと複雑な表情を見せる彼に「あああ、歯がゆい」なんて思いを抱く、この映画はもう恋愛映画だ。
このシリーズは5部作らしいが、シリーズ1作目が切り離されて、2〜5で「ダンブルドア×グリンデルバルド」の恋愛模様を見せられるんじゃないかと思っている。
BL好きにはたまらんが・・・
それは果たして”ファンタスティック・ビースト”なのか。
1作目より面白かった
映画全体の感想としては「1作目より面白かった」。
”1作目に比べると”テンポの良さを感じたし、魔法動物も魅力的にみえた。登場人物のキャラ立ちもよかった。
が、それでもやっぱり100点満点中60点な映画だなあと思った。我ながら偉そうな発言だが。
- キャラクターの背景が物足りない
- 途中、ストーリーが退屈
- 知識がないと話に置いていかれる
などなど。”ちょっと残念だった”と言いつつ、これからもシリーズは追うのだが、やっぱりどこか惜しい映画な気がするのだ。2時間弱でこの物語を描くのは難しいのか。
特にキャラクターの背景が物足りない点については物申したい!
特にナギニ!!!
あとクリーデンス。
観た人にお聞きしたい。なんか彼らのストーリーうっすくなかった?
(↑)クローディア・キムが可愛いのに妖艶でベタ惚れ。
せっかくあのハリーポッタシリーズで、悪役ヴォルデモートの側近的立場だったナギニを「ファンタビシリーズで彼女の過去も明かされるぞッ!乞うご期待ッ!」程度の登場シーンしかないのはいかがなものか!!!
もっと見せろ〜!これじゃあ本当に”登場しただけ”になっちゃうじゃないの!!
なんて憤慨しつつ。
『ハリーポッターと賢者の石』で登場したニコラス・フラメル(賢者の石をつくった人、不老不死)が出てきたときは「わ〜フラメルおじいちゃんだ!」と興奮したし、魔法動物ズーウーが想像以上にいい見た目だったので、映画としてはちゃんと楽しんだ。
ただまあ・・・これから観る人にはこう伝えたい。
このシリーズ2作目は、”ファンタスティック・ビースト”というより映画『魔法使いたちの恋愛〜なんでこんなにうまくいかないの〜』だよって。
では。
◆本日のおすすめ◆
ハリーポッターシリーズを読んでいた頃、「ニュート・スキャマンダー著」という設定の本が好きでした。