はじめての文芸誌なら絶対にMONKEY!収録作品にガツンとやられた話

こんにちは、齋藤吐夢です。

私、本は読むのも書くのも好きなのですが、実は今まで一度も文芸誌を読んだことがありませんでした。小説や随筆の最後に「〇〇に収録・・・」とあるのをみて、ああ、文芸誌に連載されていたのか、と知ることばかり。

 

しかし唐突に手に取った文芸誌「MONKEY」が驚くほど面白かったので、はじめて文芸誌を読む!ってなったら絶対MONKEYだなって思った。そんな話。

 

 

なぜ文芸誌MONKEYなのか

文芸誌、文芸誌と言っているけれど、おそらく正式名称は「文芸”雑”誌」。

文芸雑誌(ぶんげいざっし)とは、雑誌の一種で、書評や評論、小説・詩歌・随筆などの短い作品を中心に掲載するもので、同人の間で刊行されてきたものや、個人や出版社などが発行人となり、原稿を文芸家に依頼したり、一般から募集するものなどがある。

内容はいわゆる「文学」だけでなく、美術・音楽・漫画・旅行・料理・哲学・思想などにおよぶものもある。また企画を組み、テーマに合わせた文章や関連事項などを扱い、研究などの発表にも多く利用される。

引用元:文芸雑誌 - Wikipedia

MONKEYをおすすめしたい理由は、THE・文学だけじゃないところ。文学って、私は好きだからあえて言うけれど、ちょっとお堅いイメージが拭えない。堅くて文字ばっかで忙しい現代人にとって”苦痛”にも変わるイメージがある。

 

が、MONKEYは文芸雑誌の”いわゆる「文学」だけでなく”の部分を汲み取りつつ、読みやすく心惹かれる文章が詰まっているから、分厚さとは裏腹にスルスルと読めて、気づくとあっという間に読み終えている

 

挿入される写真やイラストもバチーンとインパクトがあって心に刺さる。

 

だから”はじめての文芸誌”なら、MONKEYから入った方が抵抗なく読み進められると感じたのだ。

 

特集ごとのオムニバス

今回はじめて読んだのは2017年10月に発行されたvol.13で、「食の一ダース」という特集なのだけれど、この特集に沿ったオムニバスがジャンル様々で凝り固まることがなくて素敵だと感じた。

 

海外文学が面白い

特に私は海外文学に惹かれてしまった。

 

vol.13の1品目、リオノーラ・キャリントン(↑vol.3にも彼の作品あり)による「恋する男」という作品は、シュールレアリスム極まりない作品であり、サルバドール・ダリの絵画が大好きな私にとっては「???」となりながらも快感を覚える作品だった。

 

d.hatena.ne.jp

 

海外文学に限らず、収録作品の前には編集を担う柴田元幸さんの解説が挟まれるが、そこから読み始めることで、異なる文化圏の人が書いた物語だとしても、抵抗なく読み進めることができる。

 

横文字祭りになることもなかったし、バランスよく収録されているから読み進めやすい。「海外文学に興味があるけど読みづらそう・・・」と思う人には、MONKEY収録の短編から始めることをおすすめしたい

 

日本作家が面白い

 また日本作家勢も非常に面白い。私の大好きな坂口恭平さんも参加しているのだが、「コンビニ人間」やブログでも紹介した「殺人出産」の村田沙耶香さんの作品の気味の悪さは最高に面白かった。

 

www.tomutomu-corp.com

 

文芸誌収録作品は長さもちょうどいいし、どんな作家・どんな作品であっても、根本にあるテーマは一貫しているから読みやすいのだ。

 

vol.13で綺麗なお話だな・・・と思ったのは、砂田麻美さんの「溶けていく名前」だった。このお話を読んだ人は、みんな思いもかけず”バニラ味”が恋しくなり、食べながら感慨深くなるのではないかと考えている。

 

猿からの質問が面白い

またMONKEYの人気コーナーである「猿からの質問」では、毎号出される質問に対し、様々な人が200〜400字で答えていくのですが、たった200〜400字がこんなにも面白いとは!

 

私は池田エライザさんのお話と、上記ツイートの小島ケイタニーラブさんのお話は正直口から「ムフッ」という笑い声が漏れたほどだ。

 

文芸誌、ハマりそう

というかMONKEYにハマりそう。っていうかMONKEYに掲載される文章を書きたい、書いてやる・・・!って思うほどにハマった(ハマりかたが違う気もする)。

 

自分でも短編小説を書いているが(ノベラボというサイトで、齋藤多喜として)書くばかりではなく、読むこともやっぱり楽しいなあって。だってこんなに分厚めの文芸誌を、こんな早くに読了するとは思わなんだもん(1時間足らず)!!!

 

速読気味に読める私とはいえ、これは革新的であった。

では。

 

◆本日の一冊◆