こんにちは、齋藤吐夢です。
読み返したら胸にジ〜ン笑。
良作な海外文学に出会いました。
『何度でも、おかえりを言おう』
この本は海外文学初心者でも読みやすいですよ!
登場人物が多過ぎることもないし、舞台もそんなに広くないので把握しやすいんです。
実は今まで、海外文学に苦手意識がありました。登場人物が横文字だと覚えていられないんですよね笑。これなら分かりやすい上、登場人物説明欄が設けてあるので忘れても安心笑。
ストーリー
“偏屈な老人フェルディナンは息子夫婦に見放され、広い家にひとりで住んでいた。近所のワケあり未亡人を家に住まわせてやることにしてからというもの、秘密や事情を抱えた老人が続々と集まり、居心地のいいシェアハウスを目指すが・・・。”
老人と若者のシェアハウスストーリー
シェアハウスの存在って最近馴染んできてますよね。
親族でもない恋人でもない、一見すると接点のない人達で集まって暮らす、こういう文化増えてきたんじゃないかしらん。
この物語では、あるワケあり老人をひとり家に住まわせてからというものの、どんどんとにぎやかになっていきます。
登場人物のほとんどが結構年配のご老人なのですが、皆若々しくパワフル!互いに老人なのに「坊や」って呼ぶ人も出てくるしね笑。
物語の途中途中に若い世代も参加してくるのですが、その世代別の描写も丁寧です。作者の技術に感動します。8歳と80歳の心情の違いがこんなに丁寧に描かれるとは!
情景が頭に浮かびやすい
この本が読みやすいと思った理由は、ごく自然に描写が頭に浮かんだから。
私はフランスの片田舎には行ったことがありません。なのに、ごく自然にフェルディナンの広すぎる家が浮かび、隣の家の家庭農園の風景が浮かび、主人公たちの微細な表情が浮かびます。
まるで映画やドラマを観ているかのような感覚で楽しめます。文字を追っても疲れなかった。
これからの「家族」
これからの「家族」の形を書いているような作品です。血のつながりだけが「家族」ではないことを教えてくれます。家族ものに弱い人、必見です笑。
人と寄り添って生きるって尊いなあ。
では。
◆本日の一冊◆