【読書感想文】『ローカル仕事図鑑 新天地のハローワーク』/働き方の精神を教えてくれる職種図鑑だった。

定期的に、働き方を考える本を読みたくなる時期が来る。今回手に取ったのはローカル仕事図鑑 新天地のハローワークだった。

この本のプロローグには、

気に入った土地に住みたい、ゴミゴミした都会を離れたい、地元に戻りたい……。地方に暮らしたいと考える動機はさまざまだと思います。でもネックはやはり仕事。確かに都会と違い、地方には星の数ほど企業があふれているわけではありません。

引用元:DECO『ローカル仕事図鑑 新天地のハローワーク』2ページ(技術評論社、2016年)

と書かれていた。

私は時々「ゴミゴミとした都会を離れたい」と思うことがあるけれど、だからといって「気に入った土地に住みたい」欲はあまりない。地元は好きだが、豊かな自然が好きなのであって、正直、地元の社会には苦手意識がある。だから「地元に戻りたい」とは違う気がする。

ではなぜ、この本を手に取ったかというと、そう思うことがないからこそ、そのような思いから地方で働く人々に憧れがあるからだ

 

 

ローカル仕事図鑑 新天地のハローワーク

ローカル仕事図鑑 ――新天地のハローワーク (Local Life Book)

概要

地方で働いている人たちへの取材やインタビューを通して、ローカルワークや地方の暮らしを紹介する仕事図鑑。インタビュー記事だけでなく、地方で働く上で必要になる初期投資や準備期間に関するコラムや働き方を考えるのにオススメな書籍紹介など、さまざまな情報が詰まった本だった。

ローカルワークにも色々ある!

「地域に根ざす」仕事だけが特集されているのだと思い込んでいたけれど、目次を見て「おや…」と思った。

というのも

  • 第1章 人とかかわる
  • 第2章 自然と向きあう
  • 第3章 地域に根ざす
  • 第4章 食を豊かにする
  • 第5章 ものをつくる

なのだ。

どの記事もある地域で働く人について書かれているのだが、わざわざ「地域に根ざす」と書かれているのは第3章だけ。

…少しトゲのある言い方に感じられるかもしれないが、冒頭で述べたように私は地元の社会に苦手意識があるから、地方での暮らしに憧れながらも、地域に根ざすことはできないだろう。

もしこの本が「ある特定の地域で働くこと」を主軸に書かれていたら、私は読み進めることができなかった気がする

でも、ここに載っているのは、本当に純粋に「働き方」の話であり、その働き方に適した場所がローカルだっただけ、そう思えるようなインタビュー記事がほとんどだった

要は、ローカルワークと銘打っているし、ローカルが特集されているのは事実なのだけれど、本の表紙にも書かれているように「人生を変える働き方」について書かれた本なのだ

 

職種図鑑として純粋に面白かった

実は今までにも、TURNSソトコトといった「ローカルな働き方」をテーマにした雑誌を読んだことがある。どれも好きな雑誌ではあるが「行動に出よう!」とは思えていなかった。

私は働くことが好きだし、自然豊かな環境で暮らしたいと思っているけれど、特定の地域に根ざすより、好きな地域を自由気ままに転々としたいからこそ、移住・定住の匂いがすると、ちょっと遠ざけてしまうのかもしれない。

(雑誌自体はとっても好きなんだけどね!なんなら毎月田舎暮らしの本で全国の空き家をチェックしているし…)

でも、この本は「ローカル仕事図鑑」とあるけれど、純粋に職種図鑑として面白くて、というか、働き方の精神みたいなものを先輩ローカルワーカーが教えてくれる本であって、すごく心に響いた

 

ローカルワークに興味がある人はもちろん、「働くってなんだろう」という戸惑いや疑問を感じている人にも良い本だと思うよ。

では。

 

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