『FACE展 2020』を観てきた。感じたままをメモしてみたら面白かった。

『FACE展 2020 -損保ジャパン日本興亜美術賞展-』を観てきた

不要不急の外出を控えるよう数日間引きこもってみたものの、それでもやっぱり「晴れた日は外に出たいし、人混みは避けるし、マスクして出かけるし、帰ってきたら手洗い徹底するから〜!!!」と思ってしまったので、外出。

ずっと気になっていた公募展で、きちんと受賞作品を観に行くのは初。感想としては『世界絵画大賞展』とも『シェル美術賞』とも違う雰囲気が味わえるのが楽しかったし、あらゆる表現が目に飛び込んできてワクワクした。

あらゆる公募展の中で一番好きかも

 

 

FACE展 2020

f:id:tomu_saito:20200219172229j:plain

概要

損保ジャパン日本興亜美術財団の公益財団法人への移行を機に創設された本展は、今回で8回目を迎え、新進作家の動向を反映する公募コンクールとして定着しつつあります。

引用元:FACE展 2020 | 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

全国各地、幅広い年齢層(最年少は9歳だって!いいねえ)の875名の作家から送られてきた作品のうち、入選作品71点(内受賞作品9点)が展示されていた。

個人的には『FACE展』の概要文の一節がなんだか真摯で素敵だと思った。

不確かな社会情勢の中、創作活動には困難を伴いますが、昨年同様に今回の応募作品には、時代の感覚を捉えた、きらりと輝くものが数多くありました。油彩、アクリル、水彩、岩絵具、版画、染色、ミクストメディアなど技法やモチーフは多岐にわたりますが、見る者の心に潤いと感動をもたらしてくれることは共通しています。

引用元:FACE展 2020 | 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

“不確かな社会情勢の中、創作活動には困難を伴いますが”の部分と“見る者の心に潤いと感動をもたらしてくれることは共通しています”の部分に、作品を作り続けるあらゆる作家さんへの優しさを感じる・・・。

 

感じたままをメモしてみた

写真撮影OKだということにしばらく気づかず。「ほえ〜素敵だな〜」と感じた作品をなんとか脳裏に留めておきたかったわたしは、夕食のために用意した買い物リストの裏に、「オーディエンス賞」投票用の鉛筆で「感じたまま」をメモした。

途中で写真撮影OKに気づいてからは、普通に写真撮影もしたのだけれど、見返してみたら写真で見るだけよりずっと面白かったので、メモ書きをほぼそのまま載っけてみる。

 

メモの内容

なお

撮影された作品写真は、非営利目的でのみお使いいただけます。

引用元:FACE展 2020 | 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

とあるため、記事中に組み込まれる広告は外しておいた(外れていなかったらどなたかご連絡ください)。

「これ、好きだった」「これ、なんか見惚れた」ってやつ、共有したくて作品写真を載せるけれど、可能であれば直接観てほしい。当たり前だけど、写真と原画はサイズも違えば質感も違うんでね!!!

 

(いくつかの作品は、作品の一部にフォーカスを当てたものになるよ。だから体の調子がいいときに、必ずマスクをして、人混みは避けながら、ぜひとも原画を観に行ってね!!!)

 

<木俣創志『木漏れ日・慟哭(05-19)』162×162cm アクリル、キャンバス>

f:id:tomu_saito:20200219174942j:plain

(↑)注:一部をフォーカスしたもの

木々を見上げたときの視界が夢のよう。

 

<齋藤詩織『女狩人のごちそう』162×194cm 油彩、キャンバス>

f:id:tomu_saito:20200219175151j:plain

(↑)注:一部をフォーカスしたもの

写実、イラスト降り交じる。強いストローク。しゃがんだときに見えてしまった背中が可愛い。

 

<鶴身阿未『遊び場』130×162cm 油彩>

色調はやや暗く、画面右端に見切れた女児の顔はやや怖い。でも無邪気に遊ぶ動きを感じる。

 

<太細春乃『私のFACE』162×162cm 木炭、木炭紙、パネル>

f:id:tomu_saito:20200219175237j:plain

(↑)注:一部をフォーカスしたもの

頬の柔らかな質感、手の厚み。

 

<宮山秀和『Splendor』130×162cm 油彩>

f:id:tomu_saito:20200219175305j:plain

(↑)注:一部をフォーカスしたもの

謎の生き物たたずむ。物語を感じる。

 

<今田和夫『BREAD・121』112×194cm 鉛筆、ガッシュ、水彩紙>

f:id:tomu_saito:20200219175331j:plain

超パン。マニアックな視点。きっと質感フェチ。

 

<定村瑶子『眺めのいい部屋』162×194cm 油彩>

f:id:tomu_saito:20200219174239j:plain

(↑)注:一部をフォーカスしたもの

・・・好きです。

 

青木裕美 『Flow』131×100cm 油彩、パネル>

f:id:tomu_saito:20200219175353j:plain

印象派のように優し色合いなのに、錯乱したような。ずっと眺めていられる。

 

絵は「伝えたい」なんだな

「な〜にをそんな当たり前のことを」と思われるかもしれないが、改めて、入選作品と自分の作品を比べて「伝えたい力」の差を知った。

もちろん「何を伝えたいのか」が、受け手側のわたしの器が足らずわからないものもあった。でも入選作品はどれも、よう言葉にしづらいが、パワーに満ち溢れていてとてもかっこよかった。「好き・嫌い」を超える「何か」が確実にあった。

ちなみに、絵画鑑賞が好きだが目線はハイパーど素人(というか変な楽しみ方をしている)なわたしから見て、

  • 世界絵画大賞展
    →奇々怪々、ちょっと闇
  • シェル美術賞
    →やさしい悪夢
  • FACE展
    →素直

といった印象を抱いた。あくまでも個人の感想だが、公募展ごとの色の違いを改めて知るいい機会となった。

 

時々外に出て、人の作品観て、刺激受けるっていいね。

では。