先日『キャプテン・マーベル』を鑑賞した。痺れるほどにかっこいいヒーローだった。彼女のかっこよさは、何事にも屈しない強い姿勢にある。
※もしあなたがまだ鑑賞していないのであれば、ぜひ映画を鑑賞していただきたい。鑑賞していただきたいがゆえ、ネタバレしすぎないよう意識してレビューを執筆した。が、ほんの少しのネタバレもNGなのであれば、この記事を読むのはやめよう。そしてまっすぐ劇場に向かってほしい。
『キャプテン・マーベル』レビュー
出典元:https://realsound.jp/movie/2019/02/post-325091.html
キャプテン・マーベルはマーベル・コミックに登場する架空のキャラクターだ。スーパーパワーや超感覚、飛行能力等、超人とも呼べるパワーを持っている。
だが、ブリー・ラーソン(写真)演じる主人公キャロル・ダンヴァースのもつスーパーパワーは後天的なものであると劇中明かされる。彼女が元々キャプテン・マーベルだったわけではないのだ。
そんなキャプテン・マーベルが痺れるほどにかっこいい理由は、彼女が自分の力を信じて困難に立ち向かうからだ。
キャロルは何事にも屈せず立ち上がる。
予告編でも幼いキャロルや軍服に身を包んだキャロルが立ち上がるシーンがなんども挿入されていた。さまざまな年代のキャロルがまっすぐ前を見据えて立ち上がるという演出は、彼女の魅力を伝えるのにふさわしい。
幼少期のキャロルは男の子たちの中に混じってゴーカートで遊んでいる。猛スピードを出すと男の子たちから「でしゃばるな」と言われ、挙句コーナーを曲がりきれずにゴーカートは横転する。
軍人として訓練を受けるキャロル。ロープからロープへと飛び移る訓練の最中、他の軍人たちは「女には無理だ」と彼女をバカにする。厳しい顔をしたキャロルは意を決して飛び移るが失敗し、地面に叩きつけられる。
時代背景もあり、わかりやすく演出するためだと思うが、男たちの見せるキャロルへの視線は冷ややかだ。
しかし彼女は立ち上がる。
どんなにケガだらけでボロボロでも、ゆっくりと立ち上がり、屈しない。
そして猛烈にかっこいいのが、彼女が立ち向かおうとするものがジェンダーでも社会問題でもなく、自分自身が解決しなければならない出来事に集中している点だ。
まだまだこのご時世では、”女性”ヒーローと冠をつけられてしまうようなのだが、キャプテン・マーベルは1人の”人間”としてかっこいい姿を見せつけてくれる。
彼女を非難する対象が「男」になっているが、それはわかりやすい演出のためだろう。だが彼女は「男」に対して勝負を仕掛けたりはしない。自分が成し遂げたいもののために立ち上がるし、大切な人を守るために悪を罰する。
キャプテン・マーベルの比較として、DCコミックスのヒーロー『ワンダーウーマン』を挙げる。こちらのヒーローもしたたかで魅力的なキャラクターなのだが、どこか「母性」が強調され、女性であることへの強い意識が感じられる。
一方、キャロルは人々へ視線を向けるとき、さまざまな差(性差や人種差)を全く気にしていない。否、ネタバレになってしまうからはっきりとは言えないが、偏見をもって人に接するシーンもないわけではない。
だが彼女は自身が無意識のうちに行った差別を素直に受け止める。そして正義のために自分がどうすべきか、即座に自分の考えを正そうとする。
自分が信じるべきものはなにか。
超人的な力で解決すべき問題は何なのか。
映画終盤で繰り広げられるアクションシーンは当たり前のようにかっこいい。が、それ以上に、超人的な力を得た彼女が出した結論がとてもかっこいい。
力を求めて行動するのではなく、得た力をなんのために使うかを考え、自分で導き出した答えを信じて突き進む彼女がかっこいいのだ。
余談:物語がはじまる前に感極まる
なお、『キャプテン・マーベル』のみならず、マーベルコミックスの映画作品ははじめに壮大なオープニングクレジットが流れる。
MARVEL LOGO INTROS MCU (2008-2018) INCLUDING AVENGERS: INFINITY WAR
『キャプテン・マーベル』を鑑賞した際、特別仕様のOPクレジットが流れた。
涙がちょちょぎれるかと思った。
マーベルコミックがどれほどまでに愛されているかが伝わるスペシャルなOPで、本編観る前から泣きかけて本当に大変だった。愛、詰まりすぎ。
OPクレジットを観るためだけに『キャプテン・マーベル』を観に行くってのもありだ。そのぐらいOPクレジットもじっくり目に焼き付けてほしい。
「どうせ予告編が長いから」って席に座るのが遅れて見逃すのは勘弁なッ!!!
では。
◆本日のおすすめ◆
カラーリングから何から、THE・アメコミって感じがたまらんよね!
劇中登場するグースとフューリーの関係には笑った。