大の虫嫌いが、虫と仲良くなりたくて『特別展 昆虫』に行ってきた。

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(↑)香川さん、良い顔してんな〜。

 

注:本記事の後半に近づけば近づくほど、”虫”ではなく、展示を見ている人々の姿に目がいくわたしの姿が描かれていきますが、虫の写真はバンバン載ります(なんなら通称Gも容赦無く載せます)。「虫の画像がマジでダメ」ってな人は引き返してくださいませ。

 

 

はじめに

 わたしは虫が苦手だ。

 ガとクモとミミズはギリギリ大丈夫だと言いふらしているが、大丈夫だったのは中学生ぐらいのときの話である。もし目の前に、ガとクモとミミズがそれなりの量で現れたら、変な声をあげて逃げるだろう。

 わたしは、虫が苦手なのだ。

 しかし27歳の今、わたしは虫と仲良くなりたいと思っている。なんといっても一番身近な生き物なのだ。微生物は目に見えないが、昆虫なら見えるサイズも多い。なんなら食える。愛でることも食べることもできる虫、仲良くならにゃ損なのでは?!

 という発想から、気合いで虫と関わろうとしている。

 

 そこで今回だ。

 昆虫マイスターを名乗る俳優・香川照之さんの表情に注目していただきたい

 

 わたしが苦手だと言っているものを、それはまあ子供のような、無邪気な表情で愛でまくるおじさんを見たら「こんなにおじさんがニコニコしてるんだから、わたしも虫と仲良くなれるんじゃないか」と思うだろうよ!!!

 

特別展 昆虫

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出典元:【公式】特別展「昆虫」 (@konchuten) | Twitter

 

概要

昆虫は、現在判明しているだけでも約100万種。地球上でこれまでに見つかった生物種の半数以上が昆虫であると言われています。本展では、昆虫の驚きの世界を国立科学博物館ならではの多様な昆虫標本から、最新の昆虫研究まで、多角的に紹介していきます。

引用元:https://twitter.com/konchuten/status/973808951031730179

 

本当に虫しかいねえ

 『特別展 昆虫』を見終えた後、「本当に虫しかいなかった」と感じた。

 わたしはこれまでいくつもの特別展に足を運んできたけれど、こんなに全力で「”特別展 昆虫”って名乗ってんだから、虫を展示するに決まってんだろ!」と気合いの入った展示は久しぶりだと思った。

 学術的すぎず、教科書的すぎず、マニアックな情報を入れつつ、様式美を素直に感じさせてくれたり・・・といった、非常にバランスの良い「虫しかいねえ」展示だった。

 

 せっかくなんでね。

 いくつか写真を撮ってきましたよ。

 

 まず入ってすぐにあったのがこれ(↓)。

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 ええとですね、めちゃくちゃでかい模型があったの。でもすごいの、模型感ないの。本物がそのままでかくなったと感じるぐらい、隅々まで精巧につくられた模型。ハチは「・・・可愛い」と感じたものの、デカさに圧倒される。

 

 お次に、気に入って撮影したのが蚊。

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 悪役フォルム。

 

 あと、「あ!この虫なら可愛いって思えるぞ!」エリアをいくつかご紹介。小さい虫で羽音がうるさくなければ、虫が苦手・虫だけはご勘弁をと逃げ腰だったわたしもギリ大丈夫のようだ。

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 この家に棲んでる感(↑)に可愛さを感じる。

 

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 ずんぐりむっくり体系(↑)も、割と好みだと知った。

 

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 写り込んでるわたしの姿(↑)から、大体のサイズが想像できるのではないだろうか・・・。クロツヤナメクジツノゼミぐらいの大きさから、段々わたしの虫嫌いが発動する。

 

うぞうぞ動く虫にも遭遇

 なお数は少ないが、展示は模型や標本ばかりではない。

 ガンガンに生きとる虫もいた

 ガンガン生きとったので、うぞうぞ動く姿がちゃんと見れる。

 展示されてる生きとる虫のほとんどは「アリ」なのだが、面白かったのが、彼らのほとんどが全然動いてなかったこと(!?)。はじめは「え・・・展示期間中に大量死?」かと思ったのだが、よく見ると微妙に動いている。

 めちゃくちゃ元気な個体もいれば、2匹口を合わせてず〜っともごもごしてる奴もいる。びっくりするほど全く動かない群がいくつもあったが、元気なのが1匹突入した途端、ザワザワと動き出したり・・・人間ドラマならぬ”アリ”ドラマを見させられた

 

 途中の展示では、アリの巣にちゃっかり棲みつくキリギリスの姿も見れた。

 キリギリスは、うぞうぞ動くアリの集団の中に1匹だけ、本当にちゃっかり棲んでいたので「ウォーリーを探せ」ぐらい見つけにくかった。

 隣にいたおばさまから「キリギリスいます〜?」と聞かれるぐらい、見つけにくい。

 

Gの世界で予期せぬ出来事が

 そして『特別展 昆虫』では、人間にめちゃくちゃ嫌われているGも展示されている。

 ただし、苦手な人用に「迂回ルート」も設けられているので安心だ!!!

 

 そんなGエリアで思わぬ事態が発生した。

 

 展示されてたGが、

 

 ・・・

 

 ・・・

 

 ちょっと可愛かったのだ

 

 大したことのない出来事で申し訳ない(人によっては大したこと”なくない”と思うが)が、展示されていたGが可愛かったのだ。ちなみに、生きている

 が、熱帯に住む鮮やかなGが可愛かっただけだ。

 日本でおなじみの嫌われ者、茶色いGやデカいGは、これからも積極的に殺すと思う。

 

 すまない、G!

 可愛くないビジュアルは、やっぱりキツいんだ!!

 「虫差別だ」と言われても、やっぱり君は無理だ!!!

 

 無理じゃないGを載せる。だって名前が「ニコニコG」なんだよ?!(写真中央)

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それでもやっぱり人が好き?!

 「大の虫嫌いが、虫と仲良くなりたくて」 とタイトルに書いておきながら、来ている人の観察に目がいってしまった。いつものことなのだが。

 

 まずキュートな家族連れ。

 何がキュートかって、おじいちゃん・おばあちゃん・おかあさん・おねえちゃんと来ている小さな男の子が、出だしの巨大な模型にビビって泣いていた。「どうしてここから出ないのぉ〜」という訴えが可愛い。

 彼らをガン見するわけにはいかないので(彼らは展示物ではない)、結末をはっきりとは知れていないが、スタッフの方に何かを申し出たおかあさんの姿に一瞬ホッとする男の子の顔は見れた。

 が、お母さんは今後の動向を話すべく、すでに会場入りして待っている家族の元へと行ったため、男の子は再び泣き始めていた。「なんで出ていかないのぉ〜」である。

 可愛い。

 展示を楽しむには、まだちょっと早かったか。

 

 次に素敵な熟年カップル。

 夫婦ではなさそうだったのは、会話のキャッチボールが夫婦のそれというより、恋人のそれだったから。

 男性が丁寧に虫の解説をしていく。聞き耳を立てると、そこに書いてある内容の羅列というよりは、独自に知識を発信している(むしろそれ、わたしにも聞かせてください)。女性はそれに対して、穏やかに返事をする。

 艶っぽい熟年カップルだった。

 

 他にもこんな熟年カップルがいた。

女性 「この写真!この”Gの卵”、わたし見たことあるんだけど、もう、嫌になっちゃう」

男性 「なんで?」

女性 「あのね、見つけたから、始末すればこれ以上Gを見なくて済むと思ったの。でもね、卵の中には何もいなかったの。もう生まれちゃってたのよね・・・ああ、嫌になる!」

 「嫌になる!」はいわゆる「あ〜ヤダヤダ」というニュアンスではなく「困っちゃう・・・」という本気で困り顔をした可愛い子ちゃん風で想像していただきたい。かつ話を聞く男性の姿勢はものすごく真摯であった。

 「(展示の内容は)面白いけど・・・やっぱり虫はダメね」と茶目っ気たっぷりに言う女性と、そんな彼女を優しく見つめる男性の姿。

 その姿はまるで、モノクロ時代の恋愛映画である。

 

 平日だったこともあり、熟年カップルの姿が目立った。

 熟年カップルは、上野にある他の美術館や博物館でも見られるが、『特別展 昆虫』に足を運んだ人たちの雰囲気は、ドがつくほどのインテリジェンスというよりは、好奇心旺盛タイプである。

 知識をもとに語り合う熟年層の姿も魅力的だが、子供のような好奇心が見え隠れする熟年層も負けず劣らず魅力的だ

 

 

 「虫と仲良くなる目的で見に行ったぞ!」というレビューを書くつもりだったのだが、最初に浮かんだのは熟年カップルのはしゃぐ姿だった。というわけでこれが〆文なのだが、もっと構成の順番を考慮すれば良かった(G可愛い→人間観察)

 

目的は達成できたのか

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(↑)圧巻の標本エリア。

 

 大の虫嫌いと言いつつ、虫に歩み寄ろうとする姿勢をとっているので「お前そりゃ、虫嫌いって言わないよ!」と思う人もいるかもしれない。

 ので、結果をお伝えしたい。

 

 動いてなけりゃあマジマジと見れる。

 動いてても隔たりがあれば可愛く感じる。

 でも、動いてる虫が目の前に来たらやっぱり払いのけてしまうし、羽音とか、あの予期出来ない動きはやっぱり怖い。

 

 触る?

 まだ無理!!!

 食べる?!

 まだ全然無理!!!!!

 

 道のりは長そうだが、ちょっと今度、虫でも育ててみようかと思う(?!)。

 というのも小さな小さな虫なら、あとガみたいにふわふわした虫なら、ちったぁ触ってみたいのである

 だから触る。

 機会をつくって、虫触れるようになるぞー!!!!!

 

 では。

 

◆本日の一冊◆

虫と虫の研究に興味が湧く本。

本の見た目はバカバカしいけど、ものすごく良本です。

 

追記

 書き忘れていたので無理やり追記。

 展示では、昆虫標本をつくる様子のパネル展示や動画を見ることが出来る。

 昆虫が標本になるまでの流れが、あまりにも美しくて惚れ惚れするので、見に行ける人は見てほしい。 

 標本をつくっていたご婦人の名前はわからなかったが、標本作りをする彼女の手先も含めて美しくて「あ、これずっと見てられるやつだ・・・」と思った。

 というか、虫にまだ触れないくせに、標本作りがしたい。

 わたしもピンを刺したいよ〜。