「シャイニング」は映画好き必見!狂気と美しさにやられるスタンリー・キューブリックの名作。

シャイニング (字幕版)

久しぶりに観返したんだけど、これはアホほど美しい映画だね

(なんで真夏に見たかって言うと涼みたかったからだよ。でも1〜2月の極寒の時期に観るのが一番いい)

 

 

シャイニング

youtu.be

この予告編、めっちゃ音楽で恐怖煽ってくるから、耳から恐怖を感じる人は要注意ね。

あらすじ

コロラド州のロッキー山上にあるオーバールック・ホテル。小説家志望のジャック・トランスは、雪深く冬期には閉鎖されるこのホテルへ、管理人としての職を求め家族を引き連れ訪れた。

支配人のアルマンは、「このホテルは以前の管理人であるチャールズ・グレイディが、孤独に心を蝕まれたあげく家族を斧で惨殺し、自殺したといういわく付きの物件だ」と語るが、ジャックは気にも留めず、妻のウェンディ、一人息子のダニーと共に住み込むことを決める。ダニーは不思議な能力「シャイニング」を持つ少年であり、この場所で様々な超常現象を目撃する。

引用元:シャイニング (映画) - Wikipedia

いわく付きのホテルで、「缶詰状態になれば筆も進むっしょ」と考えた小説家パパとその奥さん、息子が超常現象に襲われる。段々と狂気に満ちていくパパ。狂気に触れた息子ダニーの精神も大暴走。奥さん、大発狂。そんな映画。

 

ハゲ散らかりジャック・ニコルソンの凄まじい狂気

有名すぎるジャック・ニコルソン狂気の表情。この映画は、ジャック・ニコルソンによる「絶対に関わりたくない男第1位」な立ち振る舞いと言動、そして変顔が魅力の映画である。狂気は時に、変顔に見える。

変顔、変顔と言いつつ、「この映画、奥が深えな、こん畜生」と思ってしまうのには、やっぱり役者、ジャック・ニコルソンの演技力にある。

原作から大幅に改変された物語によって、霊的な何かに取り憑かれる物語というよりは、ジャック・ニコルソン演じるジャック・トランスの、心に秘めていた狂気や暴力性が露見したことによる惨劇に感じるのだ

 

それがまた、リアルで怖い。

 

物語の流れから考えれば、

  1. いわくつきのホテルに泊まる
  2. 悪霊に取り憑かれる
  3. 暴走する

という見方もできるのだが、ジャック・ニコルソンの演技を見ていると、もうはじめっからジャック・トランス(小説家パパ)には狂気が潜んでいる。アルコール依存、息子に働いた暴力、それに対する罪悪感と仕事&家庭のプレッシャー・・・その他諸々を抱え込みすぎて「もう僕、限界!!!」となった人の姿に見える。

じゃなきゃホテル管理の仕事を始めて2〜3日で、どこともいえぬ場所をじーっと見つめるジャック・ニコルソンの変顔ショットが、大画面で映し出されるはずないもの!

 

それからもう1つ、リアルで怖いこと。

夫として、パパとして、立ち振る舞うジャック・トランスから滲み出ている仕事と家庭に対する不満。妻の言動にピリつくジャック・トランスの姿は、現代のさまざまな家庭でも感じ取れることができる、ごくごくありふれた苛立ちだ。だからこそ、彼が狂気に満ちた時気づく。

誰もがこの狂気に飲み込まれる可能性があるのだと

狂気に飲み込まれたジャック・トランスは、誰もいないはずのバーバーテンダーと語らい、そのうち昔のダンスパーティーに溶け込み、「あなたは昔からここの管理人でしたよ」と伝えられ、徐々に徐々に彼の中にある敵意を妻や息子に向けていく。

きっかけは本当に些細なことなんだよ。

アルコールに依存してしまった。息子に怪我を負わせてしまった。妻からはその負い目を事あるごとに話題にされ、仕事はうまくいかない・・・ただ”それだけ”だったことが、それどころではなくなっていく。

 

狂った小説家の描写も最高。

有名な一説は、”狂ってそれしか書けなくなった”と考える人も多いと思う。

All work and no play makes Jack a dull boy.(働くばかりで遊ばない。今にジャックは気が狂う)

でもわたしはね、”狂ったからこそ書けた”彼の最高傑作だとしたらもっと怖いなと思ってる。狂ったから、本気で、「All work and no play makes Jack a dull boy.」が傑作だと思ってる。書かされたんじゃなくて、全力で書いてる。

どっちも怖えよ。

 

そのハゲ散らかったヘアスタイルにばかり目がいく人もいるかもしれないが、ハゲ散らかりが怖く感じるようになったら、それはあなた・・・

シャイニングが好きだってことです。

 

奥さん役シュリー・デュヴァルの可愛いのにめちゃくちゃ怖い顔

スタンリー・キューブリック監督の「良い作品を撮るためなら、全力だぜ!!!」姿勢が凄まじすぎて、結果ジャック・ニコルソンを超える怖すぎる変顔を公開することになった奥さん役シュリー・デュヴァル

斧持ったジャック・ニコルソンに追われてる時の表情がめっちゃくちゃホラーなんだけど、最初っからホラー顔なわけではない。小説家パパと息子と、楽しそうに過ごしている時の彼女は、確かにちょっとギョロ目だけど、めちゃくちゃ可愛い。

だって2つ結びだよ(?)。

2つ結びにつなぎみたいな素朴〜な格好して、声もどこかロリータチックな柔らかくて甘い声を出すのさ。パパに「作品は順調?」て聞く時の素直な感情が愛おしい。応援してるんだよ、旦那のことを。抱きしめてあげたいわ!!!

だけど夫が狂っていくわけさ。

息子も空想上の友達「トニー」にとらわれて会話も噛み合わなくなるわけさ。実の息子に「トランス夫人」なんて呼ばれたくないじゃん。

当然、彼女も恐怖でストレス過多な毎日になる

 

スタンリー・キューブリックは、奥さんの恐怖を表現するためにシュリー・デュヴァルを追い詰めた。メイキング映像が観れる人は、ぜひ観てほしいスタンリー・キューブリックのシュリー・デュヴァルに対する当たりは強い。時々、2人は険悪なムードを漂わす。キューブリックにとことん追い詰められた彼女の精神状態が、奥さんの演技にそのまま表れている。

「シャイニング」の世界では夫に追い詰められ、現実では監督に追い詰められる彼女。抱きしめてあげたいわ!

 

構図の美しさ

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スタンリー・キューブリックの映像は、映像だけでどこか狂気を感じさせる。彼が撮る映画は、下手すると「シャイニング」以外もホラー映画に感じるほどである。

その象徴的なものが「左右対称」

四角い画角に左右対称な世界を映し出すキューブリック。引きの画を撮る時、じわじわと動くカメラの微妙な揺れが、左右対称な世界に「映っちゃいけないもの」が映るんじゃないかって恐怖を煽る。今作で登場する双子の姿が見えただけでも十分怖いが、何も映らない真っさらな左右対称の構図ですら怖い。美しすぎる左右対称が、とにかく怖い

この彼の撮り方は、キューブリックが偏愛していた”廊下構図”と呼ばれるものらしいんだけど、左右対称の構図に奥行きが加えられていくと、映画にどんどん吸い込まれるような錯覚が起きる

テレビと溶け合っちゃう映画「ビデオドローム」じゃないけれど、あの構図の美しさは取り憑かれたら最後だ

 

参考文献
内山 一樹,和田 誠,長部 日出雄,中沢 新一,トマス・アレン・ネルソン、「イメージフォーラム 1988 4月増刊 キューブリック KUBRICK」、ダゲレオ出版、1984-03-01、12〜13ページ

 

耳障りな音楽による恐怖表現

シャイニングは耳でも楽しめる。

冒頭で予告編を載せた時も「めっちゃ音楽で恐怖煽ってくるから、耳から恐怖を感じる人は要注意」と書いた。ビクーッとなる音楽というよりは、耳障りで神経質な音がずっと迫ってくる・・・という音響効果だ。これがまた、ものすごく嫌な気分になる。

時々、ずっとキリキリした音が鳴っているくせに何ともないって場面もある。「何だよ・・・脅かすなよ」って思うんだけど、それがかえって”いつ何が起こるかわからない”恐怖を煽る。

次は「何だよ」で済まないかもしれないのだ。

 

「シャイニング」に似た、耳からの恐怖表現が秀逸な映画に「イット・フォローズ」を挙げたい。勝手な推察なのだけれど、この監督は多分「シャイニング」好きだと思う。 

耳から煽るホラー演出は、ただビクッとさせられるのではなく、映画を観終えた後も怯えさせる効果がある。「あのシーン、実はこうだったんじゃないか」「あそこに映っていたものはやばかったんじゃないか」みたいな、じわじわとずっと怖い感じ。

わたしは、それこそがホラー映画だと思ってしまう

「シャイニング」は「呪怨」のような「うひょおおおおお!!!」な怖さではない。むしろそのような怖さを味わいたい人にとっては、ホラーに感じないと思う。「(すっ・・・)バァァァァン!!!」みたいな音響じゃないしね。

 

でも今作は確実にホラー映画だ。

想像してごらんよ。

耳障りな音がずっと煽ってくる。気味の悪い空気が漂ってる。バーテンダーだけが話を聞いてくれる。仕事の邪魔をする、事あるごとに過去を責めてくる人がいる。妻と子供を殺してバラバラにする夢を見た。そうだ、バラバラにしちゃえばいいんだ・・・

 

大切な人が狂うんだよ

 

シャイニングごっこしよう

大好きな映画を観ると、それで遊びたくなるのが常。

シャイニングごっことは、

  • 冬のホテル、誰もいない廊下を探してゾワゾワする 
  • 人差し指を折り曲げて、ドスの効いた声で別人格と話す
  • 隙間に顔を突っ込んで「お客様だよ!!!」とドヤ顔する

などを推奨します。

ぜひやりましょう。

やりましょう

やりましょ

やりまし

やりま

やり

 

 

 

 

 

 

All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes Jack a dull boy.All work and no play makes