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夢か現か、入り乱れる世界観がたまらない小説3選『第七官界彷徨』『きことわ』『砂の女』

こんにちは、齋藤吐夢です。

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読書が好き。

ふと週刊はてなブログを眺めていたら、こんな記事を見つけました。

bonsai-shiori.hatenablog.com

第七女子会彷徨だなんて、なんて素敵なタイトル。そう、夢か現か、的な私の大好きな小説のオマージュ的タイトルやないか!

この漫画はまだ読んだことありませんが、うん、センスだけで多分もう絶対好き笑。このブログを書いた方の解説を読む限り、好き笑。

 

夢か現か、的小説3選

中学生の頃に、安部公房という作家に出会い、今でも正直読み直すと「???」となることは多いのだけれど、あのほんのり悪い夢を見ているような世界観が好きで。

そこから始まり、夢か現か的な、淡々とした、絵画のようなうすぼらけな色合いの映像の浮かぶ作品が好きで好きでたまらなくて。だから今回そんな小説を3つ紹介します。

第七官界彷徨

 

赤い癖っ毛の女の子が共同生活を送る中でのストーリーなのですが、共同生活を送る相手がまた個性的。

精神病患者が入院する病院へ勤めている兄の小野一助。”こけ”の研究に没頭する次男二助。音楽学校になかなか合格できず、自宅でコミックオペラを歌ういとこ三五郎。

主人公の女の子、小野町子は恐らく途中で登場する男性に対して恋心を抱いたのだとは思うけれど、とらえどころが絶妙にない登場人物達の関わり方が個性的な一本。

 

第七官の正体は読んでいる私にも分からない、というか説明不能の感性。第六感を超越したものだと思っているけど、本当のところは分からない。でも確かに心惹かれてしまう1本の物語です。

この本を原作に、学生時代芝居をつくって上演していた劇団があったのだけれど、本当に素晴らしいお芝居だった。

 

論理的に作品の良さを伝えるには苦労するけれど、心に刺さるとえも言われぬ感情が充満する。そんな物語。

 

きことわ

 

恐ろしい感性の持ち主だと思う。作者の朝吹真理子さんという方は。

末恐ろしいほどの文学的感性だ。詩人かとも思う。絹糸のような繊細さを文章から感じる。ここまで明朝体のフォントが愛おしい小説もあるだろうか、なんて。

 

2人の女性を取り巻く不思議なお話なのだけれど、私の中では、冒頭病弱な母親がこっそりと煙草を吸っているシーンの美しさに惹かれた。

分かりやすい起承転結を解説することは、到底適わないのだけれど、そんなはっきりとしたコントラストの起承転結がなくても、心揺さぶられる小説はあるのだと教えてくれた。

 

心地よい中に、時折奇怪さの混じる、まさしく夢らしい小説なのでは?と思っている。映像化すると、女性らしい細く柔らかな髪の毛の1本1本が目に浮かぶのでは、と思う。

 

砂の女

 

安部公房の作品は今回紹介する小説の中で、もっとも悪夢に近いと思う。絶望感がすごい。しかも分かりやすい絶望ではなく、理解しがたいという絶望だ。これは結構つらい。

 

砂の女は、舞台設定からして絶望的だ。なんせ周りは砂、砂、砂。読んでいるだけで水分が枯渇していく。表題にある女も、現代にいれば周りの人をいらつかせるであろう、意思のなさ。

でも、その苛立たしい男女のやりとりが、いやにエロティックなので、悪夢に拍車がかかる。甘美な悪夢ほど嫌なものはないと思っている。

 

ただ安部公房の文章は、抽象的で難解で理解しづらいのに、ぐんぐん引き込まれるから困る。悪夢を見たくないのに、どんどん頭の中が悪夢に覆い尽くされていく。

ホラー小説のような分かりやすさはないけれど、下手すると、生易しいホラーよりずっと狂気に満ちている。

 

おすすめの本3冊ご紹介させていただきました。本当にね、中学生時代から今に至るまでずっと読書が好きですが、この3冊は出会ってから飽きずにずーっと読んでいます笑。

今、私がどこに存在しているのか分からない感覚を味わえるのでぜひ笑。

では。

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