竹製歯ブラシに替えてみたら、あまりに長持ちするので驚いている。

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衛生的には「替え時」ってのがあるとは思うんだけどね。

 

 

竹製歯ブラシに替えたきっかけ

「エコフレンドリー」な商品への関心が高まったから。

私は環境問題に関心がある。小学生の頃、総合的な学習の時間で「酸性雨」について調べて以来、頭の片隅には常に環境問題への意識がある。私たちの行い次第で今後の生活が変わってしまうのであれば、これ以上悪くならないよう行動したい。

とはいえ、私は熱心な環境活動家ではない。ごみを出さない生活様式について書かれた本ゼロ・ウェイスト・ホームの著者のような「徹底的」な姿勢はなく、日常生活からプラスチックを排除する・全てプラスチック代替品に置き換える、などの気概はない。

でもゴミは分別するし、買い物にはトートバッグを持参するし、「袋はいりません」と言うし、必要ないものは買わない。最近は出るゴミの少ない商品(例、固形シャンプーなど)や売上の一部が環境保全活動に使われる商品を選ぶようにしている。

そんな中、「よっしゃ使ってみっか」となったのが竹製歯ブラシだ。

 

竹製歯ブラシ

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私が愛用しているのはスウェーデンのThe Humble Co.が作っているHumble Brush。

Humble Brush has a handle made from 100% biodegradable, sustainably-grown bamboo. the bristles are made of nylon-6 bristles from Dupont. the packaging is eco-friendly, the box and inside wrapper are made from recycled materials, and can be thrown out with the organic trash.

引用元:Bamboo Toothbrush | Humble Brush | The Humble Co.

上記をざっくり訳すと、

歯ブラシの持ち手は100%生分解される竹製、ブラシはデュポンのナイロン6でできています。外箱と内側の歯ブラシの包装紙はリサイクル素材でできており、有機性のゴミと一緒に捨てることができる、環境に優しいパッケージです。

この記事を書いていて気になることがあったから、“デュポンのナイロン6”について調べたことを忘備録的に書き連ねるけど、竹製歯ブラシのメリット・デメリットだけ読みたい人は一気にスクロールしちゃってください

“デュポンのナイロン6”はどうやらBPAビスフェノールA)フリーのナイロンのことを指すようだ。…で、“BPA”ってなんだろうって調べたら、プラスチック原料として使用される化学物質なんですってね。

で、なぜ“BPAフリー”が押し出されてるかっつーのを調べたら「ほぉ」となるものがあったので、結構長くなるけど厚生労働省BPAの安全性への回答を引用(↓)する。

 

あ、結論としては「人体に悪影響を及ぼす可能性があるから避けましょう」って感じです、だいぶ端折ったけど!!!

 

現在、ビスフェノールAについてどのようなことが問題になっているのですか。

 

ビスフェノールAの安全性は、前記のQ4に記載したような各種の毒性試験の結果に基づき評価されていますが、1997年(平成9年)頃から内分泌系※への影響が懸念される物質として、社会的に関心が持たれ、これまでに内分泌系などへの影響を調べるための試験研究が数多く行われてきています。

 

こうした試験研究の中で、動物の胎児や子供が、従来の毒性試験により有害な影響がないとされた量に比べて、極めて低用量(2.4~10μg/kg体重)のビスフェノールAの曝露※を受けると、神経や行動、乳腺や前立腺への影響、思春期早発※等が認められているという報告がされ、米国、カナダ、欧州連合EU)ではこうした報告を受け、下記Q6で述べるような対応がなされているところです。

 

我が国においても、こうした低用量のビスフェノールAの内分泌系への影響に関しては以前より厚生労働科学研究などで研究を進めているところですが、最近の研究成果として、ビスフェノールAを妊娠動物に経口摂取させると、これまでの報告よりもさらに低い用量(0.5μg/kg体重)から当該動物の子供に性周期異常※等の遅発性影響※がみられたことが報告されています。

 

これらの動物実験が科学的に確かなものかどうか、ヒトにも起こりうるのかどうかについては、国際的にも議論があり、未だに不明な点も多く、今後の調査研究の進展が必要ですが、胎児や乳幼児では、体内に取り込まれたビスフェノールAを無毒化する代謝能力※が大人に比べて低いと予想されること、また、エストロゲン受容体※が機能する中枢神経系※、内分泌系及び免疫系※の細胞や器官は、胎児や乳幼児では発達途上のため、微量の曝露でも影響が残る可能性があることも指摘されています。

 

影響を受けるかもしれない対象が胎児や乳幼児であることを踏まえ、厚生労働省としては、このような食品からのビスフェノールAの摂取が健康に及ぼす影響について、現在、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼しています。それらの結果、健康への影響が指摘されれば、新たな対策を検討することとしております。

 

なお、胎児や乳幼児以外への影響については、動物実験ではそのような低用量での影響が現れるという報告はなく、またそのような影響は胎児や乳児以外では、生体の恒常性維持機構※が発達していることから発現しにくいと考えられていることから、現行の規格値(2.5ppm)と同じ程度のビスフェノールAの溶出があったとしても、成人への影響はないものと考えられます。

引用元:ビスフェノールAについてのQ&A|厚生労働省

 

でも同時に、ちゃんと反対意見というか、BPAの代替物質もちゃんと安全評価した方がいいかもよ」的なことを訴えている記事も紹介するね

natgeo.nikkeibp.co.jp

www.natureasia.com

個人的には持ち手と外箱と内側の包装紙の取り組みは魅力的なんだけど、ブラシの部分の素材は知識が足りなくてちょっと悩んでいる。自然素材に徹底するなら持ち手は竹製、ブラシは動物毛がいいんじゃないかと思いつつ、そうするとヴィーガンの人が悩んじゃうのか…!なんてことを思う日々。

何が「いい」のかわからなくなること、多々ある

でも、まあ、ブラシ部分については悩みがあるけど、私は今後も竹製を選ぶつもりだ。

意図としては…使い捨てプラスチックの流れ(すぐ捨てられるのにどんどん作るっちゅー流れ)を少しでも抑えられるのなら、って感じかな。

竹に二酸化炭素削減効果はないって話は聞くけど

natgeo.nikkeibp.co.jp

放置されてる竹林が活用されることで、社会的にも環境的にも今よりは良い方向(って表現するけど)に進むのであれば協力したいって感じ。

www.huffingtonpost.jp

 

竹製歯ブラシのメリット・デメリット

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お待たせしました。使ってみた感想です。

 

メリット

コスパかな!

タイトルでも冒頭でも言ってるんだけど、とにかく長持ちなの。購入してから半年以上経ちましたが、全然ブラシ部分がへたりません。持ち手もあからさまな劣化は感じられません。これは本当に驚いた。

歯ブラシの価格にしては正直高いよ。Amazonでは1本693円。たまたま見つけたライオンのシステマハブラシの価格は1本220円。

でも私の場合、使ってから3ヶ月ぐらい経つとブラシ部分が広がって「替え時」がくる印象だった。ところがどっこい、今使ってる竹製ブラシは引くほどブラシ部分が広がらない。ブラシの毛が抜けたっていう印象もない。使い心地が変わらない。

使い終わった後に水で濡れたままにならないよう、置き場所を工夫して乾かしてるんだけど、これもひとつ長持ちの秘訣かもしれないね。

 

あとは、真ん中が凹んだ独特な形状をしてるんだけど、意外と歯にフィットする。奥歯の凸凹も面積の広い前歯も普通に磨けてるし、奥の磨きにくい部分は先端部分でかき出すようにして磨けるし、歯の裏側も問題なく磨けてる。

下記のデメリットを読めば一目瞭然だけど、小回りはきかない。でも私は不便だと感じていないので、満足して使い続けている。

 

デメリット

ブラシ部分がデカくて硬い

小さめヘッドや柔らかさにこだわりがある人は向いてない

竹製歯ブラシを使い始めて、日本の歯ブラシの、安いのに種類豊富、おそらく高品質っちゅー…異常性を知った。「日本製」への誇りも感じるけど、日本製の品質の高さには時々「こだわるべきはそこじゃないと思う」と感じさせられる。

とは言ったって、顎の小さな人とか「歯を一本一本丁寧に磨きたいんじゃ!」って人に、今使ってる竹製ブラシは薦められない。本当にデカすぎるし硬すぎるから。私が通っている歯医者さんも、おすすめしないかもしれないなあ。私はどうやら、歯磨き時に力を入れすぎて歯茎を痛めてることが多々あるらしいから。

「歯の健康>>>エコフレンドリー」の人は、エコフレンドリーかつブラシ部分の小さな歯ブラシが登場するまでは、歯を大事にした方が良いかもしれない。

 

“エコ”って難しいね!

竹製歯ブラシの話を書いてみて、改めて「エコフレンドリー」の難しさを思い知らされた。

いろいろな企業で環境問題への取り組みがデフォになりつつあるけど、単に「エコだ、エコだ!」って言っても、使い勝手がよくなきゃ買われないし広まらないと思うんだよね、販売相手が「人間」だから

それから個人的に気にしているのが、エコバッグやマイストロー等々が「売れるっぽい」っ理由で大量生産されたら意味ないよな〜とかね。手段と目的がすり替わっている“エコ”商品を見かけると「ぐぎぎ…(悔しい&心が傷んでいる)」ってなる。

考えれば考えるほど、この問題は難しいというか一筋縄ではいかないというか、人間ってややこしくてめんどくせえなあっていうか、地球と人間の関係って考えさせられるよね

それでも私は、環境問題に思いを馳せながら、できることをできる限りやりたい。これからも「袋はいりません」って言い続けるし、道端のゴミが目に着いたら拾うし、理念に賛同できる企業の商品を選ぶ。

 

難しいからって投げ出したりはしない。

 

では。

 

◆本日のおすすめ◆

(↓)文中の“そもそもプラスチックは食べることを想定して作っているものではないので、少なくとも体にいいはずはないと思うよね。”に「た、確かに…」とは思った。

www3.nhk.or.jp

(↓)私からすれば著者の生き方はストイックだけど、私にもできることがある。だからできることだけ心がけてる。

(↓)デメリットではああやって説明したけれど、私はこの「ワイルドな使い心地」が好きだったりする。