はじめに
風邪をひいた体から独特な匂いがする。
わたしは元々、香りや匂いに興味があり、フェチとまではいかないものの「体臭を嗅ぐのが好き」だったりする。
そんなわたしが今一番気になっているのは、病気の人や亡くなった人から発せられる匂いである。
時々わたしは風邪をひくが、その時も、普段の自分からは感じられない不思議な匂いが漂うのだ。
※なお私は匂いの専門家ではないため、匂いの原因については言及しない。ただ非常に興味のある出来事なので、みなさんと共有できれば幸いです。
病気の人や亡くなった人の匂い
匂いで病気を感知できる!?
表現しにくい独特な匂いが、体調不良に陥ると匂ってくる。
夫もこの独特な匂いを感じとれるらしく、わたしが「ちょっと体調悪いかもしれない」と思った日に、近づいてきて「今日いつもと匂いが違う。体調悪くない?大丈夫?」と言われたことがある。
この臭いの感知を利用して、病気を発見する試みがある。
「がん探知犬」だ。メジャーな話題にはなっていないため、まだまだ発展途上かもしれないが、今後訓練された犬が「病気の早期発見」に役立つかもしれない。
セントシュガージャパン|がん探知犬の訓練と育成・がん研究助成
病気による匂いの違い
実際に、病気の種類によって匂い成分には違いがあるようだ。
▶︎体臭で病気の種類まで分かる? がん発見に活用も|ヘルスUP|NIKKEI STYLE
健康な体と病気の体では、体内物質に変化が生じる。それにより、生成物にも違いが生じるため匂いが変わるのだとか。
糖尿病になると、ほんのり甘い香りが漂うらしい。また、かつてたくさんの人々を死に至らしめた「黒死病」は「腐ったリンゴの香り」がすると評されている。死は甘い香り、ということか。どことなく甘美だけど、嫌だね!!!
なお「嗅覚」の仕組みは非常に複雑で、1つの成分を特定したところで香りを断定することはできない。人が感知している香りは複数の成分で成り立っており、心地よい香りと汚臭に含まれている成分が同じこともある。
わかりやすい例で言うと、イグノーベル賞を取った「牛糞からバニリンを精製」。「バニリン」はバニラの香り成分。牛の糞からバニラの香り。
▶︎日本の研究者、牛糞からガソリンやバニリンを生成|WIRED.jp
亡くなった人の匂い
少々不謹慎だけれど体験談を話すとすれば、亡くなった人と対峙したとき、甘い香りがした。
私の大好きな小説「深夜特急インド・ネパール編」にもあったが、亡くなった人からはほんのり甘い匂いがする。その話が頭に入っていたから余計そう思えたのかもしれないが、その人からはとても甘い香りがしたのだ。
この匂いの違いも、体内物質の変化が要因だ。
体内に残っているガスや微生物分解されたものが、死後に合わさって独特な匂いを発するのだ。
がん治療中の体験談
最後に、もし同じような体験をした人がいると嬉しいのだけれど、がん治療中に「点滴」を入れた際の匂いの体験談をひとつ。
点滴を打つ前に注入されるヘパリンロック※。注入された直後にプラスチックのような匂いが必ず鼻を通るのだが・・・「わかる、わかる!」って人いますか(笑)?
※
輸液を投与せずに血管内にカテーテルを留置すると,先端部分に血液が逆流して凝固し,カテーテルを閉塞させる.この閉塞を予防するためにヘパリン加生理食塩水をカテーテル内に充填しておく,この手技をヘパリンロックと呼ぶ
独特な匂いが役立つことに期待
弱っている自分の匂いを自分で感知できるようになれば、健康に役立てられる気がする。健康のありがたみを分かるのが、体を壊してからでは遅いのだ。
匂いによって、微妙な体調変化に気づければ、体を休めやすくなるんじゃないだろうか。そんなことを思う。
では。
◆本日の一冊◆
匂い、香り、といえば、この小説が思い浮かぶ。
猟奇的殺人鬼が主人公だけど甘美なお話。
※2017年11月14日更新