現代にも続く闇。NHK「フランケンシュタインの誘惑」制作班『闇に魅入られた科学者たち』(宝島社・2023年)

「フランケンシュタインの誘惑」(NHK総合)で、“積極的安楽死”の回を見た事がある。ジャック・キボキアン、通称「ドクター・デス」は生涯に130人余の患者の自殺ほう助を行った人物だ。 読んでいる最中だが宮下洋一『安楽死を遂げた日本人』(小学館、2019年…

モノを手放す手引き書として。佐々木典士『ぼくたちに、もうモノは必要ない。増補版』(ちくま文庫・2019年)

定期的に、ミニマリストにあこがれ、モノを手放そうと心がける時がある。そんな時にこの本を手に取った。 ミニマリストの事例集というよりは、著者自身のミニマリストになる前後の体験談と、モノを手放すためのルール、モノを手放すことで得られることのリス…

2024年にやりたいことで現状整理。今年もふつうに過ごしたい。

今週のお題は、現状を整理するのに都合がいい。 というのも、ある助成・支援プログラムに応募しようと思い立ったものの、いざ申請書類に必要な資料を揃える際に手が止まってしまったのだ。「未来像」という単語を前にして、キーボードを打つ手が止まる。国や…

今はまだSFだが、いつか現実になるかもしれない。成田悠輔『22世紀の民主主義』(SBクリエイティブ・2022年)

成田悠輔という人物を知ったのはいつだったか。 欠かさず見ているテレビ番組、なんてものはなく、YouTubeもX(旧Twitter)も見たり見なかったりしていたものだから、いつ、どこで、どんな風に彼の存在を知ったのか全く覚えていない。 左右で違うフレームの眼…

2023年の振り返り。2024年の展望。

2023年はいろいろな出来事がたっぷり詰まった1年だった。 画業においては、2023年3月に武蔵野美術大学通信教育課程を卒業した後、毎月ではないにしてもほぼ毎月、作品を展示していた気がする。新作を描いてはイベントに参加し、新作を描いてはグループ展や個…

原点回帰。

これまでに書いた記事は消さない。 齋藤吐夢を名乗っていた時期もあった。今は文筆業・画業ともに本名を名乗っている。ブログやSNS上で思いっきり顔出ししているわけではないが、顔出しNGとは言っていないので、探せば私の顔面がネットの海にガッツリ出てく…

夢と現が交錯する。朝吹真理子『きことわ』(新潮社・2011年)

これまで何十冊もの小説を読んできたが、繰り返し読んでも飽きることのないお気に入りの作品の中に『きことわ』がある。読む度に夢か現か分からなくなるのが面白く、何度も何度も読んでいる。 主人公は貴子と永遠子。葉山の別荘で同じ時間を過ごした貴子と永…

DIC川村記念美術館にて『ジョセフ・アルバースの授業 色と素材の実験室』を鑑賞する

先日、DIC川村記念美術館で開催されていたジョセフ・アルバースの展示を観に行った。 ジョセフ・アルバースの存在を知ったのは、先月(2023年10月)六本木・国立新美術館にて開催されていた『テート美術館展 光 ーターナー、印象派から現代へ』で展示されて…

DIC川村記念美術館にてロスコ・ルームに入室する

DIC川村記念美術館へ行くのは2回目だった。 常設展や企画展を観るために足を運んだが、一番の目的はロスコ・ルームである。 ロスコ・ルームとは、ロシア系ユダヤ人のアメリカの画家で、ジャクソン・ポロックやバーネット・ニューマン、ウィレム・デ・クーニ…

映画『パール』ミア・ゴスの顔面が最高。

A24※だから、A24っぽいんだろうな、と思ってやっぱりちょっと期待して観たら、とってもとってもA24な映画だった。最悪で最高。愛おしくて悲しくて、とっても厭な気持ちになる映画だった。これは超、超、超褒め言葉。 ※映画やテレビ番組の製作、出資、配給を…