恥ずかしながら、わたしが『ワイルドスピード』(以下、ワイスピ)シリーズを観始めたのはつい先日のことだ。
否、本当のことを話すと『ワイルドスピード/アイスブレイク』しか観たことがない。アイスブレイクより前の作品は、公式YouTubeチャンネルであがっていた「ワイスピまとめ動画」でしか観たことがない。
が、そんなワイスピ初心者、ワイスピにわかファンなわたしでも、『ワイルドスピード/スーパーコンボ』は十分楽しめた。
同じワイスピ初心者、ワイスピにわかファンが今作が楽しめるかどうかは、名物キャラクターであるホブスとショウを演じるドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムに興奮できるかどうかにかかっている。
※文中、一部ネタバレあり。ネタバレNGな人は、鑑賞後に読んでいただけると幸いです。
ワイルド・スピード/スーパーコンボ
あらすじ
あらすじの前に、まずは胸熱な2人の設定から紹介する。キャラ立ちしすぎ。
<ルーク・ホブス(ドウェイン・ジョンソン)>
- ロサンゼルス在住
- ワイルド
- 超重量級の車を操る
- 元・FBI特別捜査官
<デッカード・ショウ(ジェイソン・ステイサム)>
- ロンドン在住
- クール
- 超高級な車を操る
- 元・MI6エージェント
この対照的な2人を主人公に描く。なお、デッカード・ショウはシリーズ7作目となる『ワイルド・スピード SKY MISSION』で登場した悪役で、元・FBI特別捜査官であるホブスとは犬猿の仲。
以下あらすじ。
2人の元に、行方をくらませたMI6の女性エージェント・ハッティを保護して欲しいという政府の協力要請が入る。ハッティは全人類の半分を滅ぼす新型ウイルス兵器をテロ組織から奪還したが、組織を率いる、肉体改造を施された超人的な戦士・ブリクストンに急撃され、ウイルスと共に消息を絶った。しかも、彼女はショウの妹でもあるという。
ホブスとショウは「こんな奴と誰が組むか!」と協力を拒否するが、ウイルスの回収を最優先するため、仕方なく手を組む事に…世界の命運はこの2人に託された!
超・ファミリー映画だった
ワイスピシリーズは“ファミリー”映画である。
ワイスピシリーズの主人公ドミニク・トレット(ヴィン・ディーゼル)は、ミッションのたび仲間を呼び出し行動する。仲間を「ファミリー」と呼ぶ描写もあり、仁義を大切にする任侠映画に見えなくもない(シリーズを復習して知ったのだが、ドミニクは複数回世界を救うっぽいんだけど、1作目では強盗団のボスです)。
で、今作もファミリー映画であった。
しかし、今作の場合は任侠、ギャング、マフィアもののような“ファミリー”ではなく、本気のファミリー映画だった。仲間をファミリーと呼ぶのではなく、家族が仲間なのだよ。
個人的には今作のファミリー感、家族を味方につけて戦っちゃう感じ、とても好きだった。特にホブスファミリーに関しては、たくましすぎて呆れる。
ホブスとショウのキャラ立ちしすぎな設定に負けない、それぞれのファミリーのキャラの濃さも最高にいい。
ショウファミリーの品の良さに痺れる
まずショウファミリー。ワイスピシリーズでは、ショウとショウの弟、ショウの母親が登場している。今作ではショウの母親とショウの妹が登場。
しかしまあ、この2人の女性の美しさ、強さ、しなやかさがたまらない。
ショウの母親であるマグダレーン・ショウ(ヘレン・ミレン)がまあ、美しいこと美しいこと。白い肌に赤いリップがまあ映える映える。お母さん、がっつり収監されてるんだけど、焦る様子もなく「模範囚よ、うふふ」と笑う余裕さえある。
で、お母さんを心配するショウの顔がちゃーんと息子してるのもいい。
そして今作で、敵に追われることになるきっかけを作ったのが妹のハッティ・ショウ↓(ヴァネッサ・カーヴィー)。
『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』で彼女を観たとき、「まあ、なんて美しくて怪しいの!!!」と思った彼女がMI6エージェントを演じるってんだから、それだけでたまらないよね。
物語前半では、ハッティがショウに対して「ほんと、お兄ちゃん嫌い」みたいな雰囲気を醸し出すのが愛らしくてね・・・。
一方のショウは、妹から嫌い嫌い言われながらも「妹、マジ心配」オーラ満点でね。すっごく兄妹に見えるの。愛おしいよね。
後述するホブスファミリーからは、ものすごく強い「家族、大切!!!」感が漂うんだけど、絆の強さはショウファミリーも負けてない。わざわざ絆を表に出さないだけって感じ。その品の良さ。
劇終盤、収監されてるお母さんの前に兄妹で現れて、お母さんしみじみ・・・って描写がすごくよかった、感動の再会っぽくて。そのうえで兄妹で茶目っ気を出しながら、母の脱獄を匂わせるラストもまた最高。さすがショウファミリー。抜け目ナシ。
「ショウ」というキャラクターの軸を一切ブレさせない、ショウファミリーの作り込みに感動する。
ホブスファミリーのたくましさに痺れる
一方ホブスファミリー。
実は元・犯罪一家出身だったホブス。「犯罪は間違ってる」とホブスは警察を志し、ホブスファミリーを束ねてきた父親を逮捕。が、その引け目から家族になかなか顔を合わせられなかった、という設定。
もちろん、やっぱりちょっと不仲だったお兄ちゃん※から殴られたりはするんだけど、ホブスの働きかけに家族は答えていて。ホブスは無事に家族と和解するわけだ。
※このお兄ちゃんがめちゃくちゃ可愛い髪型してて胸キュン。編み込み三つ編みヘアの髭もじゃのおっちゃん。バカみたいにでっかいホブスを殴り飛ばせる力をもつ。
そして新型ウイルス兵器を追ってくるブリクストンから、ハッティらを守るためにホブスファミリーは奮起。
しかし、その対抗手段はマオリ族の伝統的な武器。NOT銃火器。すなわち素手!雄叫びをあげながら、ほぼ素手で勝負を挑むホブスファミリーは本当に胸熱。
ホブスファミリーVSブリクストン軍団のシーンはねえ、誰だって興奮するよ。だって戦いの前にハカ(↓)見せてくれるんだよ?!
ラグビーラグビー史に残る伝説のハカ/HAKA!「カパオ・パンゴ」初披露(2005年)
ホブスとショウをまた観たいな
今作は決して「考えさせられる」「感動の涙が止まらない」系の映画ではない。
キャラ立ちしすぎなキャラクターの奮闘する姿を観て「イケー!」「ヤレー!」と大興奮するための映画である。
ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムが、世界中のファンの期待に応えて、ホブスとショウというキャラクターらしく振る舞い、人々に興奮を提供する映画であった。そんなん、最高に決まってんじゃん!!!
だから冒頭にも申し上げた通り、ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムの存在だけで興奮できる人であれば、ワイスピシリーズ観なくても全然問題ないと思う。
あと、ストーリーがわかりやすいので、ドウェイン・ジョンソン初心者とジェイソン・ステイサム初心者にも向いてる。この2人の顔を見るたび「なんでこの2人、人気なんだろう」って思ってる人、少なくないと思うの(かくいうわたしも、夫に「今作観たいからワイスピ復習しようぜ!」って勧められるまで「なんでこの2人なん?」って思ってたから)。
観ればわかる。
わたしはイチコロだった。
純粋に「イエーイ!」って気分になりたいだけの人にもおすすめよ。
では。
◆本日のおすすめ◆
ドウェイン・ジョンソン、ジェイソン・ステイサム単体で観たい人へ。
(↑)ドウェイン・ジョンソンが巨大ゴリラと心を通わせる映画。
(↑)ジェイソン・ステイサムといえば。