西岡壱誠著、ひなた水色作画『マンガでわかる東大勉強法 増補版』(幻冬舎、2019年)

マンガでわかる東大勉強法 増補版

 

この本を読もうと思ったきっかけは、「勉強にコンプレックスがあるから」「東大に憧れがあるから」「東大生は勉強とどのようにして向き合っているのか(=勉強が苦手な自分とは何が違うのか)を知りたかったから」である。

 

この本を読んで、特に印象に残ったのは「Chapter 2『要約』が最高の勉強法」で登場する言葉である。

「授業は獲りに行け」「後で人に話すつもりで聴く」

マンガパートで登場する主人公たちはChapter1で目標を東大合格に定める。そして真面目に学校の授業を受けた。指導者のキャラクターは板書をしっかり写した彼らのノートを見て、「授業の内容はどのくらい覚えてる?」と問いかける。そして、無地の紙を1枚差し出すと「ここに今日の授業内容を書き出して私に説明してくれ」と口にする。授業内容を説明できない彼らに、指導者は「授業は獲りに行け」と話すのだ。

「君達はせっかく授業を受けたのに私に何も説明ができなかった。それじゃあ授業を受けていないことと変わりなくないかい?」

この章を読んだことで、かつての私(小学校〜高校時代)が勉強について思い違いをしていたことを痛感させられた。なぜなら私は「板書をしっかり写すこと」が勉強の目的になっていたからだ。今思い返すと非常に恥ずかしいのだが、私は「授業を真面目に受けること」を大切にしてしまっていたのだ。授業中に寝るのは恥ずかしいことだ、と寝ずに授業を受けていたが、やっていたことは授業を“受けていた”だけ。板書を写していただけ。知識を積み重ねることも、理解を深めることもできていなかったことをあらためて思い出し、恥ずかしすぎた。

しかし、この本で紹介されている勉強法、Chapter2だけでなくChapter4の学習計画の立て方だったり、Chapter5の科目別攻略ガイドだったりのおかげで、「自分が何を理解し、何を理解していないのか」「限られた時間で効率よく勉強するにはどうすべきか」など、勉強への姿勢を修正することができている。

 

「東大」「東大生」の文字を見ると、どうしても怯んでしまったり、憧れを抱くだけ抱いて「自分には無理だ」と思ったりしてしまいがちだが、この本に書かれている内容は「誰にでも応用できる」ものだ。とにかく「やるか・やらないか」だけの話だから。まず知らないを知る。わからないを知る。それをどれだけ知っている・わかるに変えられるか。変えるためにはやるしかない。そのための最初のステップは、つまずきやすいところを見つけ、そのレベルからコツコツと基礎を固めていくこと。東大目指していきなり難易度の高い問題を解くわけではない。何事も基礎が大事なのだ。つまずいているなら、高校から中学、中学から小学校まで戻ってコツコツやり直せばいい。

 

この本を読んだことで、自分の勉強に対するコンプレックスを克服することに俄然やる気が出た。コンプレックスだから、と立ち止まってしまうのではなく、どのくらい理解できていないのかを知ろう、理解できていない部分を理解できるように努力してみよう、そう思えた。

 

なお、マンガという形式のおかげで、肩肘張らずに「勉強法」に向き合わずに済んだ。私にとって昔懐かしの「進研ゼミ」のマンガよりは台詞や出来事が現実的なので、その絶妙な匙加減も良かった。受験生はもちろんのこと、社会人の学び直しにも役立つ一冊だと思う。“東大”とは書いてあるけれど、目標・目的のために勉学に励みたい人全てにおすすめできる本だ。