この本を手に取った時、私は悩んでいた。自分の性格(内向的、自信がない)とか、これまでの自分の生き方とか、そういうものに。そういう時、私は本屋へ行く。そこで出会う、直感的に「読んでみようかな」と思った本が1つの解答になることがあるから。それで選んだのがこの本だ。
この本の一貫したテーマは幸福の追求だ。人生の満足感を上げるもの、姿勢はどのようにして成り立つのか。「パーソナリティ心理学」で取り扱うさまざまな観点から考えていく。
まず、「第1章 あなたを閉じ込めている檻ー“メガネ”を変えて世界を見る」に惹きつけられる。第1章は、私たちの見る世界の捉え方について書かれている。世界を解釈する柱となる評価基準を、世界を見るための“メガネ”に例える。そして、そのメガネが1つしかないと起こること、複数の“メガネ”を併せ持つことで得られることが具体例を交えて示されている。この章は、会社の人事等、人を選ぶ立場にある人は読んでおくとタメになるかもしれない。
次に印象に残っているのは「第3章 別人を演じるー大切なもののために性格を変えるということ」である。第3章は、ある人が“シーンによって「まるで違う人格」になる”ことを深掘りしていく。私はこの章にとても励まされた。なぜなら、私自身が「まるで違う人格」になる感じがして、長らく戸惑ってきたから。他者(家族や友人)は私について「私らしい」と話す。それでも私の中では“演じている感”がずっとあって、落ち着かなかったのだ。この章は、人のパーソナリティ特性には“変わることのできる”自由な側面があることを教えてくれた。そして、「まるで違う人格」になることで代償を払う場面もあるから、“本来の自分に戻るための「回復のための場所」をつくること”を勧めてくれた。今後は、「回復のための場所」をつくることで、演じる自分を肯定できる気がする。
この本を通じて、すぐに人との付き合い方や距離感が変わるということはなさそうだ。どちらかといえば内向的で、場面によって外向的な人物を演じている私が、この本を読むだけで真に外向的な人間となることはないから。それでも、「他者と分かり合えないのもかける“メガネ”の違いからきているのだろう」とか、「回復のための場所を大事にすることで、他者と向き合いやすくなるだろう」とか、そういう見通しはついた。
「自分を理解する」について哲学するには、もっともっと関連書籍を読み漁り、もうこれ以上インプットできないところまできて吐き出すように表に出す必要がある気がするが、導入としては最適だった。
たとえば巷で話題の(というか、今の時代はみんなが知っている?)MBTIで、自分の特性を知ったが、それだけで理解したというには「物足りない」と感じるなら、次にこの本を読んでみてもいいんじゃないかと思う。
