この本は、心と体の健康のために重視すべき“栄養”と、「分子栄養学」※1に基づいた著者の実践とメソッドが紹介されている。
私がこの本を選んだのは「“心と体を強く”したかったから」。
先日、「一時預かり制度」※2を利用して、初めて子どもを保育園に預けたのだが、まず「保育園の洗礼」※3を受けたのは子どもではなく私だった。子どもより先に新型コロナウイルスを発症してしまった。
この出来事にはなかなかしょんぼりした。しかも、まあ、治りが悪い。高熱はもういい加減出ていないが、新型コロナに罹った後から、ちょっとでも疲れると喉が痛い。これまで落ち着いていたアレルギー症状や喘息の発作が復活している。
健康的な生活を送る上で重要なのは「食・運動・睡眠」で、そのうち運動不足と睡眠不足は自覚しているが、保育園に週5日丸1日預けるには小さすぎる子どもがいる家庭で、運動と睡眠を充実させるのはまだ難しいと判断した。
でも食なら、工夫次第でなんとかなりそう。そう思った時、過去に購入した雑誌POPEYEの特集「カラダにいいこと、なにかしてる?」に載っていた「メガビタミン健康法」を思い出したのだった。
※1栄養学の一分野。食品や栄養素が体の分子レベルでどのように作用するか研究する学問
※2 保護者の就労や傷病のほか、育児疲れの解消など、さまざまな理由で家庭での保育が一時的に困難になった場合に、保育園などの施設が子どもを預かる制度
※3 保育園に行き始めた子どもが、集団生活を始めたことで風邪などの様々な感染症に次から次へと感染し、短期間に何度も欠席や早退を繰り返すこと
本の中身は、まず、心と体を強くするための“分子栄養学メソッド”が紹介されている。詳細が気になる方はぜひ本書を手にとって読んでほしいが、雑に要約するとこの本は「プロテインと鉄とビタミンを摂りましょうね」と言っている。
とにかく、心と体を強くするのに大事なのはプロテイン×鉄×ビタミンで、それがなぜ大事か、この健康法ではどのくらい摂取するのかが書かれているのだと思ってもらえればいい。
心に響いた箇所といえば、本編や「第5章 よくある疑問・失敗集」での回答で何度も繰り返されるように、心と体の不調の原因は「タンパク質不足」だという主張が一貫されるところだ。
本のタイトルは“メガビタミン健康法”だし、鉄、マグネシウム、各ビタミンのサプリメントや服用量なども紹介されるが、まずはタンパク質が重要だという。プロテインが規定量(メガビタミン健康法においては20g×2回/日)飲めなければ、鉄、ビタミンの摂取に進めない。いや、別に進んでもいいと思うが、それらが真の効果を発揮するにはやっぱりプロテインが欠かせない。
その主張のあまりの徹底っぷりに圧倒された。「プロテインを体が受け付けない」「プロテイン不足だからです」「サプリメントを飲み込めない」「プロテイン不足だからです」
すごい回答だな……と思いつつ、虚弱体質気味な私からすると「そうかもな」と思う節もある。なので今、20g×2回/日が飲める体になれるよう、5g×3回/日を実践しているところだ。
なお、第2章〜第3章では、メガビタミン健康法で着目されているビタミンについて、なぜ重要なのか、どんな効能があるのか、といった内容が記されている。ビタミンC、B、E、D、Aそれぞれの効果をあらためて知りたい人にはおすすめできる。
一方で個人的には、コロナ禍の状況をふまえて書かれたとされる「第4章 分子栄養学が健康レベルを上げる理由」はやや思想的だとも感じたので、読んでみて合う・合わないはあると思う。
加えて、大抵の人なら分かっていると思うが、本の内容を鵜呑みにするのは危うい。
“メガビタミン健康法”の効果の有無は自分の体を使って試すしかないし、試す場合には自己責任でやるしかない。
この本で紹介されている各栄養素の1日あたりの摂取量は国の定める基準を大幅に超えているので不安を覚えるならやらない方がいい。
帯には“医師や薬に頼らない”とあるけど、かかりつけ医がいるならかかりつけ医の意見も聞いた方がいいと思うし、すでに服用している薬がある場合に、それを自己判断で断薬するのは絶対にNGだ。
分子栄養学に門外漢な私は「そういう観点、研究、思想もある」ぐらいの距離感で読んだ。自分の心と体の健康のために本の内容を生活に取り入れるつもりだが、それは本を読んで納得できた部分や取り入れられそうな部分だけに限る。
