【デジタルミニマリズムの実践】持ち込まない・つながらない、の実践

ものは試しに、仕事部屋にスマホを持ち込まない(=持ち歩かない)、で過ごしてみた。それから、文章を執筆する際、Wi-Fi設定をオフにして臨むことにした。

 

背景

上記を実践するに至ったのは、スマホが手元にあると何かといじってしまうからだ。

またWi-Fi設定をオフにしたのは、ネットにつながっていると、調べ物とするうえでは非常に便利なのだが、油断すると全然別のことを検索してしまい、本来やるべき作業から離れてしまうからである。

 

結果

まずはスマホから。

薄々思っていた通り、スマホを持ち込まないことで生じる不便はなかった。

もちろん、「今、スマホが手元にあれば、〇〇の作業ができたのに」と思うこともあった。けれど、その作業の優先順位が低い場合には後回しにすればいいだけだったし、結局のところ「そうだ、スマホが手元にないんだった」と思うだけで終わった。

だから多分、物理的に距離を置くことはやっぱりそれなりに意味があることのように思えた。

 

次に「つながらない」について。

Wi-Fi設定については、仕事部屋に持ち込まなかったスマホよりもどうしても距離が近いので(クリックひとつでオンに戻せちゃうわけだし)、人によっては自制心との勝負になる気もするが、個人的には執筆に集中できたように思う。

それはやはり、その行為(私の場合は執筆作業)しかできなくなるからである。

 

インターネットにつながることができると、頭に浮かんだ疑問をすぐに調べられる。“すぐに”というのは非常に便利だが、「じゃあ、これは?」「あれは?」と次々に疑問が浮かんだ時、やらなければならない作業が押しのけられてしまい、そして気がつくと、全然関係ないことをしているのがオチだった。

そういうわけで、Wi-Fi設定をオフにする、という取り組みをする直前、私は『ポメラ』を買うべきか真剣に悩んでいた。『ポメラ』は知る人ぞ知る電子メモ帳で、書くことしかできない電子機器である。「これ使ったら執筆に集中できるだろうか……」と悩んだものだ。

だが、私は自分を信用していない。遠い昔に『ポメラ』を使ったことがある。書くことしかできないという“便利さ”は今でも覚えているが、同時に、作業に集中できないのは使用機器が原因なのではなく自分の問題である、ということも覚えていた(今使っていないということは要するにそういうこと)。

となると、購入しても使わなくなるのは目に見えている。

では『ポメラ』の代替案は何か……と考え、浮かんだのがWi-Fi設定をオフにすることだった。これまでも何回か、Wi-Fiの使えない環境で仕事をせざる得ない場面があり、その時、仕方なしに書いていたことを覚えていたからだ。そう、ネットにつながってなくても文章は書けるんだよ!

 

前述した通り、執筆に集中できたように思う。

「リンク貼りたいなあ」と思う時もあったし、「この日本語でいいんだっけ?」など、疑問を“すぐに”解消したくなる時もあったが、「インターネットが使えないなら使えないでいいや……」と思えるような自分だからこそ、不便が便利だった。

 

今後の展望

今、私は、自分のスマホをどんどんつまらないものに変えていきたいと思っている。

「緊急時に連絡できないと困る!」という家族の要望に沿って、スマホを手放すという選択肢は用意していない。ミニマリスト向けのスマホを手に入れることも一度考えたが、電話嫌いなのに電話しかできないのはかえってストレスだな、と思ったのもある。

スマホがもつ娯楽要素を少しずつ減らしていって、

  • 家族や友人と連絡するため
  • 家族の写真を撮るため
  • 確定申告やネットプリントを行うため

のアイテムになるぐらいまで価値を最小化したい。

 

執筆時はWi-Fi設定をオフにする、というのも習慣づけたい。

やってみて分かったのは、自分がこれまでいかに目の前の作業に集中できていなかったか、ということだ。人間の脳は、やっぱり1度にたくさんのことをできないってことだろう。書くしかできない状況を作り上げたことで、書くにまっすぐ向き合えたように思う。

もっともっと目の前のことに集中したいのならば、デジタルに限らず、作業環境(部屋や机上)のミニマム化も、もっともっと極めていきたいものである。