図らずも“パッキングパーティー”を実践することになった。

パッキングパーティーとは、片付けの方法の一つ。ある一定の期間、全てのものを段ボールや物置などにしまい、必要になったらそこから取り出す、というもの。

パッキングパーティーを知ったのは、ミニマリストTokimaru Tanaka氏のYouTube動画がきっかけ。

全てのものを段ボールや物置などにしまうというパッキングパーティーをやれば、本当に必要なものが何かが一目瞭然だ。

しかしこれまでなかなか実践できなかった。なんせ生活が続いているから。全てのものをしまい、必要なものと向き合うには、日常がやや忙しなかった。

そんな中、図らずもパッキングパーティーを実践することになる。

なんてことはない、ただの引っ越し作業なのだが。

とはいえ、いざ引っ越し先での生活を始めつつ荷解きしてみると、自分に必要なものがどれほど少ないかが理解できた。

 

たとえば服。

まだ1人で立つことも喋ることもできない赤子がいる中、引っ越し業者を使わず夫婦2人で引っ越しを行うことになり、ほぼほぼ毎日、ある程度の重労働もできるような身軽な格好をしている。

下着は毎日替えるが、ロングTシャツは3枚を着回す。パンツは基本1本だが、雨の日に作業をして翌日乾かない可能性を考慮してもう1本用意。靴はスニーカーが2足。夏が近づいてきているので、熱中症予防も兼ねてキャップが1つ。

何度かブログに書き記した通り、洋服は他にもある。新居はクローゼットが広い。だが、少しずつ生活が整ってきた今もなお、上記の服装のままだ。

引っ越しがまだ完全には終わっていない、という事情もあるが、正直、上記の服装のままでいられることが気軽で、身軽で、そのまま他の服を処分してしまうことを検討している。

 

たとえば調理器具。

ほとんどの調理器具が夫のもの(夫が購入を検討し、購入し、使用し、使用頻度が減っても「捨てない」と心に決めているもの)であり、私が処分することはできない。

しかし引っ越し作業が一段落して、自炊ができるようになった今、自分も夫も決まった調理器具しか使っていないことがよく分かる。フライパン、鍋、菜箸、トング。

食器もそうだ。梱包から解いたものの、使っているのは茶碗、スープ皿、取り皿に大皿。

調味料だってそう。夫は食に強い興味があり、使ったことのない調味料があると味見をするために購入するが、ここのところ調理に使っているのは醤油に味噌、塩胡椒に酢、マヨネーズぐらい。

 

服や調理器具はあまり必要ではないのだと実感する一方で、割と量があるけれど、自分が大切にしているものも知った。

それは本だ。

本は重量があるから、引っ越しに備えて早々に段ボールにしまいこみ、さっさと運び込んだものなのだが、早く荷解きしたくてたまらなかった。しまいこんだ後、それを読めない時間が確かに苦痛だった。我慢はできたけど、引っ越したらまず開くんだと心に決めていた。

本をしまった段ボールを開いた時、なんだかとても嬉しかった。

図らずも行われたパッキングパーティーのおかげで、自分が大切にしているものだけに囲まれた生活ができそうだ。