【ムサビ通信学習記録】絵本

f:id:tomu_saito:20220203185326p:plain2020年4月、武蔵野美術大学造形学部通信教育課程に2年次編入

2021年4月より油絵学科絵画コースの専門課程へ進む。 

 

絵本

課題内容は、面接授業、通信授業ともに「絵本の制作」である。これまで受けてきた授業と異なり、面接授業を受けてから通信課題を提出することになる。

面接授業ではテーマが与えらるが、通信課題ではテーマは与えられない。

スクーリング

私は「大きい・小さい」という反対語をテーマにした。アイデアスケッチの時点では、「同じくらいの大きさ」の大きいもの・小さいものから、段々と大きいもの、小さいもののスケールが離れていくような構成だったのだが、先生から「読み“進める”上では、小さいものから大きいものへ変化していく方が読みやすいのでは?」とアドバイスをいただいた。

イデアスケッチでは、2人の主人公がそれぞれ大きいものと小さいものを追求し、最後にはマクロの世界、ミクロの世界が広がる構成だった。

3日間で制作した絵本は主人公が1人になり、その主人公が小さいものから大きいものを追求していく物語となった。

また主人公の造形も、元々は男子・女子といった印象をもたせたくなくて、顔が丸でできた棒人間ライクなキャラクターだったのだが、「顔がないとちょっと怖いかも」という先生のお言葉を聞いて、少年にも少女にも見えるような主人公に変更した。

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表現方法に切り絵を選んだ。

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文字が手書きすぎると手作り感満載になってしまうような気がしたので、絵本に合うと感じたフォントで入力した文章を印刷し、トレーシングペーパーで本紙に写し、それをペンで塗った。

 

通信課題

悩んだのは通信課題である。

WEBシラバスにも、学習指導書にも書かれているが、絵本を制作する前には「既存絵本の研究」が推奨されている。面接課題の前、後と、本屋や図書館へ行って気になる絵本を読んだり買ったりしたのだが、時々見かける「押し付けがましい」絵本が苦手だと気づいた。そういう絵本は作らないようにしたい。じゃあ、どんな本が作れるか……

と、うんうん悩んでいたら、12月になってしまった。課題の最終〆切は2月末である。単位取得が危ない。

自分の興味関心からテーマを導き出したとき、やっぱり興味があるのは「死」だった。しかし色々な捉え方がある上に、生きている人は誰も経験できない死をどうやって表現すればいいのか。そもそも対象年齢はどうする。わかりやすさを重視すべきなのか。

ええいままよ!

決心した私が作った「死」の絵本は、死をどう捉えるかは最終的には読者自身が決める、そんな余韻のあるものになった。

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面接授業で行った手法も取り入れた。気に入ったフォントで文章を書き、トレーシングペーパーで書き写す手法や「切り絵」。新しく取り入れたのは、本の基となる画用紙をさまざまな色で塗ったこと。あまりコントロールできないよう、自由に塗った。

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自由に塗った画用紙同士を組み合わせると不思議な雰囲気になる。問いかけ(絵本の文章)に合うようなイラストを、本紙とは異なる画用紙に載せる。トレーシングペーパーにパステルを塗り付け、細いペンで引っ掻いてイラストを写した。

面接授業後、悩んで悩んで、この作品も含めていくつかの文章、アイデアスケッチを描いては「違う気がする〜」と悶絶して、生み出した作品だったので、“「絵本」の通信課題作品がこの度参考作品に選ばれました”と書かれた紙を受け取った時にはめちゃくちゃ嬉しかった。

悩んだ甲斐があったし、私にとっては、卒業制作に向けての一歩となる重要な作品となった。