作られた背景が見える香水。PEACE BLEND BOXをもっと広めたい。

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香水が好き。

若干感覚過敏なため、いわゆるTHE香水みたいな、鼻にスカーンと刺さるような香りとか複雑すぎる香りは苦手なのだけれども。

そんな中、HEAPS MAGAZINEという素敵なWEBメディアのプレゼント企画で当選した香水『PEACE BLEND BOX』が本当に良くて愛用している。

香りもだが、この香水が素敵なのはそのコンセプトだ

 

 

紛争地帯の農家を救う香水

www.the7virtues.com

カナダ発インディーズ香水ブランド「ザ・セブン・ヴァーチューズ(The 7 Virtues。以下、7V)」が販売する「ピース・パフューム(平和の香水)」

わたしが使っているのは、全7種類の香水のお試しサイズが入った「PEACE BLEND BOX」である。

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(↑)価格は$29。

気品ある香りが特徴的なこの香水が「平和の香水」と呼ばれる所以は、“紛争地帯”や“復興を目指す土地”で採れた原材料を使用しているからだ。紛争や災害に見舞われた地域の小さな農家から、公正な価格で精油を取引している。

 

例えば、「麻薬ではなく香水を(“Perfume Not Poppies”)」という理念のもとで取引されているアフガニスタンの原材料。

HEAPS MAGAZINEの記事によると、アフガニスタンでは、アヘンなど麻薬の材料となるケシの栽培が拡大している。イスラム原理主義組織タリバンもケシビジネスに手を出しており、ケシを育てる農家から"税金"として利益の一部を徴収している。

農家は生計を立てるため、違法なケシ栽培に取り組まざるを得ない。でもタリバンからは利益を搾取される。地道に合法的な花の栽培をしたとしても、麻薬ビジネスの肥大化に押しつぶされる。

その状況を打破するための「麻薬ではなく香水を(“Perfume Not Poppies”)」なのだ。

 

「PEACE BLEND BOX」には、それぞれの香水の名前や香りだけでなく、原材料がどこから来ているのか、どのような背景でつくられているのかが記されている

わたしは使うたび、その背景を思い出し、生き方を考えさせられる。

世界を思いながら使える香水なんて、素敵じゃない?

現代は、色々な商品の裏側が明かされていく時代だ。児童労働とか偽装とか不当な賃金とか動物実験とか、利益を重視しすぎたことで明かされる闇がよく目につく時代である。

今後は7Vの香水のように、「透明性」の高い商品がたくさん登場することを期待する。

 

もちろん香りも最高

社会的な問題を考える機会を与えてくれる香水だが、もちろん「香水」としての価値も高い。香りを言葉で表現する難しさを感じつつ、懸命に言葉にして表してみたので、読んでいただけると幸いだ。

 

ORANGE BLOSSOM from AFGANISTAN

分かりやすい表現をすると、フローラル系の入浴剤。ORANGEとあるが、柑橘系というよりもBLOSSOMが強い。フローラル系ではあるが、日本人に馴染みのあるゆずの香りの入浴剤に近い親しみがあり、穏やかな印象。

冬、コートにこの香りをまとうと、ほっとするかもしれない。

わたしは「お風呂上がりに嗅ぎたい」と思ったので、洗濯したタオルに軽く吹きかけるのを習慣にしている。

 

ROSE AMBER from AFGANISTAN

柔らかなローズの香り。ローズは定番の香りだが、このローズは甘く優しい香りがする。少しバニラっぽい甘みも感じられる。

柔和な雰囲気を出したいときは、これで完璧だ。

わたしの普段の服装は、Tシャツにジーンズ、スウェットにジーンズ、ニットにジーンズとだいぶカジュアルで、厳しい顔して出歩くことが多いため、この柔和な香りを使うことは少ない。

ただ、時々「今日は女になりたい!めっちゃ優しい人になりたい!」という瞬間もあるので、そういうときにROSE AMBERを選ぶことが多い。

 

VETIVER ELEMI from HAITI

南国フルーツの香りがする。フルーツの熟している部分と青々としている部分、両方の香りを合わせもっているので、クラクラするほど甘くはないし、鼻をつくような香りでもない。とにかくバランスが絶妙。

南国フルーツの香りではあるが、ココナッツ系のTHE 南国!な香りではない。とはいえ冬より夏のイメージが思い浮かぶので、冬場の出番は少なめ。

夏、ものすごくラフなファッションに身を包んだや、「海行く!」となったときにつけたい。

 

GRAPEFRUIT LIME from SRAEL/IRAN

名前通りの香りと思いきや、ゆずの入浴剤のような親しみのある香りがする。温泉をイメージした入浴剤が好きな人はきっと好き。嫌みのない爽やかな香り。

一番さりげなく使える香りかもしれない。清潔感を演出したいときにはこれ。

お風呂上がりっぽい香りともいえるので、タオルに吹きかけている。朝シャワー後にこの香水をかけたタオルにあたると、めちゃくちゃ爽やか。

 

PATCHOULI CITRUS from RWANDA

爽やかな香りだが、森林をイメージさせる香りではなく。花というより葉っぱの印象が強い植物の香りがする。

ツンツンした香りが強すぎるわけではないが、アフターノートの中に、いわゆるTHE香水な、鼻の奥に残る香りがあるため、香水のツーンとした香りが苦手な人はやや注意。

少し時間が経ち、鼻につく香りが飛んだあとの香りはとても華やか。

これもよくタオルに吹きかけている。

 

JASMINE NEROLI from INDIA

海外旅行が好きな人なら分かってもらえると思う。異国の空港で味わう、日本にはない香りだ。海外旅行気分が味わえる。

海外のシャンプーやリンス特有の、自分自身の体臭と混ざり合うことでよりいっそう香り立つ、甘ったるくはないけど爽やかすぎるわけでもない香り。

香りの種類をやたら感じる複雑な香水である。

また自分に自信のもった素敵な大人の姿が思い浮かぶ香りでもあるので、「頑張るぞ!」という日はこれをまとう。

 

VANILLA WOODS from MADAGASCAR

バニラの香りだが、「あ、おいしそう」ぐらい軽やかなため、甘ったるさはなく、つけやすい。時間が経つと甘みが増していく。つけはじめは、少しスモーキーな香りもする。

バニラが苦手だったけど、これがきっかけでバニラの香り好きに。

この香水がきっかけで、もう一つ別のバニラの香水を買ってしまったのだが、同じバニラでもまったく違う雰囲気が出るので、香水の奥深さを知ることにもつながった。

冬の寒い時期に甘い香りはとてもよく合う。

 

好きか否かのもっと奥へ

香水もコスメも、消費物も食べ物も、好きか否かを基準に決めること自体は別に悪いことでもなんでもない。

でも、これからは好きか否かのもっと奥を考える場面が増えるのではないだろうか

わたしが生まれた頃に比べれば、原材料の透明度は増している。原材料だけでなく、追おうと思えば、生産過程から追うことができる世の中なのだ。

これからは、その商品ができた背景もどんどん明かされるようになるんじゃないかな。

戦争や災害からの復興を目的としたこの香水が、さまざまな人に知られることを望む

では。

 

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