ハイパーハードボイルドグルメレポート/知らないを知る、生きるを知る。そんな番組。

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出典元:https://www.amazon.co.jp/dp/B07F2DZPZG 

Amazon Primeビデオ、お気に入り作品レビュー第1弾

 

 

はじめに

Amazon Primeに入っている。

Amazonで画材を購入することが多かった時期があって、配送日時を決められたりして便利ーと思い加入。が、今の今まで、いわゆる会員特典を活用できていなかった

そんなわたしだったが、ここ最近、Amazon Primeビデオにハマっている。月500円でまあまあな映画作品、バラエティ作品が視聴できる。Prime限定配信のドラマにもいくつか面白いものがある(今後レビューする)。ハマるものがたくさんあるなら、月500円は安いものだ。

んで、「へー。Amazon Primeビデオ面白いじゃーん」と知ってすぐ、アホみたいにハマり、割と一気見してしまったのが『ハイパーハードボイルドグルメレポート』だ

 

ハイパーハードボイルドグルメレポート

www.tv-tokyo.co.jp

概要

食うことすなわち生きること。
食の現場に全てが凝縮されている。
これは、ヤバい人たちのヤバい飯を通して、
ヤバい世界のリアルを見る番組。
過去放送内容1 (2017年10月3日・10日(火)放送分)

"ヤバい人"呼ばわりされている彼らから見れば、ただ「そこ」で生きているだけなのに自分たちを"ヤバい人"呼ばわりしてくる視聴者のほうが"ヤバい人"なのかもなー、なんてことを思ったりもしたが・・・。

確かに、平和な日本で暮らしている身からすれば、このグルメ番組に登場する人々は「自分たちとはまったく違う人」なのは事実だ。

ただ、OPクレジットにもあるように、この番組はまごうことなき「グルメ番組」であり、ちゃーんと美味しそうな食事が出てくるので、「生きるっていいな!」と、わたしなんかは思ってしまうのだ。

 

魅力①知らない世界を知れる

先でもって書いた通り、登場する人々を"ヤバい人"呼ばわりするのは失礼だよなあ…なんて考えつつ、しかし、「自分たちとはまったく違う人」の生活を知ることができるのは本当に貴重で、ありがたい。

『ハイパーハードボイルドグルメレポート』で登場する人々は、

  • 元人食い兵士
  • 台湾マフィア
  • アメリカのギャング
  • カルト宗教団体
  • 難民
  • 火葬場で働く人々
  • 出所者

などなど。

いわゆる「普通」の生活をしていたら、一切関わることのなさそうな人の食事が映し出されるので、彼らがどんなことを思いながら生活しているのかが知れて面白い。

ディレクターによる体当たり取材は、ハラハラさせられる出来事も度々起こるので、途中何度も「グルメ番組」であることを忘れるが、その生々しさが「どんな人も生活しているんだな」「どんな人も今を生きてるんだな」と感じさせてくれる。

ほんと、生々しさがとてつもない番組である。

 

魅力②ちゃんとグルメレポート

「グルメ番組」である『ハイパーハードボイルドグルメレポート』は、ディレクターが彼らの食事を撮った後、しっかりと実食するのがいい。

いわゆるグルメレポーターとは違い、一切大げさな反応をしない姿に好感がもてる。ディレクターの「あ、おいしい」というボソッとしたコメントは、どのグルメレポーターのコメントよりも美味しそうに感じる。

多分、対等だからだと思う。

この番組を制作した人の純粋な好奇心というか、「なに食べてるか知りたい」という欲だけで、彼らと対峙しているから好感が持てるんだと思う。

彼らとディレクターが発する「おいしい」という一言からは、その言葉が本来もつ重さを感じられる

確かに具体的なレポートも重要だ。グルメレポーターが食感や味わい、香りなどを的確に伝えることで、視聴者はそれを想像し、追体験することができる。グルメレポーターのおかげで「実際に食べたい」欲がくすぐられれば、視聴者はその店に足を運ぶだろうし。

ただし、この番組において最上級の表現は「おいしい」の一言だし、人によっては「無言」だ。具体的な表現はいらない。それがすごいなって。

 

魅力③食べる=生きるを知れる

わたしはこの番組の食べるシーンが好きだ。いや「好き」という表現は少し間違っているかもしれない。食べるシーンでは、登場する人々が黙々と食事するシーンが映し出される。ほんと、ただ、淡々と。

おいしそうな顔で食べる人もいれば、食べることに必死な空気を醸し出す人もいる。食事が楽しみな人もいれば、「食べなきゃ死ぬ」を感じながら食べる人もいる、ということだ。

日本にいると、確かに時々、食べられずに死んだ人のニュースなども報道されたりするけれど、基本的には、日本は「当たり前のように食事がとれる国」だと思う。2月の恵方巻きでおなじみの食品廃棄物の話を挙げれば、平気でもったいないことができるほど、豊かな国なのだと思う。

『ハイパーハードボイルドグルメレポート』の食事シーンからは、日本のような豊かさは感じられない。Amazon Primeビデオで配信されている回のほとんどが、「食べなきゃ死ぬ」リアルを伝えてくれる

だから、好きな番組ではあるのだが、「好き」と軽率に言えない感じだ。これは「観なきゃいけない」番組なのだろう。

 

観れる人は観て

全話観終えた後、世界にぶん殴られたような気分になった

知らないを知り、生きるを知った

なお本作に「出演者」として参加している小籔千豊さんのコメントがいい。

この番組は見た方がええけど、見ない方がええ気がする。でも、今の社会とか、今置かれてる状況に不満がある人はこれ見てみてください。あなたの持っている悩みはどんな悩みかわかりませんが、9割以上の悩みが吹き飛ぶと思います。

引用元:小藪千豊、『ヤバい飯』で人生観見つめ直す 話題の特番第3弾放送 | マイナビニュース

"見た方がええけど、見ない方がええ気がする"は本当だと思う。

これを観ることで落ち込む人もいるだろう。だけど、観れる人は観てほしい。もし、「わたし、今生きてないな」みたいな感覚がある人は、落ち込む確率は高いけど観てほしい。目を背けずに。

 

リアルタイムでこの番組を味わうことができなかったけど、観れてよかったあ…。

では。

 

◆本日のおすすめ◆

Amazon Primeビデオ以外に、HuluやNetflixでも配信されているようです!