『トイ・ストーリー4』ウッディの選択、わたしは好きだ。

トイ・ストーリー4 ビジュアルガイド

※この記事を書くにあたり、ネタバレは避けられない。ネタバレNGな人はこの先を読まずに映画館へ行ってほしい。

 

 

わたしは「賛」である

ディズニートイストーリー4 アクリルキーホルダー ウッディ&バズ

トイ・ストーリー4』を観てきた。

その結末には賛否両論あるらしいが、わたしは「賛」である

めっちゃくちゃボロ泣きした前作トイ・ストーリー3よりも「泣かせるつもりで描いていない」点に好感が持てた。それから、ウッディが「ただ1人のおもちゃ」から「みんなのおもちゃ」になったのがなんだか嬉しかった

 

あらすじ

おもちゃにとって大切なことは子供のそばにいること”―― 新たな持ち主ボニーを見守るウッディ、バズら仲間たちの前に現れたのは、彼女の一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。しかし、彼は自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会いを果たす。

引用元:作品・キャスト情報|トイ・ストーリー4|ディズニー公式

“おもちゃにとって大切なことは子供のそばにいること”。今作は、このキーワードがとても重要な役割を果たす。

 

ウッディの選択

ディズニー ピクサー トイ・ストーリー4 アクリルキーホルダー ウッディ&フォーキー APDS4255

結末に触れてしまうが、ウッディはボニーが作った手作りおもちゃフォーキーと、かつての仲間ボーとの出会いにより、「ボニーのおもちゃ」から「子供のおもちゃ」になることを決断する。

トイ・ストーリー』シリーズを共に歩んだ仲間たちと別れる選択をするため、なかなか衝撃的な結末だと捉えた人も多いことだろう。

だが今作の冒頭を思い出してほしい。ウッディは今の持ち主・ボニーに飽きられていたのだ。前作では、ウッディがボニーと出会ったことで、かつての持ち主・アンディからボニーへとおもちゃたちが引き継がれた。しかしボニーはもうウッディで遊ばなくなっていた。

それでもウッディは、持ち主であるボニーのために奮闘する。しかし劇中でウッディが「ボニーのために」と発するたび、とても虚しい気持ちになった。どんなにウッディが奮闘しても、彼女の目にウッディは映っていない。

ウッディ「以外の」おもちゃと、手作りおもちゃフォーキーに夢中で、彼女の頭の中にウッディの存在は「いない」のだ。ウッディはそれをわかっていて、それでもボニーのために奮闘する。それが見ていて絶妙に痛々しく、つらい。

終盤、バズたちは、ボーと共に外の世界へ行くか迷うウッディに「彼女は大丈夫だ」と声をかけた。「ボニーは大丈夫だ」と。それを聞いたウッディはホッとした表情を浮かべ、先に外の世界を歩み始めていたボーと共に行動することになる。

別れの選択肢に「ええ?!なんで?!」となった観客も多いだろうが、ウッディの背中を押したのは紛れもなく彼の仲間である。そして、彼らはいつか自分たちにも訪れる「飽き」を覚悟したうえで、ウッディの背中を押したはずだ

そうなったとしても、彼らは「子供のおもちゃ」であり続ける。

持ち主に固執するのではなく、彼らを手にとってくれた子供たちのそばにいること、それが一番大切なおもちゃの役割だと彼らは理解している

トイ・ストーリー』シリーズの中で、もっともビターエンドな気がしないこともない。今までのストーリーは全部、ウッディが子供のもとへ戻ってくるのが結末だったから。

でも、わたしはそんな今までの結末からウッディが「解放」されたのだと思った。

もちろん、この作品が描かれた「時代」も、この結末に影響しているとは思う。事あるごとに「アンディが」「ボニーが」と発していた彼が、自分の気持ちに従って行動するという結末。この展開ってまあまあ大人向けなんじゃないだろうか。

しかし、知っての通り、ウッディは「子供みんなのおもちゃ」である

わたしはこの結末が間違っているとは思わない。「おもちゃを必要とする誰かに届けばそれでいいじゃない」と。

 

子供の悪気のない残酷さがよかった

ディズニー ピクサー トイ・ストーリー4 アクリルキーホルダー ギャビー・ギャビー APDS4246

おもちゃで遊ぶ子供たちの「悪気のない残酷さ」もいい。

例えば先でも書いた通り、ボニーはウッディの存在を忘れ始めていた。たくさんのおもちゃを愛するボニーであっても、お気に入りじゃないおもちゃがある。

冒頭、ボニーの母親が掃除するためにクローゼットへ押し込まれたおもちゃたち。掃除が終わり、遊びに来たボニーはクローゼットからおもちゃを取り出すが、いくつかのおもちゃはクローゼットに押し込まれたままだ。押し込まれてしまったのはウッディだけでない。昔からボニーの家にいたおもちゃたちの一部も、存在を忘れられている。

要するに「飽きた」と。

「ギャビー・ギャビー」に対する子供の残酷さもいい。

ギャビー・ギャビーは、発声器が壊れているという理由で子供に遊ばれることなくアンティークショップに置かれることになった。

ウッディの背中についた発声器を執拗に欲しがる姿はヒール役のように描かれるのだが、彼女の思いは「子供に遊んでほしい」、ただそれだけだった。

「自分が不良品だから子供に遊んでもらえない」と思っているギャビー・ギャビーは、ウッディから発声器を譲り受け、いつもアンティークショップに来ている女の子に遊んでもらおうとアクションを起こす。

しかし、その女の子の反応は「古いから要らない」だった。

子供にはおもちゃの気持ちなんてわからない(そもそも現実世界では、おもちゃに気持ちなんてないのが前提だが)。「古いから要らない」も悪気はない。ボニーがウッディに興味を示さなくなったのも、別に悪気があってのことじゃない。

子供は素直だ。素直で残酷だ。ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめることもあれば、乱暴に投げつけたり、引っ張ったりすることもあるだろう。もちろん、ディズニー作品にそのような暴力描写が描かれることはないが、子供の「悪気のない残酷さ」がごく当たり前に描かれているのがよかった。

だからこそ、必要とするタイミングでギャビー・ギャビーと出会った子供が、彼女をぎゅっと抱きしめるシーンが心にくるんだろうな。

 

実は・・・3より好き。

ディズニー ピクサー トイ・ストーリー4 アクリルキーホルダー ダッキー&バニー APDS4251

元々『トイ・ストーリー4』に対しては、「シリーズ4作目?!そんなにシリーズ続けたら、さすがにダレない?!」なんて思ってた。映画を観る前も、事前にストーリーを予想したり、把握することもしなかった(というか、できなかった)。

期待薄、でもディズニーだから絶対面白くするやろーという安心感のもとで観た。

そしたら、トイ・ストーリー3』より好きだった

多分、わかりやすくウッディたちを窮地に追い込むキャラクターがいなかったのが良かったのかも。

今まで登場してきたヒール役は背景が切ないものの、結構こなくそにいじめてきたりしたじゃない。ギャビー・ギャビーはそんな彼らとは一味違ったもんなあ。・・・わたしがただのギャビー・ギャビー好きだからかも知れんけど!

 

とにかく、わたしは「賛」だった。

そして鑑賞後、自宅にあるぬいぐるみたちを愛でに愛でまくったのは言うまでもない

では。

 

◆本日のおすすめ◆

まーしかし、劇中でこいつらずっと可愛かったよね!!!