2019年4月3日(水)〜5日(金)に『クリエイターEXPO』が開催された。
クリエイターEXPOとは、イラスト・映像・サウンドなどをつくるクリエイターのための大規模な商談会。デザインフェスタなどのアートイベントとは違い、己の作品を企業やブランドに対して売り込む会なのだ!
そんなクリエイターEXPOへの初出展について書いたシリーズが、この『クリエイターEXPO初出展への道』。最終回は出展したからこそ学んだ反省点について書く。
“成功”のためにはどうすべきだったのか。
クリエイターEXPO出展後に思ったこと
コスパは目的によりけり
まず『クリエイターEXPO初出展への道』で何度も登場している出展料の話をする。早割などさまざまな割引制度もあるようだが、出展には11万円〜14万円かかる。これを高いと感じるか安いと感じるかは、出展する目的で変わるだろう。
例えば、クリエイターEXPOへの参加を「商業目的の宣伝のため」と捉えるのであれば、決して高い金額ではないと考えている。
積極的に企業へアピールし、仕事を得ることができれば、元を取ることはできるはずだ。
ただし今回出展したわたしのように「わたしの絵って需要あんのかな〜」みたいな、モヤモヤした目的で出展すると14万円は高く感じるだろう。
「高い!!!けど、わたしは絶対出展料分の仕事をするんだい!!!」ぐらいの気合が入った人なら、そして仕事を見事得ることができれば、コスパはいいはず。
でも「とりあえず出たれ」という“勢いだけ”で何もアピールしないと、金銭的に痛い目を見るかもね。
文字で伝えるレイアウトにすべき
今回の出展で周りの出展者さんの商談の様子を観察していたのだけれど、商談席に人がよく座っている出展者さんのブースレイアウトに特徴があった。
その人のブースは、その人が何をできるかがアピールされているブースだった。作品よりも「〇〇ができます!」という文字がデカデカとレイアウトされていたのだ。
また、あるブースには
作風などのご相談・お見積もりお受けします
とも掲げられていた。
どんな作品を描いているかというアピールより、何ができるかの方が重要なのだと知った。
わたしが出展したブースは「アートゾーン」なので、ここまで柔軟なアピールをしている人は多くなかった。だが企業からして見れば、さまざまな要望に柔軟に対応できるアーティストの方が魅力的に映るのかもしれない。
価格を伝えるのも◎
先で紹介した通り、企業から見れば「何ができるか」の方が重要なのだと知った。
だから、あなたが仕事を得るためにクリエイターEXPOに出展するのであれば、レイアウトや通りかかる人に配るチラシに商品価格を表記してもいいかもしれない。「カラーイラスト(5cm×5cm):3,000円〜」みたいな。
ジャンルを絞りすぎないのも◎
今回わたしは「明るい内臓描きます」というポスターを掲げて参戦した。足を運んでくれたお客様には「ジャンル、思い切ったね」「ジャンル絞り過ぎでは?」という言葉をもらった。
個人的には、今回の出展で自分が思った以上に内臓しか描きたくないということがわかったので、ジャンルを絞ったことに後悔はない。
だが、「とにかく仕事が欲しい!」のであればジャンルを絞りすぎない方がいいかもしれない。
2日目に夫がブースに遊びに来てくれたとき、ある作家さんの作品を紹介してくれた。その人は全く同じテイストで違うイラストを描くことができる人だった。ほんわかとした色彩で、動物も人も食べ物も、その人らしさを出したまま描ける。
「これしか描けません」という人より「なんでも(同じテイストで)描けますよ!」という人の方が仕事しやすいことだろう。
“成功”は人それぞれ違うけれど
最終回のタイトルに「成功のためにはどうすべきだったか」と書いた。しかしクリエイターEXPOでの“成功”の定義は人それぞれ違う。だが“成功”か否かをわかりやすくする定義として、
- 手応えがあったか
- 仕事を得ることができたか
などが挙げられるはずだ。
わたしは今回の出展に後悔はない。
でも、いわゆる“成功”からは程遠い。
クリエイターEXPO出展がきっかけで仕事が得たい人には、わたしの出展は失敗例として、
- コスパは目的によりけり
- 文字で伝えるレイアウトにすべき
- 価格を伝えるのも◎
- ジャンルを絞りすぎないのも◎
を参考にしていただけると幸いだ。
でもね、とっても楽しかったよ。
デザインフェスタとは違う雰囲気がある会場で、たくさんのアーティストさん、企業の皆様とお会いすることができた。これはもう本当に貴重な体験だった。
興味がある人はぜひ参加してみてほしい。
では。
◆本日のおすすめ◆
フリーのイラストレーター・高田ゲンキさんの本。クリエイターEXPOに限らず、自分を売り込む参考になるよ!