一部ネタバレあり。
今作をまだ観ていない人に向けて、「あ、やっぱ観てみようかな」と思えるようなレビューを目指しているが、鑑賞後感じた魅力を伝えるために一部ネタバレがある。
「映画鑑賞前のネタバレ絶対NG」な人は、映画鑑賞後にぜひお越しを。
『エイリアンVSプレデター』感想
2018年10月現在、公開中の映画『ザ・プレデター』。先日鑑賞したのだが、これを見てしまうと過去の『プレデター』シリーズを観返したくなるものである。
そして今回紹介する『エイリアンVSプレデター』は、初作『プレデター』より好きな作品だ。
あらすじ
人工衛星がある日、南極大陸で異常な熱の放射を観測した。解析した結果、南極大陸の氷の下600メートルに巨大な建造物が眠っていることが分かった。実業家ウェイランドは、世界中から考古学者や科学者らを集め、女性冒険家レックスにガイドを頼み、謎の熱源へと向かう。そして彼等が発見したものは、様々な古代文明の特徴が混在するピラミッドだった。
だが、世紀の発見に喜ぶのも束の間、彼等は恐ろしい事態に直面することとなる。そこはプレデターがエイリアンと戦い、戦士としての試練を受ける"儀式"の場所だったのだ。探険チームは、エイリアンとプレデターによる想像を絶する殺戮の真っ只中に、誤って足を踏み入れてしまったのだ。死闘が繰り広げられる中、果たしてレックスたち人類に助かる道はあるのか……。
製作は2004年。
もうそんな昔の映画なんだなあ・・・。
巻き込まれるだけの人類に笑う
この映画一番の面白さは、エイリアンとプレデターという大人気モンスターが暴れまくるところにある。
が、人類が巻き込まれるだけの姿にも注目してほしい。
決してコメディではないのだが、観れば観るほどその巻き込まれっぷりに笑う。
プレデターが戦士としての試練を受ける”儀式”の場に足を突っ込んでしまった人類は、なす術もない。エイリアンには喰い殺され、プレデターには武器を向けたがゆえに狩りの対象となり、でも謎の熱源は解明しなくちゃならない。
踏んだり蹴ったりである。
だが、この良いことがひとつもない巻き込まれ具合が、まるで自分も巻き込まれているかのような没入感を生み出しているのであれば、パニック映画としては上質だと思う。
パニック映画はやっぱり、自分も巻き込まれてる感があってナンボだと思う。
また『エイリアンVSプレデター』の感想をブログに書き記している人の中に、「よそでやれ!」という秀逸なタイトルをつけている人がいた。感動した。おそらく『エイリアンVSプレデター』を鑑賞したことのある人は同じことを言うはずだ。
よそでやれ、と。
▶︎「エイリアンVSプレデター ネタバレと感想 よそでやれ!」
武士かよ。
また今作は、プレデターのキャラクター設定がより明確なものになっている。
プレデターは丸腰相手に敵意を向けることはない。(向こうの流儀にとって)無駄な殺生は好まないため、敵意がないことをしっかりと証明できれば、人を狩ることはないようだ。武器を向けなかった探検家の2人には攻撃を加えない。
物語終盤、プレデターは探検家のアレクサを戦士として認め、エイリアンと共闘する。共闘後、仲間のプレデターが船に乗ってやってきて、アレクサは正式にプレデターから戦士と認められ、プレデターの武器である槍を手渡される・・・。
武士かよ。
元々、プレデターはどことなく武士っぽさの漂うキャラクターではあった。目に入った動くもの全てを殺す・・・なんてキャラクターでは全くもってない。
戦いに真摯な生き物、それがプレデターだ。
「女子供は殺さぬ、おぬしが武器を解くというならば、わたしも武器を下ろそう・・・素手で勝負じゃ!!!」というキャラクター像がもっともわかりやすい今作。なんなら、時代劇的な字幕を載せても違和感がなさそう。
共に戦ったアレクサと心が通う(?)シーンにおいては、ちょっと感動するから腹立たしい(褒めてる)。
品がなくなったよ。
一方、プレデターとバトルを繰り広げるエイリアンの方は初作『エイリアン』に比べると、ちょっと頭が悪くなったというか、狡猾さが減ったというか、品がなくなってしまった。
じわじわと人類を追い詰めていく姿と、ようやっと姿を表したときにゾッとするビジュアルこそ『エイリアン』の魅力だと感じていたのだが、今作では終始シャーシャー言っていて騒がしい生き物だ。
なりふり構わず襲いかかるエイリアン。
初作のあなたから感じられた品はどこへ行ったの?!
〇〇VS〇〇の中では一番観やすい映画
『エイリアンVSプレデター』のみならず、VS映画は数多く存在する。
とはいえ代表的なもので挙げられるのは『フレディVSジェイソン』『カウボーイVSエイリアン』ぐらいなのだが。
が、この手の映画で一番観やすいのは今作だろう。
起承転結がしっかりしているし、緩急も申し分ない。映画館で座席に座り、ポップコーンを食べながら観る映画に適していると感じた。
適していない映画の場合には、座席に座ってられない。テレビで映像を流し、ポテチ片手ならまだいい方で、スマホ片手に観る映画はもっとも適していないと呼んでいる。
『エイリアンVSプレデター』は全然適している。
”映画館”映画だ。
もちろん映画館での上映はすでに終わっているため、観るとしたらご家庭で観る以外に方法はない。が、”映画館”映画を自宅で観るときには「人目を気にせず大はしゃぎできる」という利点がある。
今作は、ワイワイキャーキャーはしゃぐことができる映画だ。お家で映画を流しながら、みんなではしゃぎたい人にはおすすめ。
パーティー映画だね。
では。
◆本日のおすすめ◆
観る余裕があれば、エイリアンとプレデター、個々の活躍も観ておこう!