『プレデター(1987年版)』/シュワちゃんVSプレちゃん以上に目立つ男の存在を知っているか

聞くところによると、2018年9月公開中の映画『ザ・プレデター』の評判が「最低で最高」らしい。それってめちゃくちゃ褒め言葉なんじゃない?!と考えているわたし。そんな折、そんな評判を教えてくれた夫が言った。

 

「まずはかほちゃんにプレデター(1987年版)』を観せたい」

 

※一部ネタバレあり

 

 

プレデター(1987年版)

プレデター(字幕版)

概要

屈強な軍人 "ダッチ"(アーノルド・シュワルツェネッガー)率いる特殊部隊が、中央アメリカの架空の国バル・ベルデでゲリラたちの手から捕虜を救出する任務に就いた後、正体不明の高度な技術を持つ地球外生命体・プレデターに狙われるという物語である。

引用元:プレデター (映画) - Wikipedia

物語中盤までは、プレちゃんの登場はほとんどない。「エイリアン」同様、シリーズ1作目は映画終盤まで姿を現さないってのが良いのだ。映画序盤は、捕虜を救出する特殊部隊の緊迫した様子が映し出される。まあ・・・あんま緊迫しては見えないんだけど。

 

シュワちゃんVSプレちゃん以上に目立つ男

理解している人のほうが多いと思うが、シュワちゃんとはアーノルド・シュワルツェネッガーのことである。プレちゃんは、プレデターのことね。

鑑賞するまで、てっきり「シュワちゃん大活躍映画」なのだと思っていた。いや、実際、シュワちゃんが主役だし、映画終盤はシュワちゃんVSプレちゃんなのだから、シュワちゃん大活躍映画であることに間違いはない・・・はずだ。

しかしシュワちゃんよりも、プレちゃんよりも、存在感のある男がいる

漢の中の漢、ビリーである。

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出典元:映画「プレデター」でビリー役でを演じた、ランダムさんが死去…特殊コマンド部隊の1人! : 軍事・ミリタリー速報☆彡

出典元の情報で知ったが、ビリー役を演じたソニー・ランダムはすでに亡くなっている。残念すぎる。正直「プレデター(1987年版)」を観た人なら共有できると思う。プレちゃん以上に魅力的なキャラクターだということを。

寡黙なネイティブアメリカン・ビリー。ことあるごとに野生の勘を発揮し、危険を回避。プレちゃんの罠をかいくぐっていく。映画中盤に近づくにつれて、特殊部隊の全員が「ビリーの勘」頼りになる。・・・いやいや、あなたがた特殊部隊でしょ!!!

そして、わたしが「あれ?これシュワちゃんが主役じゃないの?」と疑ってしまった理由なのだが、ビリーが映し出されるシーンが異様に多いのだ。下手すると、シュワちゃんよりも美しい画角におさめられている。

気づくと、シュワちゃんが銃を構えるシーンなんかより、ビリーの緊迫した表情のアップを追い求めている自分がいる。もっとビリーを見せろ!ビリーが見たいんじゃ!!!

 

もしまだ「プレデター(1987年版)」を観ていないのであれば、しのごの言わずにビリーを観てほしい(あれ?)。

 

プレちゃんに怯える人々の演出が良い

わたしをビリーの世界に引きずり込んでくれた夫がしきりに褒めていた点についても挙げたい。夫が「おお・・・良い演出だあ」と声を漏らしていたのが、姿の見えないプレデターに怯える特殊部隊の面々の演出だ。

特殊部隊は当初、捕虜を襲ったのがゲリラだと思い込んでいたため気丈に振舞っているのだが、徐々に姿の見えないプレちゃんを認識し始め、その得体の知れなさに怯えるようになる。

ある演出。待機中に髭剃りを顔に当てる隊員。緊迫した空気の中で、彼の髭剃りを当てる力が強くなる。頰に血が滲み始め、髭剃りの頭の部分がその力のせいで折れてしまう。しかし彼の目線は姿の見えない敵に怯え、1点を見つめたままだ。

ある演出。見えない敵を追いかける隊員。もう1人の隊員と共にプレちゃんを追いかけているのだが、途中ではぐれてしまう。彼を呼ぶ声やジャングルの音が彼の周囲を覆い、立ちすくむ彼は目玉以外動かせなくなってしまう。

 

過度な音響も息が荒くなるような演出もなく、ただ目をカッと開き身動きが取れなくなる男たちの姿は、下手なホラー映画より緊迫した空気が伝わってくる

 

プレちゃんの流儀がかっこいい

ちなみに私事ではあるが、わたしがはじめてプレちゃんを知ったのは『エイリアンVSプレデター』である。この映画は「エイリアン」「プレデター」が初見の人でもわかりやすいように、彼らの性質を説明してくれる。素晴らしい1作。

それを鑑賞していたゆえ、今作を鑑賞する前からプレちゃんの流儀には惚れ惚れとしていた

プレちゃんは超・武士である

彼は強いものを狙って狩りを行う。が、

  • 丸腰な人は狙わない
  • 武器を持つものには武器で対抗
  • 素手で戦う相手には素手で対抗

と、絶対に卑怯な勝ち方はしないのだ。しかも基本1対1のタイマン。映画終盤、シュワちゃんVSプレちゃんが繰り広げられる時、シュワちゃんが武器を手にしていないと見るや否や、着込んでいた鎧を脱ぎ、あのグロテスクな顔を剥き出しにして戦うのだ。

「お前が素手なら、こっちも素手じゃ・・・」

えええー!かっこいいんですけどー!!!

とはいえ、まあ、映画ラストでは勝ったシュワちゃんを巻き込んで自爆しようとする時点でちょっと株が下がるのだが、それでも武士道っぽさ溢れるクリーチャーってめっちゃ貴重だと思う。エンターテイナーと化したジェイソン※より全然かっこいい。

 

※エンターテイナーと化したジェイソンに関する記事はこちら

 

プレちゃんは人気者

キャラクター造形や、残虐性でいえば、エイリアンのほうがキャッチーで人気者だとは思うが、プレちゃんはそれでも人気者だと思う。でなければ、再びこの時代になって『ザ・プレデター』が公開されることもなかっただろう。 

シュワちゃんが泥をまとっただけで、姿を見失っちゃうお茶目なプレちゃんが、きっとみんな大好きだ。

ザ・プレデター』観ないとね。

では。

 

◆本日のおすすめ◆

わたしが好きなプレちゃんはこれ。