こんにちは、齋藤吐夢です。
Yさん(夫)と出会うまでは、「経済?なにそれ、おいしいの?」ってなぐらい、お金の流れや社会の流れに興味のなかった私。
しかしYさんが「めっちゃくちゃ面白いよ!」と絶賛する本『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』を読んで一変しました。
ざっくりとした概要
人は、なぜそれを買うのか。安いから、質がいいから。そんなまっとうな理由だけで、人は行動しない。そこには、より人間的で、深い原理が横たわっている。この本には、その原理が描かれている。漫画という娯楽の形を借りながら。
ここで書かれている”より人間的で”ってのが良い。読んでいると、ヒトの行動ってのはしょうもなくて、情けなくて、愛おしく感じてしまう。結構単純なんだな、って思う。
ちなみに「行動経済学」そのものについては、
行動経済学とは、従来の経済学では説明しきれない人間の経済行動を人間の心理という視点から解明しようとする新しい経済学です。
とあります。
ヒトの行動・心理が丸わかり
コミカルなイラストで「行動経済学」が描かれているので、はじめは「愉快な漫画作品なんだろうな・・・」ぐらいの気持ちで読んでました。
ただ!読んでみて驚いた。
行動・心理、その理由が丸わかり。
それはもう恥ずかしいぐらい丸わかりです。
もちろん中には、本を読む前から知っていた事例もあった。だけどね、某教育塾のCMではありませんが「分かったつもりでも、説明するのは難しい」。知っていた事例だけど「そういえば何で?」がコミカルな漫画です〜っと解決。
これを読んだら、きっとあなたも、自分の行動・心理を説明できるようになっちゃう。
売上直結?!行動の不思議
誰しもが経験したことがあるであろう「行動経済学」の効果を2つ紹介します。
それは
- フレーミング効果
- おとり効果
です。
馴染みがないと「何だ、その呪文みたいな効果は」ってなると思うんですが、
- 枠組みを変えると価値が変わる
- 選択肢を生み出すことで市民権を得る
と書くと・・・どうでしょう。まだまだピンときませんよね笑。
フレーミング効果は、ネガティブな情報をポジティブな情報に変えることで、同じ情報にも関わらず印象が変わってしまうことをさします。
例えば私のがんの話。私の罹ったがんは「生存率50%」です。診断から一定期間後に生存している確率を表したもの。ここで、
- 亡くなる率50%
- 生きてる率50%
と捉えるの、どちらのほうがポジティブに感じます?・・・つったって情報は一緒なんですけどね笑。
漫画ではもっとわかりやすく「死亡率20%の手術」を「成功率80%の手術」に言い換えることで、手術を受ける人の気持ちをポジティブに保ちました。情報は一緒なのに。
おとり効果は、「欲しいんだけど買う決心に至らない」商品を買ってもらうために、1種類の商品を群にすることで選択の幅を広げ、「買う・買わない」ではなく「どちらを買うか」という対象に変化させること。
買ってほしい商品の上位機種を販売しただけで、買ってほしい”通常タイプ”が売れるという不思議。面白くないですか?!
お金の価値観、どう生まれる?
そしてまあ、読んでいて思うのが「お金の価値観って何だろう」って話ですよ。
本書34ページに書かれている「メンタル・アカウンティング」という章では、「お金の価格だけで見たときの価値は同じか、それ以下なのに、状況によって価値が変動する面白さ」が描かれています。
私たちは無意識のうちに、入手方法や状況に応じて本来の金銭的感覚とは異なる独自の優先順位を付けることがあります。
このような心の動きを、行動経済学では「心の会計(メンタル・アカウンティング)」と呼んでいます。
いや、これ本当に不思議。
でもこの面白さを知ると、ますます「お金は目的ではなく、手段でしかない」ことを思い知らされるというか。お金って人が価値を決めただけの危うい存在なんだなって思う。
ヘンテコだけど真理をついてる
漫画で描かれている分、誰かと一緒に読みながら「自分だったらどう思う」という議論を楽しむのも楽しい。漫画として「え〜、こんな風に思います〜?!ウケるwww」ってヘンテコ加減を笑うのもありだろうな。
ただね、ヘンテコだけどものすごく真理をついてくる。
笑えるストーリー展開だけど、お金との向き合い方を考えさせられる本です。
私は「お金に強くなりたい」「経済についてもっと勉強したい」って人には、下手な貯金本や投資本を読むことより『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』を勧める。この本の方が「お金との向き合い方」を思い知らされて、経済と仲良くなれると思ってるから。
な〜んてちょっとお堅いこと言ってみたつもりだけど、読み物として普通に面白いので、是非に。
では。
◆本日の一冊◆