芸術・美術が好きな理由を伝えたい。少年という題材に向き合う人に出会って感じたこと。

こんにちは、齋藤吐夢です。

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四谷にあるアートコンプレックスセンターにて、10月3日〜10月8日に開催されていた個展『あの子は玉子焼きが好きそうに見える?』を見てきて感じたことを描きます。

 

芸術は「役に立つか否か」という利便性で見れば、その優先順位は低いかもしれない。

 

それでも私は芸術や美術が大好きだし、その理由を伝えたい。

 

 

見て来た個展について

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写真は、展示されていた作品の中で私が目を惹かれた作品のひとつです。

 

左の青年のお腹や、右の青年の背中や太ももを描くのが一番楽しかったんじゃないかな〜なんて思ったりして、とても好きだった。

 

子之籏さんという人

実はこのブログでも、1度彼が主催した企画展のレビュー記事を書いています。

 

www.tomutomu-corp.com

 

人間の表情や少年をテーマに描き続けている作家さんであり、1度見たら忘れられない独特な魅力があります。

 

私はずっと絵画作成をしている人だと思っていたのですが、元々はメディアアート専攻(映像系)だったそうで。

 

初期作品のポートフォリオも拝見させていただきましたが、全く作風が違った笑。

 

彼の描く題材

彼の描く題材は”少年”です。

 

来場された方の1人が「少年が描きたいんですか?青年が描きたいんですか?」という質問を投げかけていた通り、作品の中には青年もいますが、あくまでも”少年”。

 

純粋でバカでまっすぐな”少年”の特徴を捉えた絵がいっぱいあります。

 

以前ツイッターで、

絵画作品は、女子モチーフより男子モチーフの方が売れない(と私は思う)からこそ、敢えて描いてるんだった

とつぶやかれていたのを見て、純粋に少年という題材に向き合っているだけでなく、1つの問題提起として作品を描かれているようで、すごいな〜と純粋に思いました。

 

圧倒される”純粋さ”

彼の絵柄は、もしかしたら漫画的と言われるのかもしれない。だから作風がニガテな人ももちろんいると思う。だけど、やっぱり私は毎回圧倒される。

 

すげえな、この人って思う。

 

タイトル含めて、展示されている絵が、絵の中にいる少年がこっちを全力で見つめてくるのだもの。めっちゃ生き生きとしている。それがすごいと思った。

 

とにかくパワフル

 

絵から漂ってくる純粋さに圧倒される。

 

子之籏さんは次回デザインフェスタvol.46に出展なさるとのこと。気になる方はぜひ彼の作品やツイッター等の情報をチェックしてみてくださいね!

 

子之籏/デザフェスvol.46 (@nenhta) | Twitter

 

真摯に芸術に向き合う姿が素敵な人ですよ。

 

芸術・美術が好きな理由

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それで、彼の個展を見に行ったことで、よりいっそう芸術・美術が好きな理由を伝えたいと思った。

 

芸術・美術はどうしても後回しにされがちだ(と私は思う)。

 

教育においても、そのものの価値においても。別に便利なわけではないし、直接的に役立つ道具でもない。

 

それでも私は芸術・美術が好きで、関わることでそれらを存続させたいと願ってしまうのです。

 

心を揺さぶる衝撃

とにかく芸術・美術には、心を揺さぶる衝撃がある

 

「簡単に説明できないけど、何だか心惹かれるもの」

 

それが芸術だと思ってしまう。「何の役にたつんだよ」って言われたとしても「黙っていいから見てみろって!」と言いたくなるような、何かが。

 

いつか行った美術館で、作家名も思い出せないし、”何の変哲もない”と言えてしまうような風景画の前を離れられなくなったことがある。

 

すっげー綺麗、とだけはっきりと覚えてる。

 

ルーブル美術館へ行った時、サモトラケのニケ(画像はコチラ)から離れられなかった。首もないし、すごく雑に言えばガタイの良いお姉さんの像でしかない笑。

 

でも圧倒された。

 

その理由もなく、ただただ「おお・・・」と足を止めてしまうような・・・。

 

または極端に嫌悪を感じたり、好意を抱いたり、人を理由もなく激しくするものが芸術だと思う

 

好きか嫌いかでもない

で、今まさに「嫌悪」とも表現したのだけれども、嫌いでも圧倒されることがあるから芸術は楽しいと思う。

 

どんなに有名な芸術家の作品であっても「なんだ、これは?!嫌い!!!」ってなることはある。この作風は好きじゃないなあ・・・みたいなのは私だってある。

 

だけどおもしろいのは、むかつくくらい嫌いなのに、やっぱり圧倒されるんだ。嫌いだけどその力強さに怖じ気づいてる自分がいる。これが面白い。

 

最初、芸術・美術は理屈じゃないから恋愛に似てるんじゃないか、なんて思ったけど、恋愛との決定的な違いは、好き嫌いが決定打じゃないところだと思う。

 

嫌いでもすげー作品はいっぱいある。

 

この間観たジャコメッティ(レビュー記事はコチラ)なんて「なんだ、ほっそいだけじゃん!www」って笑うこともできるけど、やっぱり唯一無二の存在だし、そんじょそこらの人が細く粘土をよっただけじゃ、彼の作品の足元にも及ばない。

 

嫌いだってバカにしたって真似してみたって、彼らの作品の足元にも及ばないから、芸術・美術は難しいし、とっつきにくいし、魅力的なんだ!

 

なくてもいいかもしれないけど

例えば商売等々の観点から見て、これほど厄介な商品はないとも思う、芸術作品というのは。

 

買う人は買うし、買わない人は買わない。しかも買う動機が感情で動いていることが多いから、余計掴みづらい。

 

 

芸術・美術はなくてもいい存在かもしれない。

 

でも存在しているからこそ、人は何かを訴えかける時、芸術を使って今以上の強さを発揮できるんだと思ってる

では。

 

◆本日の一冊◆

芸術が好き・嫌い関係なく、追求する姿に惚れてください。