もしわたしがこの状況になったら、生きて帰れるだろうか・・・ないな。多分「ごめんなさい、すぐ出て行きます!」って背中向けた瞬間、最強おやじに撃ち殺されちゃう気がする。
※一部ネタバレあり
ドント・ブリーズ
(↑)「最強おやじの着せ替えジャケット特典付」とあるが、映画自体はそこまでポップでキャッチーなストーリじゃない。怖い。
あらすじ
親と決別し、街を出るため逃走資金が必要だったロッキーは、恋人のマネーと友人のアレックスと一緒に大金を隠し持つと噂される盲目の老人宅に強盗に入る。だが彼は、目は見えないが、どんな“音”も聞き逃さない超人的な聴覚をもつ老人――そして想像を絶する<異常者>だった。
真っ暗闇の家の中で追い詰められた若者たちは、怪しげな地下室にたどり着く。そこで目にした衝撃的な光景に、ロッキーの悲鳴が鳴り響く――。 彼らはここから無傷で《脱出》できるのか――。
良質ホラー映画だと思った理由
物語がシンプルで観やすい
起承転結がシンプルで観やすい。
- 若者3人が盗みを働く
- 盲目老人が超人すぎてピンチ
- 盲目老人に捕まり、ヤバい雰囲気に
- なんとか逃げ出すも・・・
「若者3人が盗みを働くために、盲目の老人の家に忍び込むも、忍び込んだ家の老人が『盲目』というハンデ以外敵なしの最強おやじだった」というストーリー。
このストーリー展開が、時間の流れるままに進むので観やすい。過去に遡ったり、「一方その頃〇〇は・・・」みたいな展開はない。
また、映画の舞台がほとんど「老人宅」のみなので、物語に集中できる。
王道のハラハラドキドキ感
「盲目」というハンデを活かしたハラハラドキドキシーンの連発が面白い。特に、最初に心臓がドキーッ!!!となったのが、若者3人が部屋を物色中、最強おやじの寝室に忍び込んだ時のこと。
振り返った瞬間、最強おやじが体を起こしてこっちを見てるー!!!!!
このシーン、めちゃくちゃドキーッ!!!とした。
実際には、気配を察して起きあがっただけで目は合っていないのだけれど、このシーンは「最強おやじの伏線」でしかない。この後訪れる恐怖を象徴する1シーンなのだ。
他にも
- 若者が廊下で立っていると、壁を伝いながら歩いてくる最強おやじ
- 息を潜めるヒロインの間近にやってくる最強おやじ
(先ほど1人、射殺済) - 真っ暗闇での若者VSおやじ
などなど、気の休まるシーンがほぼない。
この最強おやじ、本当にホラー映画王道のタイミングで恐怖をぶち込んでくるから、観ている側としてはたまったもんじゃない。「怖 ぇよ・・・急に来るなよ!!!」と映画館で怯えまくっていた女がここにいる。
生理的に嫌なシーンが本当に嫌だ
お分かりだと思うが、この見出しは「映画への褒め言葉」である(↑)。
この最強おやじが<異常者>になったのは、最愛の娘を轢き殺されたことが原因である。が、<異常者>にもほどがある。
物語中盤、謎の地下室に監禁された女性を見つける主人公たち。その女性は「娘を轢き殺した張本人」であり、後々わかるのだが、なんと最強おやじの子供を孕んでいた。殺した女に、娘をつくらせようとしていたのだ。
文字面だけで書くと「不快度MAX」だが、映像による「不快度MAX」、鬼畜な所業は映し出されない。
ただし、不快度すぎない生理的な嫌なシーンは登場する。最強おやじが冷凍保存した自身の精子をスポイトに入れて近づくシーンだ。
すっげー嫌な気分になる。
が、そのような行いに対する直接的なシーンは控えられているので、まだ観れる。「げんなり」ぐらいで済む。かーなーりげんなりするが。でも映画として見せたいものをぶらさないところは、高く評価すべきだろう。
それにしても「スポイトから垂れる・・・」、本当に嫌だ。
見せ方にもこだわりが
また映画冒頭「あ、これ絶対面白いな」と思ったのは、独特なカメラワークである。これから惨劇が起きる場所を、丁寧に1箇所ずつ映し出していくのだ。
ぬるぬるとカメラが動き、
- 若者の履き捨てた靴
- 主人公の女性が隠れるクローゼット
- 廊下
- 地下室への扉
などなど、1つずつ丁寧に映し出し、まんまとその場所でさまざまな惨劇が起こる。
また真っ暗闇で「若者VS最強おやじ」が勃発する時は、赤外線カメラのような映像になる。おやじと同じような視界になり、ヒィヒィ言う若者の姿が映し出されると、こちらも思わずヒィヒィしてしまうのだ。 赤外線カメラ風の映像、恐るべし。
低予算ホラーは当たり外れがある
低予算ホラーを観るときには、「・・・え?」みたいなハズレを引くこともある。当たり外れというか、好き嫌いは主観的なものなので、全部が全部そうだとは思わないが、わたしは「ドント・ブリーズ」を当たりだと思って強くおすすめする。
ホラー映画ではあるが、お化け屋敷が好きな人はハマると思う。幽霊やグロテスク系ホラーではなく、びっくり系ホラーなので。
では。
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