こんにちは、齋藤吐夢です。
例のごとく(?)私の庭、上野に行って参りました。精神的に疲弊している時には、知識も芸術も酒も煙草も、全て受け入れてくれる上野に行きましょう、皆さん。心が休まるよ。
ラスコー展
クロマニョン人が残したといわれる洞窟壁画が今回の特別展のテーマでした。壁画て!と最初は思いましたが、かつて『最古の哺乳類展』へ行って、マニアックすぎる哺乳類の歯の展示に度肝を抜かれたことを思い出して「行かなければ!」と思った。
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特別展「世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」
平日の日中に行きましたが、上野恩賜公園には様々な年代の男女が相も変わらずたくさんおりました。こののどかさがたまりませんな。
予想通りマニアックだった
現在は世界遺産を守るために立ち入り禁止となっているラスコー洞窟の中に描かれている壁画を通して、クロマニョン人の姿を追っていく、なぜ壁画という芸術を描くことができたのか、などなどがテーマとなったこの展示。
案の定
マニアックでした。
その絵の描き方にもラスコー様式という、その時代独自の描かれ方に沿って描かれている。少し変なストーリー性のある絵に関しては、もしかしたら数万年後かに別の民族が描いたものなのかもしれない・・・
うわ~・・・わからない笑
分からない、という発見
そう、でも今回の展示の何が良かったって「分からない、という発見」だったんです。なぜこんな洞窟でこんな絵を描くことにしたのか。ラスコー展のキャラクターにもいますが、謎の鳥人間も描かれていたり、ユニコーンみたいな発掘されていない動物の絵があったりもして。
何のために、どんな人が、・・・みたいな知りたい部分はやっぱり全然解明しきれてなくて・・・。だからこそ!研究が進んでいる分野なのか、どちらかというとラスコーの謎を解くための道具や研究者の行ってきた功績をたどるような展示だった。
でも、絵の描き方とか洞窟のデータスキャンとか体験できる展示や動画が豊富だったので、楽しめました。すごい、さすが科博。飽きさせないねえ。
石器マニア?
後半になってくると、日本ではどうだったかが描かれ、ラスコーの壁画と同じくらいの時期の縄文時代の石器展示が広がっていました。北海道から沖縄まで各地で発見された石器の形や大きさに傾向があったのは印象強かったです。
多分北海道とか沖縄は大型の動物がいたのかしらん、石器が大きいし豪快な切り出され方をしているのに対し、関東地方の石器は小さくて先がしっかり尖った繊細な石器だったのよね。
面白いぞ、地域別石器!
ま、そんな中、最後の展示で一番好きだったのはある老夫婦で。石器の展示コーナー一つ一つにまわりこむたびに、奥さんが「まあ!」と感嘆の声をあげ、横で旦那さんが「ふんふん」とうなづきながら、奥さんの石器小話に耳を傾けていました。
石器マニアだったのかな。
特別展行くならマニアックな企画を
国立科学博物館の特別展は、基本的にはやっぱり科学の魅力を伝えるから、いうなればどれもマニアックなのかもしれませんが、子供たちにもわかりやすいような展示より大人になってからじゃないとニコニコして観られない企画が楽しいんじゃないかと!
冒頭にも言いましたが、『古代の哺乳類展』では私や大人は「ふんふん」言いながら哺乳類の歯を見つめまくってましたが、年の小さな男の子が早々に飽きていたのを目撃しましたよ笑。でもね、きっと彼も大きくなったらわかるのさ。
マニアックな企画への魅力と、
大人になっても衰えない知識欲に。
では。
◆本日の一冊◆
お土産コーナーにあって、すげー興味出た。