こんにちは、齋藤吐夢です。
東京国立博物館にハマる
上野恩賜公園にある様々な博物館、美術館が大好きなのですが、最近とことんハマっているのが東京国立博物館の展示です。
中学生の頃には西洋美術館で絵に触れて、巨大なピカソの絵を観て興奮したり、高校・大学では国立科学博物館にしょっちゅう足を運んでは、科学をもっと学ばなければ!と知識欲を高めていました。
最近突然の国立博物館ブームのきっかけは、「インドの仏展」です笑。我ながらマニアックさに驚いていますが、元々仏教系の幼稚園に通っていて、信仰心はないものの興味は人よりあると自負しております。
そんな私が突然足を運んだ「インドの仏展」が、この感想を言っていいのかよくわかりませんが、実に人間くさい展示だったんです。宗教って人間くさい文化だな~と思うくらい、都合のいい解釈の展示がお気に召してしまい、そこから東京国立博物館の展示に興味を持つようになりました。
全然敷居が高くなかったんですよ笑。
「禅」展観てきました
そうしたら、自宅に届く日本経済新聞の広告欄に、東京国立博物館にて「禅」展をやるとあるじゃないですか。「The Art of ZEN From Mind To Form」という英語タイトルまでついて・・・!
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来ました笑。
会場は平成館というところで、この写真の場所ではないんですが笑。秋晴れとあいまって綺麗にうつったもので思わず・・・。
心をテーマとする宗教とのことで、精神的にまいっている私には最高の宗教だなと思いました笑。私は宗教をかなり人間くさい文化だと思っているので、無宗教を貫きながら「宗教」自体は今後も学んでいこうと思ってます。
赤裸々な感想を述べます
そんな「禅」展。会場内撮影禁止のため(当たり前ですが)、参考写真は一切ありませんが、展示をゆっくりじっくり観ていった私の赤裸々な感想を述べていきます。
歴史学びなおしてえ・・・
これは痛手でした。歴史が全く分からない私のような人でも展示を楽しむことはできますが、きっと歴史について基礎的な知識が入っている人が観たらもっともっと楽しめたはずです。
そのくらい歴史上の人物、出来事としっかりつながっている内容なので、これから観に行く人は室町時代ちょっと前くらいから江戸時代までの歴史を復習してから挑むといいでしょう。
また武家や天皇家とのつながり、禅宗自体の遷移もかなり面白かったので、「禅」展をきっかけに私は中高生レベルの歴史をやりなおします。
ほんと学生時代、
不真面目ですみませんでした。
キャッチ―な説明文がおすすめ
いきなり作品ではないところに着眼点をおいてしまうのですが笑、説明文がキャッチ―です。作品自体の圧倒的な雰囲気もさることながら、人間味しかあふれ出ていない説明文をおって展示を回るのも面白いです。
例えば、あるお坊さんの掛け軸には「この人、ちょいワル?」的な文言が・・・!
「僧侶の絵にしては珍しく胸がはだけている」とか「え、そこにつっこむの?!」と思ってしまうような説明文が表れるので、説明文を観に「禅」展へ行ってほしいです笑。
彫刻の生々しさ
もちろん作品の素晴らしさも、ド素人な私ですら「これはすごい・・・」と思う作品目白押しでした。
例えば私が観てきた「蘭渓導隆座像(らんけいどうりゅうざぞう)」という僧侶の座っている彫刻は、かつてはがっつり漆を塗られものすごく黒光りしていたものを、丁寧に修繕して顔の皺まで鮮明に表れたリアルな彫刻なのですが、
目が怖い!
特殊な技法を用いて、水晶板をコンタクトレンズのように外側からはめ込むことでリアルな眼光を表現しているそうなのですが、本当にこちらの動きを監視されているかのような眼光でした。
他の彫刻にも同じような技法が使われているものがありましたが、この「蘭渓道隆座像」はとびぬけて眼光が鋭かったです。
※11月8日~11月27日の後期展示では展示替えがあります。この像が残っているかは定かではありません。ご了承ください。
生き生きとした筆の書体
あとは、入口にどでーんとある達磨さんの顔が描かれた絵や筆で豪快に書かれた「百寿字」という作品が印象に残りましたね。でっかい筆で体をダイナミックに動かしながら書いたんだろうな・・・と思うほどの豪快さ。
「百寿字」という作品に関しては、「寿」という漢字を100もの書体で書き連ねた作品で、もう本当に色々な書体の寿が書かれただけの作品です。だけ、っていうと聞こえ悪いですけど、言葉で例えると本当に“だけ”ってなっちゃう・・・笑。
でも圧巻です。
一番好きな展示です。
日本人が手書きにこだわるのも無理はないかも・・・と思ってしまうくらい、どんな人物だったのかがにじみ出るような書体が多く、感激しますよ、本当に。
でも履歴書はもうパソコン書きで全然いいと思うの!
「即心是仏」
これは禅宗の考え方で「心こそが仏だ」という意味です。
「すべての事物が心であり、心の外に法はない」と説く宗教で、「心とは何か」「心はどこにあるか」「心はとらえられるか」という議論がずっと続いています。
いかにも人間でしか考えられないような内容ですよね。人間らしいな、宗教。
禅宗の宗派についてもしっかり説明文があるので、通常イメージする「禅」のような質素でつつましい感じもあれば、厳しい修行をバシバシ乗り越えてこそ理解できるんじゃ~!的な宗派もありました。うん、面白い。
11月27日(日)まで東京国立博物館にてやっています。
若い女性が僧侶が筆を持っている掛け軸を観て、
「あ~あの筆超ふわふわ~」
と言っていて最高に幸せな気分になりました。
素直に楽しむが一番。
ぜひに。
では。
◆本日の一冊◆
買いました笑。まずは食べる「禅」から。