『心が折れる職場』を読んで、わたしがいた場所が「心が折れる職場」だと知る。

心が折れる職場 日経プレミアシリーズ

 

 

心が折れる職場 

 『心が折れる職場』という本に出会ったのは、わたしが会社勤めをしていた頃。

 会社の人間関係に悩み、心が折れかけていたわたしは、純粋な興味からこの本を手に取った。帯にはこんなことが書いてあった。

上司がアドバイス上手、「頭のいい人」が周囲にそろっている、「ホウ・レン・ソウ」が重視されている、論理的思考が重視される、無駄口をきかず効率優先・・・こんな職場こそ、実は心が折れやすい?

パワハラ長時間労働だけではない、不調を起こす職場の本当の理由について、数々の実例を知るプロのカウンセラーがひもとく。

引用元:心が折れる職場 (日経プレミアシリーズ)

 帯に書かれていたことだけで、わたしがいる場所が「心が折れる職場」であることに気づいた

 この本で紹介される内容は、いわゆるブラック企業のような会社の話ではない。一見”普通”に見える職場に潜む、不調を引き起こす原因を紐解いていく。

 現在は会社を辞めてから数年経ち、少しは頭も冷静になってきたので、

  • 論理的思考を重視
  • 無駄口は叩かない
  • 効率優先

だったかつての職場の考え方に対して理解があるつもりだ。しかし、どの職場においても、どんな働き方においても、その環境が適しているかどうかは自分次第でいかようにも変わる

 

 少なくともわたしにとっては、かつての職場は「心が折れる職場」だった。

 

どんな人がこの本を読むべきか

 「心が折れる職場」で働いている意識があるなら、読むべきだろう。

 特に、勤めている会社はいわゆるブラック企業ではないし、会社に関する評価もそこまで低いわけではないのに、働いている自分がどうしても心身の不調を感じる・・・というのであれば、読むべきだ

 この本で書かれているように、パワハラの有無や長時間労働だけが、心身の不調を生み出す原因というわけではないのだから

 

心が折れる職場の例をあげるよ

 会社の人間関係に悩み、徐々に心が病んでいったときにこの本を読んだ。読み終えたとき「わたしはこのままだと心がポッキリ折れる」と思った。

 当時のわたしはなんとかして「心が折れる職場の人間関係」を解決したいと考えていた。だからこの本を読み、なぜ心が折れてしまうのかを理解しようとした。

 結論から言うと、わたしは会社を辞めた。

 心が折れる職場で心が折れる理由を理解したところで他人の心や行動は変えられない。変えることができるのは自分だけだ。だからわたしは会社を辞める決断した。

 この本を読み、または以下に書き記す「心が折れる職場」の例を見て、それでも解決しなさそうだったら、心が折れる前にそんな職場を逃げ出すってのもひとつの手だって思ってもらえると嬉しい。

 

ドライな人間関係で心が折れる

 わたしが配属された部署は、営業成績もよく、当たり前のように残業する会社の中でもダントツで残業時間の少ない部署だった。

 それが叶えられる理由のひとつがドライな人間関係だった。

  雑談は一切なし。目の前にある自分の仕事だけに集中する毎日。一見すると「仕事に向き合う人だらけでいいじゃないか」と思えるのだが、会社へ出勤し、顔を合わせる意味がないぐらい誰とも口を聞かないイメージだ。

 ここまで部署内の人間関係がドライなら、在宅でいいんじゃないだろうかと思ったこと数回。

 

自分の仕事以外は絶対にやらない

 ドライな人間関係、効率を重視した仕事環境。確かに働く上では非常に合理的なのかもしれない。彼らは自分の仕事以外は絶対にやらなかった。

 当時のわたしは新入社員だったから、わからないことを当然のように質問する。質問すると明らかに苛立たれ、舌打ちをされる。目の前で「新入社員の面倒をみるのはめんどくさい」と言われる。

 体調不良で早退する人、後日入院や手術を控えている人、子供が熱を出し早退する人に対してもそんな対応だった

 

他人を平気でけなす

 そして雑談一切なしの彼らが仕事以外で口を開くときは、決まって他人をけなすときだけだった。営業成績が悪い人、子供が熱を出して早退した人、要領が悪い人・・・その人たちに対する陰口を、その人たちがいなくなった瞬間に話し始める

 しかも、イキイキとして話す

 自分の仕事以外はやらないものだから、病欠等で休んだ人の仕事をリカバリーするときには愚痴大会になる。毎回同じ人を狙って、みんなで楽しそうにけなす。

 

 わたしのOJTは、わたしの目の前で「OJTなんてめんどくせえ」と言った。新しく部署に入ってきた人に対して、彼は「あいつの仕事はノロマだ」と言った。そんなOJTの彼をかつて指導していた上司は、「あいつの仕事がノロいのは、OJTの指導が悪いからだよね」と言った。

 これを、ほぼ全員が繰り返しているような職場だ。

 

心を折ってまでそこにいる必要はない

 「こんなことぐらいで心が折れるのかよ」と思う人は、とっととこの記事から離脱していい。でも、”こんなこと”ぐらいで心が折れる人はいるし、”こんなこと”がずっとトラウマになったりする

 例えばわたしは「直接人と関わりながら働くのはもう無理だ」と思っている。会社員にはもう二度となれない、なりたくない。

 もしあなたがこの本を読んで、自分のいる職場が「心が折れる職場」だと感じたなら、その職場以外でも働くことはできるんだと考えてほしい。心が折れる職場にい続ける必要はない

 いたい理由があるならいたっていいが、あなたの人生だ。その職場にいても、いなくても、あなたの人生を変えられるのはあなただけなのだから、あなたが「いたくない」と思ったとき、そこから逃げ出すことも考えてみてほしい。

 

 心が折れる場所にわざわざ出向いて、心を折りに行く必要なんてない

 では。

 

◆本日の一冊◆