私は”フェミニスト”という言葉を勘違いしていた。”両性が平等であると信じる者”

こんにちは、齋藤吐夢です。

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ジェンダーやセックスについて考えるたび、「なんて難しい問題なんだ」「どうやったらうまく伝えられるんだ」と思い悩んでいました。

 

そんな私は、少し前まで”フェミニスト”という言葉を嫌っていました。

 

なんか女性優位なイメージが先行していて。でも違った。私は"フェミニスト"という言葉を勘違いしていた

 

フェミニストには男女なんて関係なかったんです。

 

 

フェミニストについて知る

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"フェミニスト"という言葉を勘違いしていたことに気づいたのは、くぼたのぞみさんという方が翻訳を担当したチママンダ・ンゴズィ・アディーチェのスピーチを全訳した『男も女もフェミニストでなきゃ』という本がきっかけです。

 

フェミニスト”を勘違いしていた自分が、嫌っていた世界を知ろうと手に取り、読み、そこで初めて”フェミニスト”の意味を知りました

 

フェミニストって何?

この本の後半(スピーチの後半)で”フェミニスト”の言葉の意味が登場します。

 

辞書にはこうありました「フェミニストとは、社会的、政治的、経済的に両性が平等だと信じる者」。

 

”両性が平等だと信じる者”、この一説にハッとさせられました。私は恐らく”フェミニスト”です。なのに言葉の意味を勘違いしていた結果、反”フェミニスト”になってしまっていた。

 

女性だけの話ではない

 

男性も女性も関係ない、両性が平等だと信じる者こそがフェミニストである。このことを知り、私は私を恥じました。

 

平等を掲げる女性=フェミニストは違う

この本では、チママンダさんが実際に言われた、意味を勘違いしていることによる”フェミニスト”への揶揄がユニークたっぷりに、でも人の心に刺さるように書かれています。

 

わたしに対する彼の忠告はー話しながら悲しげに首を振ってー絶対に自分のことをフェミニストといわないほうがいい、なぜならフェミニストというのは夫を見つけられない不幸な女のことだから、というものだったのです。

 

そこでわたしは自分のことを「ハッピー・フェミニスト」と呼ぶことにしました。

 

ここから怒濤のように彼女は、男女問わず、様々な方に”フェミニスト”と名乗ることへの恐怖をアドバイスされ、「ハッピー・フェミニスト」から「ハッピーなアフリカ的フェミニスト」「男嫌いではないハッピーなアフリカ的フェミニスト」になろうと決めます。

 

これだけでもユニークで皮肉たっぷりなのですが、最終的には「男嫌いではなく、男性のためではなくて自分のためにリップグロスを塗ってハイヒールを履く、ハッピーなアフリカ的フェミニスト」となります(もちろん皮肉を込めた冗談)。

 

現状”フェミニスト”という言葉はネガティブに捉えられ、その言葉の重みも重すぎるほどですが、実際にはそうではない。

 

平等を訴える女性だけがフェミニストではないことは、”両性が平等であると信じる者”という一説で理解できると思います。

 

男性だって性に縛られている

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(↑)彼女がチママンダさん。

 

かつ彼女は、男性もまた性に縛られていることを訴えかけ、よりいっそう”フェミニスト”が両性のものであることを際立たせています。

 

例えば、男は「強い男/ハードマン」でなければならないという育て方。男女問わずティーンエイジャーは所持金がそこまで多いわけでもないのに、男の子のほうがお金を払って男らしさを見せる現状。

 

お金は「より多くもつほうが払えばいい」という育て方をすれば、今はより多く持てるのが歴史的に見て「男性」だから男性が支払うことが多いかもしれないけど、その先は考え方が変わるかもしれない。

 

男はよりハードでなければ・・・という前提から疑ってみることが大事なのでは?と説いています(女はよりか弱く・・・という見せ方も然り)。

 

※翻訳を行なったくぼたのぞみさんのブログも興味深い内容ばかりなので、ぜひ!

エスペランサの部屋

 

私も多分、フェミニスト

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この本の中で、彼女自身納得して「自分はフェミニストである」と書いていました。恐らく多分、私もそうなんでしょう。私も多分、フェミニストです。

 

かつてのように”フェミニスト”という言葉に嫌悪を抱くことはありません。両性が平等であることを信じる者なだけです。そこに「女性だから」は関係ありません

 

なるほど、社会的な運動は、確かにすぐには物事を思い通りに動かせはしない。でも着実に取り組みを進めていけば、数十年後の未来は変わっているのかもしれないな。

 

私は多分、フェミニストです。

 

私はフェミニストです。

では。

 

◆本日の一冊+α◆

非常に読みやすい、分かりやすい一冊でした。

 

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