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『わたしは生きていける』ノンフィクションの戦争の話ではない。だけど伝わる戦争の脅威。

こんにちは、齋藤吐夢です。

 

 

気持ちが落ち込む気がして、話題の映画この世界の片隅にを観る勇気がでません。ノベライズ版 この世界の片隅になら読めるだろうか。

戦争をテーマにした作品はへこむから大量に観ることができないけど、フィクションなのに戦争の脅威を感じた本を読みました。

 

図書館で見つけた1冊の本

1週間に1回は図書館へ通うようにしています。本を読む習慣に体をなじませたいと思っているので、せっせと図書館へ通っては、興味を持った本を借りて読んでいます。

やりたいことリストの1つ、「年間100冊読書」を目指しているので。

▼過去記事

やりたいことリスト100、2017年版。来年振り返るのが楽しみになるように。 - 真面目でなぜ悪い

 

図書館で本を借りる時、事前に調べておいた本を探すこともありますが、時々ジャケ買いならぬ、ジャケ借りをします。

図書館でこの本に出会ったのは、そのジャケ借りで出会いました。綺麗なブルーの表紙にデイジーの花が一輪わたしは生きていけるという力強いタイトル。一目惚れでした。

 

あらすじ

家の正面には無数の白いバラが咲きみだれ、見ているとくらくらするほどだった。あの夜も、どこかで戦争は続いていたんだと思う。でもそれは、この“あたしたち五人だけ”の生活には手出しできなかった。恋と情熱と畑仕事とスパイ活動からなる生活には―そんなとき、ひとりの訪問者がやってきた...。世界を涙で包み込んだ愛と癒しの物語。ガーディアン賞・プリンツ賞受賞の超話題作。

出典:わたしは生きていける - メグローゾフ - Google ブックス

あらすじには愛と癒しの物語とあるものの、そんなに愛と癒しだろうか・・・という印象はあります。

 

映画化もされている

あまり話題に挙がっていないことからも分かるように、メジャーな映画ではないです。ヤングアダルトジャンルの映画です。でも主演のシアーシャ・ローナンのけわしい表情は主人公デイジーに近しい印象があります。

 

▼私の大好きな映画ブログ三角締めでつかまえて』でも紹介されていました。

わたしは生きていける(ネタバレ)|三角絞めでつかまえて

 

どんな人におすすめか

  • ヤングアダルト小説が読みやすい人
  • ひっそりとした死の恐怖に耐性がある人
  • 過去を受け入れ、前へ進むことができる人

 

戦争の脅威

この小説は正直万人に読みやすい小説ではないと思っています。主人公デイジーは思春期真っ只中。その上に家庭環境もそんなに良くない(デイジーが心地良く過ごせる家庭ではない)。そんな少女の1人語りで物語が進みます。

少し斜に構えた少女の語り口は確かに読みづらいのですが、彼女が感じる感動や恐怖悔しさや決心ダイレクトに感じることができます。だからこそ、ノンフィクションの戦争ものではないのに、戦争の脅威が伝わります

 

ただの青春小説ではない

デイジーは従兄弟のうち1人と恋に落ちるのですが、じわじわと忍び寄る戦争の影の合間に、甘酸っぱい恋愛模様が挟まれます。思春期真っ只中の恋の模様は何とも恥ずかしいのですが、だからこそ後半の不穏な空気が不気味にうつる

直球なシーンはほとんどありません。それは恋愛描写においても戦争描写においても。戦争によって愛する従兄弟と離れ離れになったデイジーが、再会するために旅するシーンも、決して青春映画や青春小説特有のワクワク冒険感はありません。

どちらかと言えば、バイバル感あふるる土臭さがあります。

 

死の瞬間はひっそりと

戦争の脅威は、残酷な風景のシーンでも垣間見えますが、それ以上にぞっとするのが静かに人が死ぬことです。それこそが戦争の脅威のように思えるのです。死の原因は取り除くことができるのかもしれないけれど、死自体にはどうしても抗えない

直接的に死を見るシーンもあります。

そのシーンはじんわりと、小説を読み切るその瞬間まで嫌な余韻を残すことでしょう。ただ、だからこそ戦争の脅威は伝わるし「生きる」「生きていける」、本のタイトルや表紙の色、デイジーの花が響きます。

 

日本人とは違う文化、文体で読みづらいかもしれませんが、海外では有名な小説です。著者であるメグ・ローゾフさんの経歴も心を打ちます。

では。

 

◆本日の一冊◆

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