愛が詰まった映画だと感じた。『シン・ゴジラ』観てきました。(ネタバレなし)

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こんにちは、齋藤吐夢です。

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昨日『シン・ゴジラ』観てまいりました。

ゴジラが好きで好きで仕方のない人達から見れば、ミーハーな人の位置づけになってしまうのかもしれませんが、大好きな庵野秀明さんの作品ですから、ワクワクしておりました。意識はしていませんでしたが、公開初日だったみたいですね!

 

大興奮しました。

私は『シン・ゴジラ』に対して肯定的な意見をもちました。非常に愛の深い作品を観させていただいたなあ、としみじみ、感慨深くなりました。私達の両隣に座っていた青年たちも恐らく同じだったのでしょう。終演後、鼻息を荒くして語り始めるのを私は観ました。

しかしながら、

今回ともに映画を観に行ったのは私の夫なのですが、私と私の夫の意見が真っ二つに分かれたのも今回の映画の面白いところだな、と思いました。そして夫の言い分も理解できるものでした。

今回はネタバレなしで、できる限り私が感じた興奮をお伝えしつつ、夫の視点から、この映画の弱点もお話ししていこうと思います。

 

シン・ゴジラ』おすすめ点

1.ビジュアルに胸熱。

シン・ゴジラのビジュアルが予告編で初登場したときには、現実的な観点から「尻尾が長すぎるだろ」とつっこみをいれていたのが正直なところでした。あんな長い尻尾を支えるのに二足歩行は不安定すぎるだとかそんなことを言いました。

しかし、これは虚構の物語ですし、正直あの不安定なフォルムがめちゃくちゃ怖かった。映画の中なので、「うひゃーかっこいい」とか「何あの手かわゆい」と思いがちですが、自分の想像力をフルに働かせてみたときに、あんな不安定で死んだような目をしている巨大生物が現実に現れたら、恐怖でしかないですよね。

あの赤く光る体、あの赤色というのは不安感を誘う色だなあ、と思いますし、映画を観ていただければわかると思いますが、おなじみのアレを吐き出すシーンはもう、ただただ「かっこいい」と思う感情と「こわい」という感情が頭を駆け巡ります。

ネタバレなしで頑張っているのですが、驚きのビジュアルも公開されますので、映画を観に行く方は遅れずに最初から観てくださいね。

 

2.破壊描写の中にある静かな死が怖い

今を生きる日本人は、天災の恐怖を知っています。

だからでしょうか、破壊描写の中にある静かな死がとても怖く、印象的だなと感じました。

破壊描写自身もすさまじいものなので、怖いです。ジリジリとにじり寄ってくる謎の巨大生物ゴジラ。上陸し、街を破壊し、前進し続けるゴジラ。人間が時間をかけ、しっかりと作り上げた建造物は、無邪気な子供がアリをつぶして遊ぶみたいに、あっけなく壊され、重たい存在のはずのビルも車も、山積みに、ボロボロになっていきます。

ハリウッド映画のように”リアルを追求して本物の車、セットを壊したんだ!”という映像ではないので、CGを駆使しているなあ、というのは正直言って否めませんが、時々映像内に盛り込まれる、派手な血しぶきも飛ばない、静かな死が恐怖心をあおります。

直接的に人が死ぬシーンは数回しかありませんが、それ以外にもあんなに街が簡単に破壊されるときに、誰一人死なないなんてそんなのありえない。その誰か一人でも、多分あの破壊行動で人が死んでいる、と想像させるシーンを感じました。

どの死のシーンをとっても、あっけなく人は死にます。

この点は、この静かな死のシーンの表現は、邦画、日本人だからこそ表現できるのかな、と思いました。

 

3.人間ドラマだった

俳優さんが沢山出てきます。出演してくださった俳優さんは300人を超えるみたいですね。主人公枠の長谷川博己さんと竹野内豊さん、あと登場してくる柄本明さんと古田新太さんが私の中では最高の役者でした。

この『シン・ゴジラ』は日本人を応援する映画だな、と感じました。ゴジラの凄まじさもさることながら、国、そして国民を守ろうとする日本人たちの話でした。庵野秀明さんは日本人を誇りに思っているのだと思います。

どうしてもこの映画を観ていると、3/11を思い出します。少しトラウマになりそうな破壊描写は3/11の影響を受けてないとは言えないんじゃないかな。でも、3/11の影響は私達日本人の復興への頑張りを世界に向けて発信しているようにも思えた。

たくさんの人がいる。全員が全員、考え方が一緒なわけではない。

想いは一つでも、方法や思考は全く違う。かみ合わないこともある。

そうなると焦りや怒りや無力さが襲ってきたりする。

でも、想いが一つなら人は頑張れるし、力を合わせることだってできる。

様々な人の思惑が飛び交うこの映画では、誰に感情移入できるかとかではなく、私達にも当事者意識を持たせてくれるような感じがしました。不測の事態が起きたとき、やり場のない怒りや悲しみが襲ってきたとしても、頑張って生きよう、立ち直ろうと思えるように。

 

シン・ゴジラ』弱点

1.完全なオタク・マニア向け

私の夫は私とは正反対の意見の持ち主でした。

そこで言われたのは、完全にオタク・マニア向けな映画だったということ。

言わんとしていることは分かりました。ゴジラを愛してやまない、そして庵野秀明さんのことを知っているか否かによっても、この映画の観方はガラリと変わってしまうかもしれません。

庵野秀明さんのファンであっても、この映画は嫌い。という人はいるかもしれませんが、少なくとも興奮して語り始めた私達の両隣の青年の口からは、庵野秀明さんの存在は示されていました。

楽しみながら観れる夏休み映画ではありません。ゴジラのビジュアルがどんなにかっこよくとも、途中途中の人間ドラマは子供はきっと理解するのに苦労するかもしれません。現実の場面は、いつだって少し退屈なのです。

逆に大人向けかと言われるとそうでもない。ゴジラ、特撮、エヴァンゲリオンを彷彿とさせるシーンは、オタクの語らう世界に近い。オタク・マニアのことは大好きですが、彼は映画として観客を置いてけぼりにしたのではと思ったようです。

 

2.メインがゴジラではない

私は良い点に人間ドラマだったということを挙げましたが、彼にとってそれはゴジラというエンターテインメント性がなくなったように思えたようです。

ゴジラによる破壊や、あのビジュアル以上に、日本人頑張れ!といったメッセージ性のある人間ドラマのシーンに重きを感じた結果、映画という一つのエンターテインメントがやはり邦画は洋画に比べて弱いと感じてしまったとのこと。

私にとって邦画のいいところは丁寧に描かれた心理描写や人物の描写だと思っているのですが、彼はやはり派手さやアクションを求める上では日本の映画は弱い、お金がない、という観点でみている様子。

また、現実VS虚構というPR文にも引っかかりを感じてしまったらしく、もっとフィクションでもよかったのではと、最後のシーンに近づくにつれ思ったとのこと。

現実的なシーンが随所随所に盛り込まれたことが、かえって映画らしさ、虚構の世界を求めた彼にとっては少し残念だったようです。

 

この映画がどう評価されるのか

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出典:http://breakingnews800.com/shin-gojira/

私はこの映画が賛否両論、真っ二つに分かれたとしても、世界の日本映画ファン、特撮映画ファンの間で少しでも評判になれば、誇れる作品の一つになるのでは、と考えています。

人の意見は人それぞれ。きっとこれをゴジラではない、という人もいれば、これこそゴジラだという人もいる。

私はそんな中でも、興奮してしまった側の人間で、映画鑑賞中は武者震いと胸のたかまりがおさまらなかった。映画鑑賞中、ずっと興奮していた。恐怖におびえながら、日本人らしい人間ドラマに感動していた。涙が出た。

どのような意見を皆さんが持つのかは分かりませんが、とりあえず一度観てほしい。

ゴジラにも、人間ドラマにも、随所随所に込められた想いの詰まった台詞にも耳を傾けてほしい。

 

「生きたい」と思えるような強さがそこにはありました。

では。

 

◆本日の一冊◆

 

 好きなんですよね。この二人の話。

エンドクレジットに安野モヨコさんの名前が出てきて安心しました笑。

オタクの教祖庵野秀明さんと漫画クイーンの安野モヨコさんののんびりマニアックな世界観が描かれたこの本も、なんだか愛を感じます。

オタクって良い日本の文化だと思うんだけど。